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【書籍化・コミカライズ】【Web版】おっさん(3歳)の冒険。  作者: ぐう鱈
7章:宗教戦争で最も悲惨なのは宗派争い
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122.9「憎いのは異教ではなく異宗派4」

すみません。前話が中途半端な内容でしたorz

――ダンジョン攻略日記3日目

 マイルズと勝叔父さんの迷惑コンビが、遺跡から発掘された遺物の復元作業に嵌りこんで2日目。

 俺たちは平和なダンジョン攻略に勤しんでいた。

 平和なダンジョン攻略って何よ? って思ったでしょ? え? 思ってない? ……。くっ、マイルズに調教されたのか……かわいそうに。

 とにかく俺達はダンジョン攻略を楽しんでいた。

 この前後左右上下どの方向にも入り組んだ鍾乳洞型のダンジョンを。

 俺は変身なしのハンデを課して進む。


「あー、マモルンが止まるから私の顔がマモルンの御尻に~」

 ……もう突っ込まない。香澄とは友人としてやり直す方向で決着をつけ、現在女友達という立ち位置のはずなのだが……正直、今(女)の方が貞操の危機を感じる。


「……マモルンお姉さま、私が先頭で参りましょうか?」

 この中で一番レベルの低い女の子、ミリアムちゃんが下から気遣いの言葉をかけてくる。

 ……やめて、香澄。その目を11歳の女の子に向けちゃだめだ。


「大丈夫。この中で最も頑丈な俺が先頭を行く。これが最善策だ」

「キャー、マモルン。可愛い♪」

 ……カッコいいじゃない? だよね?


「香澄お姉さま、どや顔が可愛いかったですね」

「でしょ~」

 ……女ってやつは……。


「はぁ!」

 道中俺は勝叔父さんからもらった太刀を振るう。

 出てくるのは蝙蝠系モンスターやゴブリン、たまに岩に擬態したモンスターたちだ。

 先行する俺は壁に刃を当ては太刀を折らないように慎重に振るう。

 無論複数の相手をする際にはミリアムちゃんも小太刀片手に参戦する。香澄はそれとなく魔法支援をしてくれる。

 会話はアレだが、中々のパーティーである。


「さて、そろそろ時間かな?」

「えー、ボス部屋目の前ですよ?」

 そう、俺たちの目の前には豪華な扉がある。


「俺たちは今回ダンジョンで憂さ晴らし……じゃない、楽しみに来たんだ。早く攻略してしまっては楽しめないじゃないか……」

 そういって俺は後ろを見る。

 カーン、カーン。

 つるはしを片手に案山子たちが採掘をしている。そして俺達に気付いたらしく敬礼をする。その頭には日本語で『安全第一』と掛かれた黄色いヘルメットをかぶっている。

 ……帰り道は直線ルートで確保されている……。薄暗かったダンジョンも灯が設置されて不安がない。


「……あと、先に進むとダンジョンマスターが気の毒……」

「ですね……」

「放置して害を与えていたのだから、自業自得ともいうけどね」

 切なくなる俺とミアムちゃん。

 ダンジョンマスターのことなどどうでもいいとばかりの香澄。

 俺達が領主様の館に戻ると、奇妙の音を立てて分析に熱中している3人が居た。

 目が怪しい。

 その光景に不安になりつつも、マイルズが出歩かないことを思えば安心かな? と割り切れない思いを抱いていた。

 しかし、完成と同時に問題は発生する。

 ダンジョン攻略でリフレッシュした俺達は、また面倒なことに巻き込まれるのだった。



変態王子の南方諸国記録ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 情報を統合していとし子への報告の時間が来た。

 事前に渡されていた通信魔道具を机の真ん中に設置し、魔法力を込めると起動する。

 すると一本の青い光が魔道具から放たれている。これは通信がうまくいっている証である。


「いとし子よ、聞こえるか?」

「……マイルズ様は別な場所から接続されます。しばしお待ちください」

 別な場所? まて、という事はいとし子の護衛は誰が?

 私が一瞬混乱していると2本目の青い光の線が魔法道具から放たれる。


「あー、遅れたのです! マイルズなう! そして拉致再びなのです!」

 ……はぁ?

 ……全く、いとし子はいつも面白い。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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