129.4「侵略戦争4」
大変長らくお待たせしました。
週に1回更新とゆっくりペースにはなりますがようやく再開できそうです。
ということで2年近く放置してしまったので、話の概略を前書きに記載いたします。
「そんなのいらねぇ!」という方は飛ばしていただいて問題ございません。(^^)
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これまでのダイジェスト(167で細かくやってますが…)
~主人公、のこれまで~
・エリートサラリーマンは失意のどん底から復活しかけたところで異世界の幼児(3歳)になってしまう(本人は死亡していない、意識不明)。
・見よう見まねでゴーレムを作る、最凶信奉者「権三郎誕生
・現状打破を検討する中で、異世界転生してきた親友が死亡。幼児は無力感に苛まれる。
・変態王子に溺愛される
・何の手掛かりもつかねむまま幼児は他国へ留学(避難)に向かう。
・幼児が居ない故郷を襲う異世界宗教。無事撃退するも異世界宗教幹部に存在をかぎ取られる。
・留学先で幼児が作った特殊ゴーレムに幼児の精神が宿る(分体『勝さん1号』)
・勝さん1号、甥っ子を発見する。
・幼児、甥っ子をTSする。
・うっかり拉致され教国へ(体が目的♪)
・幼児の家族、激怒する(被害者魔王陛下(笑))
・教国の内乱、幼児逃げ出す
・幼児、レベル神となっていた後輩君(神宮寺)をお供に教国のダンジョンを攻略する
・幼児の姉、勝さん1号の陰謀でアイドルデビューする
・幼児、大国獣人国の王女と婚約す(獣王の過保護。各権力者への威圧)
・うっかり高位神を呼び出してしまう
・神樹と獣神に遭遇する
・幼児、獣王様と一緒にドロップアイテムを拾いに行った先で拉致される
・幼児、悪質な洗脳と無敵のゴーレム軍団を駆使し、主神である光の神を失い自暴自棄の果て世界の混乱を画策していた亜神軍団とその口車に乗った国々(南西国家群)を蹂躙する(食料探索)
・変態王子を南西国家群に残し、実家に帰る
・幼児、何故か大魔王陛下の要請により聖王国(死の国)へ農業指導へ向かう
~7章の背景~
・200年前聖王国(死の国)は異世界宗教と聖王の弟による革命が実行される
・革命は失敗するが聖王は封印という長き眠りに落ち、王妃と側近は『動く死人』となる
・聖王の決死の一撃は封印を司る大いなるものを討滅する
・聖王は最後に「光」に救いを求める
・200年、聖王国は『動く死人』に導かれ豊かで平和な国家となっていた…が、『動く死人』に頼る現状に危機感を訴える勢力と異世界宗教が…。
~7章の主人公の行動~
・姉にひんやりグッズを奪われ、ふて寝
・魔王国で「食の聖女」とあがめられる(まーちゃ閻魔帳に追記)
・魔王から依頼、護衛として次期魔王候補の2名ヴァンリアンス、ティリスが同行することに
・幼児、非常時のご馳走をゲットする(お人よし竜人考古学者デス・ガルドをお供に加える)
・異世界宗教に食い漁られたユルグラシア王国、国境近くで王子様を拾う
・幼児、神々が実施している神体強化システム「レベル」とは別強化システム「まーちゃんレベル」を構築。権三郎、超越した力を披露
・ヴァンリアンスさんは封印術師
・幼児、魔王工区東部不安定地域問題解決の出汁に使われる
・ヴァンリアンスさんと東部貴族、特殊任務『ユルグラシア王国をテロリストから奪い返せ!』を拝領
・死の国入国、早速国境近辺のダンジョンと遺跡を荒らす
・幼児、反政府組織に拉致される(宰相の策発動)
・異世界宗教が秘密裏に進めていた遺跡再起動計画に、踏破され強制帰還となったダンジョンマスターの力がそそがれる
・竜人学者マイルズと共に北西大規模遺跡群に移送される
・計画が順調でイキってる異世界宗教が反政府組織に合流
・『地球帰還計画』=『異世界人ホイホイ』であることが発覚
・マイルズ遺跡に到着!
~とある2重スパイ村井浩二(中年太りかつ前髪戦線後退気味)~
・死の国の北西大規模遺跡群で『過去異世界人と魔法共生を成功させていた時代の遺跡』発掘作業に従事
・異世界宗教の残存勢力が企みに加担しているが、その実情報を『動く死人』に提供している
・幼児が入国することで飛騨根田が燃え上がる旨『動く死人』から連絡されている
・報告。西部『マイルズの隔離成功』南西部『ディールケ共和国難民暴発の兆し』北緯部『竜人学者待ち』南東部『北ホープス王国軍が国境線に布陣』なお、暗躍しているのは異世界宗教『教主派、ギルシュ派、希望派』
・元魔法使いのムライ君、異世界宗教の計画。『地球帰還計画』を知る。
・ムライ君。依頼主の連絡待ち(裏切者扱い)
・異世界宗教幹部人食いの『ドゥガ』参戦。ムライは知らぬ顔をするが米国内部の抗争で因縁がありドゥガにマークされる。
~南方諸国の変態王子~
・南方諸国をまとめ南方遺跡群を起動し、徐々に北へ移動中
・昔の伝手をフル活用して各国の悪代官征伐しながら北上中。マイルズから『北西大規模遺跡群で一網打尽!』と連絡を受ける
~死の国首脳部~
・南西部『ディールケ共和国難民に扮した兵が侵攻開始』の報を受け、王女キアナ率いる5000の軍勢が南下
・聖王の間を守護する最強の『動く死人』である氷の女王を含め、『動く死人』の面々が行方不明
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静寂が支配する廊下をキアナ女公爵はグルカーセム将軍を引き連れ歩く。
ディールケ共和国と接する量の中核都市ルーナの領主邸で彼女たちは足止めされてしていた。
本来であれば先に布陣まで完了しているであろう、南浦方面軍と合流しディールケ共和国革命軍と対峙したかったキアナ女公爵だが、この地方を支配するアラナータ侯爵の願いとあればかなえねばならなかった。最前線の砦にて長期のにらみ合いが予測されるこの戦に置いて、兵站を担うラナータ侯爵との無用な軋轢は最も避けなければならないことだった。だが。
コツコツコツ
キアナ女公爵の足音はイラつきを表すように早く、そして鎧を着こんでいるため重い。
その後ろを歩くグルカーセム将軍は苦笑いをかみつぶしたような表情をしている。
長丁場の戦が予測され、異世界宗教による内部工作も活発に行われるであろうこの戦で元王女、キアナ女公爵が主賓の壮行会は少なくない戦費と被害を負担する辺境貴族、豪族には必要なことと、両名ともに理解はしている。だが、それと感情は違う。キアナ女公爵としては一刻も早く国境線のディールケ共和国革命軍と交戦し、やつらの中枢である専業軍人を達を倒し、敵国領内へ進軍することで防衛線を固めたかったのだ。これはディールケ共和国革命軍の背後にいるであろう異世界宗教が怪しげな術で思考力を奪っている情報からの危機感である。武器もなく能力もないが死兵は厄介であったからだ。
「……キアナ王女殿下。お待ちしておりました」
指定された部屋の前にはラナータ侯爵家の執事が居た。グルカーセム将軍はその執事に違和感を覚える。『鎧を身に纏ったキアナ女公爵』に驚いた様子がないのだ。
「公爵だ。間違えるな」
「……失礼いたしました。キアナ公爵閣下。中で皆様がお待ちです」
キアナ女公爵はラナータ侯爵の長女と親交があったため、この執事は顔馴染みであった。
それ故のやり取りである。
「うむ」
満足げにキアナ女公爵が頷くと他の執事の手によってゆっくりと扉が開かれる。
扉をくぐった先はパーティ会場ではなく、豪華なつくりだが会議場だった。
中にいたのは南方方面軍司令官達をはじめ、ラナータ侯爵領の重要人物たちだった。彼らはキアナ女公爵に気付くと立ち上がり礼を示す。
キアナ女公爵とグルカーセム将軍は上座へと導かれる中で『彼らの表情がどれも陰っている』ことから想定しえた最悪なシナリオから予測しながら席に着く。2人の着席をもって彼らも着席した。
「単刀直入に報告させていただきます。敵先方に現在行方不明となっている『偉大なる先達』の方々がおられます……」
キアナ女公爵とグルカーセム将軍の表情が凍り付き、即座に手元に配られていた書面に目を向ける。
キアナ女公爵は額に手を当てると、思い切り溜息を吐き出すと会議参加者の面々を眺める。
「領都での会議設営。大義」
「「「はっ」」」
配られていた書類には大まかにこのように書かれていた。
・砦から視認できるフーム平原に5万の軍勢が着陣
・武装は『防具はないが、鉄製の槍を全員が装備』
・『偉大なる先達』の方々は先方に立ち24時間砦を監視している
・『偉大なる先達』の方々について騎士団長以外の存在を確認
・フーム平原特産物である『とあるキノコ』を用いた禁薬の調合が開始されている
グルカーセム将軍は重いため息を吐き出すのを堪える。
現実は予想の最悪を超えてくる。頭が痛い事に。
ここまでお読みいただきありがとうございます。





