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【書籍化・コミカライズ】【Web版】おっさん(3歳)の冒険。  作者: ぐう鱈
2章:あえて言おう、桃太郎の桃を拾えるお婆さんは大物である!と
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46「魔宝技師は無力」

※2017年5月16日に34~50話の大幅変更が実施されています。ご注意ください。


【ジンパ事件】

 臭いの強い羊肉の扱いは味に比べて低い扱いだった。

 だが、羊毛の需要は高く、多くの羊がおり、同時に羊肉は豊富であった。

 故にあまり肉。

 食べ飽きた猫がまたいで通ったことから『猫また』などと揶揄されていた。

 そこに食の街グルンドからやってきた魚の伝道師! 聖なる食の幼女ことマイルズ様が革命を起こした。


「ジンパには罪はないのです! そしていずれ、オレンジの彼を超えるのです!!」

 私は肉への感動と共に心に記録したい!

 そして聖女のアイディアに乗ったツァー精肉店が直営する羊肉料理店に飾られた、神々しい幼女の絵画。

 この意味の分からないこの言葉を、読者諸兄姉に伝えたい。

 野菜も美味い! だが、肉こそ至高!!

 最後に聖女マイルズに感謝をささげ私の記事を終わりにする。

 ・・・

 ・・

 ・

 誰が幼女か!!!!!!!!!!!!!!!


「獣王様この記者さらし首がいいと思うのです」

「うむ。見事な記事だ。使者を出せ記者を称える賞状をわたすがいい」

「マイルズちゃん。獣王都の経済活性策ありがとう。あと食文化発展するわね。輸出品が増えるわ。うふふ」

 王妃様黒い。おなか真っ黒な感情が、尋常ないほど伝わってきます!


「マイルズよ。何が不満なのだ?」

「そうです。こんなにも褒めてくれているのに……」

 2人そろって不思議な顔をしてます。なんですと……。


「お2人。私をみて」

「かわいいの」

「可愛いわね」

 せんきゅーーーー!


「聖女とか、幼女とか言われました」

「正当な評価だ」

「むしろ銅像立たないのがおかしい。その姿をとどめおきたい!」

 のーーーーーーーー!


「ワタシ、オトコノコ…」

「ホーネストの婿になってくれるのか?」

「マイルズちゃん。そういう話は大人になるまで待ってね」

 可笑しいのです。

 きっと獣王国は狂っているのです。

 是正しなければ! まず私のこの女装から……。

 そう決意を固めつつ学校に向かった私に……。【奴】は立ちふさがるのでした……。


秘話! 獣王国食の聖女伝説3「甲冑女子は可憐に!」――――――――――――――――――

 みんな~、頑張るのです~。

 私はポチに侮辱された浮き輪に流されつつ浮遊感を楽しんでいます。

 あ、権三郎今の波そんなに抑えなくても大丈夫ですよ~。

 過保護な権三郎は、私が波で転覆しないように目を凝らしています。


「1分経過!」

 私は優雅に、そしてポチ達は必死に立ち泳ぎ中です。

 身体(能力)測定の為、甲冑を身に纏った女子たちが温水プールで立ち泳ぎしております。

 そうこれが水泳なのです。

 彼女ら獣王国の民。獣王国は西を海に面した海運の盛んな国です。海運は物流で最高の効率なのです。

 ……そんな国に住めば、貴族に生まれれば海賊退治に出陣もするし、一般市民も移動に船も使います。そんな時、もし万が一海に投げ出された際。生き残るために必要な技術。その能力測定がこの項目なのです。


 なお、皆さま足のつかない深さのプールですので、生徒1人に足の着く身長の先輩が1人ついて安全対策ばっちりです。


「ポチ」

「何じゃマイルズ」

「うば~~~! なのです」

 ふよふよとポチに近付いた私は渾身の変顔を披露します。

 ……笑いをこらえバランスを崩すポチ。あ、少し水を飲みました。


「マイルズ、外道です」

「タマ、試練なのです。突破できればもう一段階先に逝けるのです。という事でタマにも、ちょっと1試練♪なので~す」

 すいーっと近付く私。タマと目が合う。……ちょっとタマ。もう笑いそうなのはどういうことですか?失礼ではないですか?

 

「そこまでだ。いとし子よ」

 小さな波紋だけ立てて変態王子が水面に立つ。人外なのです……。

 恰好はおおよそプールに似つかわしくない執事服です。……あ、ちゃんと靴と靴下脱いでる。


「これから……10時のおやつの時間だ!」

 なんとそんな重要行事の時間でしたか!!


「というわけで、プールサイドに用意済みである! はーい、ふきふきするぞー……よーし、両手上げて……

ばんざーい、だ」

 ばんざーい、なのです。あ、このタオル生地柔らかいのです。すっごくいいのです。


「はい、みなさん。検査中ですよー。ひな鳥を見守る視線はそこまです。」

 ……教官が何か言いました?……

 して、本日のすいーつは何でしょう。


「グラグ餅だ」

 ……くず餅でした!

 ひゃっはぁぁぁぁっぁ!

 上品な蜜の甘さにトロトロなのです。


「……あの美しい方が……【良いところなし】で有名なグラグであんな美味しそうな物を作られたでしょうか……尊い……」

「わが領地で大量に取れます……。お声がけしようかしら……キャッ……」

 ……イケメン(変態王子)死すべし。

 しかし、異世界人保護システムが整い、異世界文化の応用が花開いている神王国。そこの料理に精通しているのです。手放すのは惜しいですね……。しかし、ぐぬぬぬ。


「うむ。いとし子よ、口に蜜がついておるぞ……」

 どこからか黄色い歓声が響いてきます。

 ……それ、イケメンの優しい挙動にですよね?

 変な掛け算してませんよね?ね?ねぇ?ねぇ?ねぇ??

 みんな!

 目を合わせて!!!!


おかしい。真面目な話のはずだったのに…

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