表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化・コミカライズ】【Web版】おっさん(3歳)の冒険。  作者: ぐう鱈
7章:宗教戦争で最も悲惨なのは宗派争い
184/205

136「地球帰還魔術3」

土曜日はJリーグ見て寝てます。

……せっかくの休日の記憶が……ここ最近ない……。

あれ?日曜日に書いた3000文字は……。

 まずい状況になりました。


 え?それは何回も聞いた?

 ……。いや、違いますよ。

 偽ドゥガが黒い龍を呼び出してどうかして自称竜神とかになって変態王子とバトル始めたとか、大した問題じゃないんですよ……。

 いえね、封印解除した変態王子が異常な強さだったのは龍の主人だったと知った時点で理解していました。それに万が一変態王子が破れようとも決定的な敗北前に私が介入してしまえば済みます。

 戦闘経験が少ない私ですが、本体と開発したこの『スーパー勝さんボディ』があれば、上位亜神レベルと言われる龍程度、『力技』で何とかなります。


 ですので現在私は『万が一』が起こらないよう戦闘を監視しています。

 偽ドゥガが私たちの知らない術で亜空間へ干渉し『我らの隙をついて地上に戻り中継施設を破壊される』、そんなことが起こらないように監視しています。

 と、いうのがこの戦闘がはじまる前に変態王子と打ち合わせた作戦になります。


 その様な前提に置いて繰り返しますが、現状まずい状況にあります。

 まず変態王子と偽ドゥガの戦いですがバトルに詳しくないのでどちらが優勢か判断がつきません。

 素人目からは変態王子の方が余力がある様なので私が介入する状況でもないようです。

 亜空間への干渉ですが、偽ドゥガの背中から生えている3つの龍首のうち何本かが亜空間を定義している結界術への干渉を始めています。

 こちらも私と本体が新たに生み出した魔法制御用の魔石のうち1つに設定した防衛術式で十分に対処可能な状況です。


 では、何がまずいのか。

 本人は気づいていませんが、……偽ドゥガの存在が崩れ始めているのですよ。


 それの何がまずいのか?と思われるかもしれません。

 あえて言いましょう、非常にまずいのです。


 マイルズの中の人こと、自然神にわずかに触れることで得た情報があります。

 これは最近自覚した情報ですが、我々が魔法の構築や自在に事象のライブラリ化ができていたのは中の人の情報やノウハウが大きく関わっていました。

 変態王子が使った亜空間結界術も、本体と私が術や情報を検証した結果から派生し変態王子の手よって具現化したものです。ですので、この術がどのようなものなのかも理解しています。


 だからこそ私は変態王子と共闘することなく、亜空間結界術の監視をしているのです。

 そう、この亜空間結界術とはリスクが大きいのです。


 皆さん、空間の定義とは何でしょうか?

 そこにある。そのことを定義する法則がある。

 そう『ある、ことを定義する』必要があるのです。これは神または神を生み出した何者かが定義している法則になります。人や地上に存在する生物と呼ばれる我らはその一片を観測し、自分たちなりに理解できるように定義しているにすぎません。

 それ故に、定義されていない亜空。

 亜空間結界術とは神々が施した世界を構築する術を模倣し隔離した世界。

 幾万という神々が創造神の元、総力を挙げて構築した世界と違い不安定化した世界。

 現在変態王子が構築した亜空間は、無意識で、私達が居た世界の法則が模倣されています。故に魔法力もつかえますし、重力も存在します。

 逆に言えば同じ世界で生きてきた経験のある秘術者であれば、結界術への干渉という手掛かりもつかめてしまいます。


 それが最大のリスクです。


 神々が総力を挙げて作り上げた世界と違い亜空間は『存在揺らぎがち』です。

 『存在』という制御の枷が外れると、それまであ空間という世界を構築していたすべてのものが、純粋な『力』に戻ります。つまり亜空間が消滅すると、『消失と破壊』という名の『揺らぎ』が発生する。そして近接する世界には『消失と破壊』の揺らぎが連鎖します。

 亜空間よりも『世界としての情報が確定』していて『自動修復法則』や『神々の直接管理下』にある現実世界であれば、世界の連鎖崩壊にまではならないですが……、影響はうけることでしょう。

 具体的に申し上げますと、少なくともこの亜空間と接続されている遺跡一帯は、確実に完全消滅するでしょう。

 マイルズの中の人の情報では、過去とある世界の崩壊が崩壊を起こされた際、連鎖自体はすぐに止められたが隣接する複数の世界に壊滅的な損害が出たと記録されています。

 ね?

 まずいでしょ。

 え?

 なぜそんな危険な術を使ったって?

 いや、あのままであれば確実に戦闘の余波だけでも、せっかく再稼働させた遺跡が破壊されていたことでしょう。それにさすがの私と変態王子でも守りながらの戦いは不利すぎます。更に言うと偽ドゥガのような人たちは『自爆』とか洒落にならない最終手段を持っているはずなのですよ。なのでリスク覚悟で隔離して管理した方がよいのです。


ということで変態王子と偽ドゥガのバトルを横目に、偽ドゥガの背中から生えている竜の首と私は、結界として機能している亜空間の主導権争いをしています。

 今のところ両二の腕部に組み込んでいる巨大魔石のうち左の魔石だけで対応しています。ちなみに右の魔石は変態王子の結界術の補強プログラムを実行しています。

 ああ、この2つの魔石ですが本体とともに私の庵跡を生み出した時と同じ手法で作り出した魔石ですが、私のように意識は宿っていません。案山子作成魔法による人格AIベースの術式を仕込んでみましたが今のところ発現する様子はありません。発現してくれれば非常に助かるのになぁ、と本体と二人で魔王城の客室でがっかりしたのを覚えています。え?魔王様に怒られなかったかって?権力者は真っ先に巻き込み済みです。魔王妃様、先日はお世話になりました……。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ