第130話「vsミリアローズ」
――ザワザワ、ガヤガヤ、ワイワイ。
音の波が復帰した聴覚に届く。普段よりも尚多く、普段よりも更に活気に湧く王都グランディオンのポータルポイント。
追い立てられた私とティファ、ひーちゃんはそこへと〈リターン〉で転移してきた。
『今までが今まででしたから、人が多いとなんだか落ち着きませんね』
『キュイ……』
けど、数え切れないPCたちから聞こえるのは、日数が残り少なくなっているイベントで出来る限りのポイントを貯めようと張り切る声やイベントそのものを楽しむ声。
だから私なんてさして気にも留めていない、誰もが視線がわずかに絡む程度で通り過ぎていく。
(待ち伏せまで考えてたけど、ひとまずは安心、なのかな……いえ、今の内に急がなきゃ)
安堵も束の間、追っ手も転移してこない保証は無い。
身動きの取りにくいポータル近辺から少しでも離れないと、いざと言う時に不利になってしまう。
そうした焦りに突き動かされ、人の波が徐々に薄らいだ、その矢先。
『注目ー! 皆さん、上を見てほしいのです!』
この場のざわめきを掻き消す程の大きな大きな声が、この場へと降り注いだのだ。
「なんだ……?」「うるせぇなー」「え、なんかのイベント?」「どっちから聞こえてきたんだ?」「アレじゃないかしら。ホラ、あの子」
スピーカーを使ったかのような、エリザベートさんですら霞む程の大音声が一帯に響き渡り、誰も彼もが辺りを見回している。
中には自主的に行うイベントか何かかと囃し立てる声も上がっているようだけど、私はこの声の主を察し驚いていた。
『なんなのでしょうね、ひーちゃんさん』
『キュイ〜?』
チャットでのやり取りを知らず、会った事も無い2人はただ首を捻るばかり、しかし私はそうはならない。
「ミリィ……?!」
響く声、それは高い建物の屋上から放たれ、放つ人物もまたそこにいた。
黒装束に犬の耳としっぽ。それは間違い無く現在進行形で私をログアウトさせようとしているミリアローズその人だった。
(先回りされていた!? あれだけ逃げ回っていればその時間はあったろうけど……一体、何をするつもりなの……?!)
嫌な予感が背筋を走る。
だって何であれ、きっとそれは状況を悪くするに違いないのだから……そしてその予感は残念な事に当たってしまうのだった。
――キィン!
空中に光が生まれた。そしてそれはすぐさま巨大な像を結んでいく。恐らくは〈ライトミラージュ〉と言う指定した対象を光の虚像として投影する法術が使われたのだろう。
そして結ばれた像こそが――。
(な?!)
『ア、アリッサじゃ――もがっ?!』『キュイ?!』
私を指差そうとするティファを抑え込み、空を仰ぐ。
それは以前ワラケルさんに撮影された1枚、それが夜空に煌々と映し出されているのだ。
周りの人たちはそれを訝しげに見上げ、口々に話題にしていた。
「何だアレ?」「お、俺好みかも」「カワイー、いいなぁ」「あ、あのフォト見た事あるかも」「知ってるか、あの子今結構話題になってんだぞ」「え、何々?」
(なんてっ、真似をっ!?)
こうなれば何をするかなんて容易に想像がつく。ついてしまう。
『皆さん! この人を探してほしいのです!』
やはり自主的に行うイベントの類いかとざわつく周囲だったけど、ミリィはそれを否定する。
『今、この人はリアルで体調不良になってしまっているのです! にも関わらずログアウトせずにいるのです! このままでは危険なのです! 発見に協力してほしいのです!』
必死に、あるいはそう聞こえるようにミリィの言葉が続く。
幸いにして今の私は装備も違えば顔もマスクで隠している。すぐさま周囲が気付いた様子は無い。
しかし――この格好となった事は既に他者に知られている。それがミリィにまで伝わっていない保証がどこにあるか。
(っ、ここは……そうかミリィは、私が檻の中に入るまで待っていたんだ! マズい早く! 早く逃げなきゃ!)
怪しまれない程度に駆け出す。けど、それよりも先に事態は動いていく。私の特徴や、やはり今の私の格好についても触れられていく。
(っ、やっぱり! 目的はそれ……!)
この数え切れない人のいる状況ではスレッドなどの比ではないくらいの影響を及ぼす。結果、この場にいるすべての人が大なり小なり私を見咎める監視の目となる――!
「え、あれ、君――」
「っ!」
1人が気付けば、波のように発見の事実が広まっていく。周囲の目と言う目のすべてが私へと集束していくのを肌ですら感じる。
「この子じゃないのか?」「え、アレってホントの事なのか」「何かのイベントでしょ、派手な真似しちゃってさ」
「でもホントだったらヤバくない?」「あ、あの子知ってる、ヴァルエのギルメンだ」「ああ、あそこの……じゃあホントかも」「あそこ女子保護に積極的だもんな」
「やっぱ止めさせた方がいいんじゃないか」「そうだよな……」「……よし」
そんな声が伝播し、更に向こう側からも「あっちにいるらしい」と声が上がり、そしてとうとう動き出す人たちが現れ始めた。
――ざっ!
いくつも重なる足音が私へと迫る。
(に、逃げ――)
しかし、喉は震えてしまう。
それらは知り合いからの慮る視線とも、ギルドやスレッドからの有志の使命感を宿す視線とも異なる。
周囲から注がれる視線は訝しみがあり、何より非難の色があった。
全感覚体感型ゲームには常に倫理観が求められる。
報道で語られ私ですら知る過度にゲームをプレイする事による体調不良や依存症。端を発する事件事故。
そんな事が続けば、危険だと規制を求める声が強くなるのは道理だ。
だからこそそれを蔑ろにする者に殊更プレイヤーたちは辛辣だった。
ある人は良識によって、ある人は自身への害になると。
もちろん動機は人の数だけある、けどすべては1つに集約されていく。
つまり――この世界が好きだから、だからこそ許してはいけない、と。
どうしようもなく正しいその想いのあまりの総量に私の胸の奥にズキリと痛みが走る。
怖いでも恐ろしいでも無くて、はっきりと「ここにお前の居場所は無い」と告げられているようで、辛くて悲しかったから。
『ア、アリッサ……』
『キュ……キュイ』
(ああ、私も……この世界が好きだったんだな)
と、怯える2人を抱き締めながら事態にそぐわない感想が浮かぶ。
拒絶されると言うのは、嫌なものだ。大切であればある程に胸は軋んで痛みに呻く。
(……けど)
だから、私は息を吸い込んで言葉を紡いだ。
(あの子に嫌われたと思った時の方がもっと……絶望的なまでに痛くて、辛くて、苦しかった、だから私は、諦めない!! 抗ってみせる!! 誰を敵に回しても!! 誰に非難されようと!!)
心が吼える。手を振り上げる。高く、高く。
――キュインッ!
歯を食い縛りながら発動した法術は《光属性法術》の〈ライトフラッシング〉。強い光を放ち、モンスターの目を眩ませる効果を持つ。
プレイヤーに対しての光量は抑えられるものの、それでもここまで間近でならば視界は真っ白に染まるだろう。動きを封じるには十分過ぎる。
そして私は――腕を降り下ろした。
「うわっ?!」「何だいきなり!」「こんなトコで使ってくるとかやっぱマジなのか?!」「オイ! 誰かアイツ捕まえろ!」
突然の強い光に戸惑いと怒号が各所から放たれる。
目を覆っていた私は光が完全に消えるよりも先に動き出す。当初の予定通りに周囲に溢れる人ごみ紛れる為に……けど、そんな私の目論見を砕くように何人ものPCがこちらへと迫っている!
(今のに対処していたの?!)
目を瞑っていたのか、覆ったのか、装備などによるものか、何にせよ対処出来るだけの力を持つと言うならそれは脅威以外の何物でも無い。
……ただ、それも私と分かるなら、だ。
「例の子はどこ?!」「そっ、そこら辺に……あれ?!」「ゴスロリコスなんて目立つヤツ見失うとか何してやがる!」「い、いやだって!」
私の横をすれ違った人たちは私を探して大騒ぎとなっていた。
『目がー、目がー』『キュイ〜……』
「お願い、静かにしていて……!」
至近距離で強烈な光を見た所為か私の腕の中で呻くティファとひーちゃん。
特徴となりうる2人を隠しながら私は人の流れに逆らって歩いていく。
私は、別に透明になった訳じゃない。この場でそんな真似をすれば逆に怪しまれる。
だから私はただ、装備を変えただけだった。
装備ウィンドウには、あらかじめメインとなる物とは別のサブ装備を登録しておくと簡単な操作で現在装備している物と着せ替える事が可能な機能がある。
私はルルちゃんがくれたお洋服をいくつも登録しておき、周囲の目を眩ませた一瞬を狙って着替えたのだ。
「あれだけ特徴的だった装備から変えたなら……多少は」
今の私は露出が多めの軽装。見ようによっては近接系の装備とも勘違いするかもしれない類い。
しかし、代わりに顔はどうにも隠せていなかった。果たして上手く転がるか……せめてもと俯きながら歩いていく。
(急いで、少しでも早くあっちへ……!)
そう思うのだけど、人の波が騒然と波打ち行く手を遮る。閃光による混乱が渋滞を引き起こしているようだった。
その混乱は私を隠しもするけど、それよりも人の密度が上がるからこそ、最悪の事態は起こりやすくなってしまう!
「あ! そこの子じゃないか?!」「ゴスロリじゃないよ!」「違う着替えてんだ!」「あの髪、絶対そうだよ!」
「っ!」
いくつもの手が伸びる、いくつもの体が道を塞ぐ。もう迷っている暇なんて欠片も無かった。
「っ、“吹け、つむじ風”!」
――ゴォウッ!!
かざした手から私を中心に、7つの風が一気に放たれる!
《風属性法術》の〈ホイールウィンド〉は旋風を巻き起こし、対象の動きを阻害するエキスパートスキル。
ただし、PCを対象としてもその効果は得られない、だから私を対象に発動しても自由に動く事が出来る。
けどスキルにより発生する余波は周囲に影響を及ぼす。そう、巻き起こる風も7つ重なればPCだろうとその力を制限される。
「ぶわっ!」「ちょ、きゃっ、やだっ!」「くっ! 余計な光で前が――!」「覗くなバカ!」
近付こうとしていたPCたちが重なるつむじ風によってバランスを崩し、わずかながらの猶予が生まれる。
(次は――っ!)
さながら台風の目のように、私だけが影響を最小限に抑える中で、私は周囲の状況を視界に映しつつ、次の行動を脳内で取捨選択していく。
そして選んだ選択肢は――ダッ! と駆け出す事。
(こんな規模の騒ぎになっているのはここだけ! なら、他の地区に転移すれば――!)
王都は東西南北、そして中央の計5つの地区に分かれている。1つ1つがはじまりの街・アラスタに匹敵するだけに各地区にはそれぞれにポータルポイントが設置されている。
〈リターン〉で転移してきた以上、ここにはこの地区のポータルポイントたる銅像がある。
(ここまでの騒ぎになった以上、逃げ回るよりか他のポータルに逃げた方がいい……!)
転移を行う方法は2つ。
ポータルポイントの一定範囲内でシステムメニューから転移に関する操作を行うか、もしくは銅像に直接触れて転移先を発声するか。
(最初人の多さからポータルから離れようとしたけど、恐らくその行動すらミリィは承知の上だった。だから私が自分から檻の奥に進むまで待っていたんだ)
その事も、他のポータルポイントがここよりは安全な証左、かもしれない。
(疑えば切りが無い、今はその可能性に賭ける! ポータルの有効圏内まで、走れ!)
つむじ風の中心から飛び出せば吹き荒ぶ風は追い風となって私の背中を押してくれる。
人と人の隙間を縫うように走れば後少し――。
――しかし、私の行く手に突如三つ首の狼が現れた!
私は思わず勢いを急速に止めて身構える!
「モンスター?! いえ違う、サーバント!!」
加護によりモンスターを味方とした存在、それがサーバント。
こんなモンスターは見た事が無いけど、サーバントは育て方次第で様々な姿へと進化する。恐らくはこれもそうして進化した姿の1つ。
「ケルベロス! 彼女をポータルポイントに近付けるな!」
『グルロアアアアアッ!!』
主であるらしいPCの指示が飛び、ケルベロスと言うらしいサーバントがすぐさま応える。
凄まじい咆哮は圧力でもあるのか、追い風であった筈なのに私は1歩2歩と後退してしまう。
(くっ、これじゃポータルまで行けない……!)
ポータルの有効圏内は識別が可能なように、地面の模様が異なり若干高くなっている。
その圏内は、丁度サーバントの後ろ辺り……!
(いえ! 相手は仕様上攻撃が出来ない、怖がっちゃだめ! パラメータの低さなら自信がある、ぶつかっても責は向こうに及ぶ筈……!)
まるで当たり屋じみた考えだったけど、圏内にさえ入れればこちらのものと思い、右手を振ってあらかじめシステムメニューを開こうとした。
「……えっ、これって!?」
振り下ろそうとしたその瞬間、足下から巨大な壁が生成される!
「アッ、〈アースウォール〉?!」
《地属性法術》のビギナーズスキルが生み出したのは荒く削りだしたような岩の壁。
間違い無く〈ソイルシールド〉の上位法術、《土属性法術》や《樹属性法術》は物質として生成される為にPCであろうと道を塞がれてしまえばどうしようもない。
「この状況でどう動くかなんざ想像の範疇だっつの!」
人ごみの中から飛ぶ得意気な男性の声。
(道を塞がれた! これじゃ強引に突破する事も――え?!)
――バギンッ!!
巨大な岩壁は地面と接合している、それが轟音と共に割れ、切り離されたのだ!
「あれは、ゴーレム?!」
以前に見たのとはまた異なる、精錬な意匠を施されたゴーレム数体が、ゴーレムならではの剛力で割り持ち上げている!?
「直接触れればGMコールだろうけどなぁっ! やれっ、ゴーレム!」
『ゴゴオッ!!』
力強く答えたゴーレムたちが前進を始める、それも相当の速度で。
「まさかっ、それでポータルから引き離すつもりなのっ!? 無茶苦茶なっ!?」
答えは返らない、けど目の前の光景がその答えだった。
ただでさえ距離の開いたこの状態から更に……そして左右には気付いて避けたPCたちが壁と待っている。
岩壁は十数メートルにも及び、後退以外に逃げ場が無い。
「協力するヤツは手を貸せ! 追い込むぞ!」「お、やっぱアレってマジなのか?」「どっちにしろ止めなきゃダメだろ」「そうよね……私も手伝う!」「俺も!」
「っ」
周囲で傍観していたPCたちが今動いているPCたちに感化され、じりじりと数を増す。
追い風であり風の壁だった〈ホイールウィンド〉も、こうなってしまっては私の動きを阻害する要素でしかなく、身体能力に優れたプレイヤーは既にこの風の中でも対処して私へと迫っている……。
ギリッ、歯を強く噛んだ。
(っ、まだ! 全方位を塞がれた訳じゃない!)
最早迷うだけの余地は無く、私は――欠片だけ残念に思いながら――覚悟を決めた。
〈ホイールウィンド〉をキャンセルし、拡散された風が一際強く背中を叩く。それに髪を振り乱されながら私は、自身をターゲティングした。
「〈セプタプル・レイヤー〉、“疾風迅雷”っ!!」
――ボウッ!!
そう唱えた瞬間、私の体が風に包まれ、踏み出した1歩で加速し、私は空中へと弾丸のように飛翔する!
『お、おうわっ?!』『キュイ?!』
「しっかり掴まっていて……まだ動く!」
不意の展開にざわつく周囲、それでも反応するもののわずかな戸惑いは隠せない。
「な、何だ今の?!」「新しいスキルか!?」「いいから止めろーっ!」
その瞬間、更に私は口を開く。
「“落花流水”!」
またも聞いた事の無いスキル名に戸惑いが広がる。その中にターゲットサイトで指定したポイントからザザザッ! と津波のような水の壁が立ち上がる。
間を置かずに小さくステラ言語を唱えるとふわりと体の向きが変わる、勢いは殺されずその水の壁へと飛んでいく。
そして、水の壁に足からぶつかるとそのままバシン! と、乾いた破裂音をさせながら駆け出した。私を追う人は人ごみと水の壁自体が邪魔をして置いていかれている。
「オイ! ありゃあ〈ウォーターフロート〉じゃねぇのか?!」「あの壁も〈アクアウォール〉よ!?」「空を……〈ストームレビテイション〉か!?」「あのスピードで雷光って〈サンダーアクセル〉だぞ!」「どうなってんだあの子!?」
あまりの事態に大多数の人たちは驚愕の表情で私を見つめているみたい。
(……出来れば、一番最初はあの子の為に取っておきたかった……びっくり、してほしかった……けど……こんな所で終われない、だから!)
悔しさに唇を噛む。
これこそが私が思い付いたスペルリライトの使用法だった。
私の持つ加護《古式法術》はスキルを使用する際にスペルを唱えなければならない。
スペルリライトはそのスペルを変更出来る機能だけど、文字数を変えられないと言う制限を持つ。
スペルの長さはスキルによりけりだから、文字数制限により……例えば同時に使ったりなんてのは、するとしてもあまりに調整に時間が掛かり、結局早晩は使えないと思っていた。
けど、そうはならなかった。だって私の許には――頼もし過ぎるステラ言語の先生が来てくれたから。
腕の中、ぐったりしている小さな妖精さんがいる。
この世界の言葉を理解出来る妖精さんが、ずっと私の傍にいてくれたからどうにかいくつか完成させられた。
もしスペルリライトが日本語のまま変更すると言うならそもそも無理だったろう。
手順としてはステラ言語としてのスペルを書き換えた後、ステラ言語から日本語に訳される。
この際の訳がいくつかのパターンからこちらの任意で選出出来る為にどうにかこうにか落とし込めた。
ティファは今朝、天丼くんと会ってからの数時間、ずっと一緒に頭を捻って考えてくれたのだ。
(名付けるなら……スキルクロス。もっとも、今は……)
現在私はスペルカットに登録したビギナーズスキルを用いている。
《詠唱短縮》の機能の1つ、ビギナーズスキルに限りスペルを省略出来るこのスペルカットなら、最後の一文だけを合わせればいい。簡単なスキルクロスだった。
(この状況じゃ……再申請時間の余計に長いエキスパートのスキルクロスは迂闊に使えない。出の早いビギナーズスキルでどうにかしないと……)
けどスペルカットに登録出来るのも《詠唱短縮》のレベル+1までなので現在4つだけ。
(〈サンダーアクセル〉と〈ストームレビテイション〉の高速で飛ぶ“疾風迅雷”と、同時使用前提の〈アクアウォール〉と〈ウォーターステップ〉の津波を走る“落花流水”。驚かせは出来た……でもいつまでも驚いてはくれない、よね――)
ビギナーズスキルもまた、最長でも1分ながら再申請時間は存在する。
その上スペルカットに登録にした場合には再申請時間に+100−《詠唱短縮》のレベル%される。
(今のレベルならおおよそ100秒、でもそんなに悠長に待ってくれる筈が無いかっ!)
周囲を見ればさすがなのか、混乱しているPCもまだいるものの、それから復帰して私の許へと迫るPCが既に現れている。
そう……正念場はここから始まるのだ……!




