35「なぜこうなった森の中5 幼児知識チートを披露しようとしたが…」
※大幅見直し中【5/9】
さて異世界で学校といえば……。……知識チートっていうじゃないですか?
『中世は簡単な足し算しかできなく、文字を読めない人が大多数』という認識が一般的かと思います。ですが……実際は違います。
現代日本のように豊かな世界ではないので、人々はそれぞれ【必要に応じて学ぶ】のです。
洋の東西違いますが元の世界でも『貴族や金持ち等余裕ある層の中でも向上心のある人間が高等教育まで進む』こともあれば、『才能があっても、農民は基本の読み書き計算でやめる労働力としての技術を学ぶ』こともあります。生活のために学ぶのですからそうなるのでしょう。
とある地域では『庶民に勉学を学ばせるのは反抗につながる』として教育のハードルを高くしたり学ばせないなどあります。それとは別に中世世界では差別が一般的だったため、全体的に識字率が低かったとか、低くなかったとかという話なのです。
まあ、激しい差別がなければ学力は大きく劣るという事はあり得ない。という事なのでしょう。
ここ獣王国では貴族階級の勉強意欲が強いようです。
一般庶民も政府より援助があり学習機会を与えられているのと国民性もあってか、皆真面目に学んでいます。
……何が言いたいかといいますと、9歳クラスで『一次方程式』とか『立体に関する計算』とかって早すぎない? てかレベル高っ。
そのあたりポチに聞いてみます。
「庶民はみなは国からの補助がある基礎クラスで終わるからのう、詰め込んでいるのじゃ」
レベル高いと言われてご満悦……いえ、めっちゃドヤ顔でした。ぐぬぬ。
これでは、後輩が言っていた『高校生が死んで転生!』なんてしても負けちゃうんじゃないかな? 生活直結だから勉強意欲半端ないよ? 異世界人。……そうだ! 無い科目で勝負です! ……と物理を思い出してみます。
あ、『魔法学基礎』でほぼやってる……。
さすがに電気、電磁力、電波とか、音波とか、光についての解析とかはなかったのです。ですが、これらは何分目に見えない物。こちらが知っていても証明は難しい。証明できなければできないも同然なのです。基礎化学は根気が必要なのですと再認識しました。パッとやって成果など無理無理なのです。無念……。元の世界の先人達すごいですよね……。
そうです。システムです! ITです! これを……あ。……権三郎アンドロイドでした。
すでに高度IT技術人格AI実装済みです……。魔法で……。
……魔法力便利だな畜生……。
いつものようにお昼ご飯後の授業で熟睡してしまいました。
久しぶりに頭を使っておりますので疲れて寝てしまうのです。これは3歳だからしょうがないと思うのです。
「寝る子は育つという、もっと育つといいのじゃ」
ポチよ。ほっぺをつく指を早く引っ込めないとしゃぶりますよ?
「まーちゃん、可愛い」
タマが撫でます。
そして正論を投げつけてきます。
「何より3歳でこの授業についてこれることは異常ですよ?」
「うむ、知って居ったが異常じゃ」
異常違うもん。マイルズはかわいい3歳児だもん。
……ぐっ、ぐは。心の中だけとはいえダメージきますね。
30後半で「もん」って。しかも2児の父……あ、もういないか……。
ほおを膨らませる私は、より皆さんのおもちゃになりました。
ちやほやするがいいです!
あ、献上品(飴ちゃん)を頂けると幸いです。
誰ですか!? 『若い子に囲まれてチヤホヤされて楽しんでやがる』って言った人は!
心は体に引かれるのです!
私が私欲でこのようなことはしておりません!
体の強制力が理由なのです!!
あ、飴ちゃん美味しいのです!
おねいちゃん、ありがと~。……ふぅ、体の強制力は疲れるのです……。
……入学してほぼ1週間が過ぎました。
……変化にとんだ学生生活なんてなかったのですよ。
放課後の部活などなく。皆、鍛錬とかしてます。
そんな時は私1人です。
図書館で本を読んでいましたが1週間同じ行動はあきます。
そう飽きるのです!
飽きたら何かしたくなるのが子供なのです。
なので、ポチが剣を振っている横で石を持ちます。
……ポチ、警戒しなくても何もしませんよ。
しかし暇です。なので気で石を粉砕します。
『ザワザワ』
注目されています。
気を使ったのがばれましたかね。まずいなぁ……。
ん、魔法力ってことで誤魔化そう。魔法力! そいや!
『バン』
はじけ飛びました。
……あれ?
途中一瞬白い魔石っぽい石になった気がしましたが?
何だったのでしょうか……。
直後ポチタマに首根っこ掴まれて寄宿舎送りにされました。
もう少し幼児に優しい異世界を希望いたします。切に、切に。





