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107.5「ウッサレベルアップします2」

昨日の続きなので短いです。すみません。

 それが起こったのは私のフリーズした脳が再起動し、色々伺おうとして時の事でした。

 落ち着いたリズムの笛の音が鳴り響き、神宮司君と神獣様のせいで安いコントのような空気だったその場が一転、一気に頭の先から足の先まで、ピンと張り詰めるような緊張感を促す荘厳な雰囲気に支配されました。

 自然と全員の注目がウッサたちが出ていった両開きの巨大な扉に集まります。

 ……何故ならば、笛の音がそこから聞こえてくるからです。

 巨大な扉は重厚な音を立ててゆっくりと開かれ……ませんでした。

「ばーん! と開いて即登場! それが神樹の流儀なの!」

 元気よく娘を連れ立って現れた神樹様。その後ろに控えているのはウッサでした。

 ウッサは白無垢姿でした……。

 御着物がきれいです。

 思わず拍手した私を横目に、逃亡を始めた神宮寺君。

 しかしながら簡単に結婚神様に捕まり、優雅に叩き伏せられてしまいます。

「ほら、行くの! 未来の旦那をゲットしてくるの!」

「はい!」

 可愛らしいウッサが、何とか結婚神様の目を盗んで起き上がろうとしてる神宮寺君に飛び掛かります。それを神宮司君が咄嗟に受け止めると、その場が神々しいまでの光に包まれました。

「お婿さん、ゲットなの!」

「娘はやらん!」

 吠えた神獣様ですが、残念ながら神樹様(本体)のツタに絡み取られて逆さづりになります。


「……で? 何ですかあれ?」

「「「レベルアップの儀式(結婚の儀式)!」」」

 私の疑問に神様3名が良いお顔で答えてくれます。

 といいますか、別なワードも聞こえた気がしました……きっと気のせいでしょう。

「……見た目は変わって見えませんが?」

「神様の価値は中身(力)で決まるの! あの子は儀式を経て神になったの! めでたいの!」

 神樹様の回答でした。

「私の眼には依然、ロリコンに見えますが?」

「以前はその通りです。変態下っ端とロリだったよ」

 恋愛神様が回答して結婚神様がそれに続く。

「以前は神様の間でも問題視された【ロリコン神宮寺君】……じゃなくって【ロリコン下っ端】だったのよ」

 もういっそ清々しいほどに楽しんでいるお2人…………。

「これにて、我が娘の婚約の儀式は成ったの! 世界中の眷属たちよ! 貴方達に祝福を授けるの! 今日という眼でたい日を祝いが良いいの!」

 神樹様は力の限りに叫びます。

 世界に連なる信徒たち、自分の部下たる精霊たち、そして天界で活動する部下の神々へ。…………はい、既成事実完了です。ていうか、やっぱり結婚の儀式も含んでいましたか。

 神宮寺君を見やると、泣きそうな目でこっちを見て「まーちゃん先輩助けて」と言うので仕方なく「おめでとうロリコン紳士」ととどめを刺しておきました。

 こうして全世界に新たな祝いの日が誕生したのでした。


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