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283.今の俺はいぢわるで

「マール教、ひどく混乱しておいででしたわよ」

「そういうふうにやれって言ったもん」


 俺が復活してるのがマール教にバレたっぽい、と分かって十日ほど経った。

 こっちからは情報攪乱作戦を指示、その間に他の地方にある拠点などの状態を確認させる。

 俺としては別に喧嘩売るつもりはないけど、売ってきたら買わないとめんどくさいからな。


「特にレイダ姐さんなんて、タコ魚人というしか情報ないっすからねえ。配下のタコ姉ちゃん使って、さらに話をややこしくしてるらしいっすよ」

「中にはイカの方もいらっしゃるようですが」

「暗いところで見たら分からないだろ、ってレイダが言ってた」


 今日はジランドと分かれて荷物運びをやっているらしい、コングラが情報を持ってきてくれた。マール教内部の話はどうしてもファルンに頼ることになるから、その二人と一緒にケーキ食いつつ俺の部屋で話をしている。

 ちなみにこのケーキは、コングラが「お土産っす」って買ってきてくれたもんだ。他の連中とかにもいろいろ差し入れしてくれてるようで、気が利くのはありがたい。


「ですが、どうしてこのようなことを?」

「あ、俺も興味あるっす。教会が大変そうなのは楽しくていいんすけど」


 マール教の内側は結構混乱してるらしい。それを何でやったのか、とファルンは尋ねてきた。コングラも本気で楽しそうに、こっち見てるし。

 ま、ざっと説明してもバチは当たらないだろ。当てるの俺か。


「今さ、『翼王アルタイラ』や『海王ネレイデシア』を名乗る存在が、あちこちに複数現れるって状況だろ。マール教にしろふつーの住民にしろ、さすがに全員本物とは思わないだろう。もしかしたら皆が皆嘘ついてるかもしれないし、中に本物がいるかどうかは分からないって思うんじゃねえかな、と」

「はあ」


 うん、現在の状況微妙にややこしいな。そもそもマール教のせいだけど。まあいい、続ける。


「少なくとも一般の人たちには、あちこちでアルタイラを名乗る鳥人とかネレイデシアを名乗る魚人が出てるって噂が浸透してる。そのうちああ、またかよって思うようになるんだよ」

「なるほど。また同じような輩が出てきた、って考えますわね。その中に本物がいるかどうかは、さておいて」

「あ、またお前かって荷物の中のネズミ放り出すようなもんすか。なるほど」


 ルッタやレイダがネズミといっしょ……でもいいか。同僚のスティ、大きな猫だし。違うか。


「ルッタ経由でサングリアスからも情報が漏れるようにはしておいたから、マール教の教育部隊が四天王の偽物対応でぶーたれてるなんて話も今頃あちこちで噂になってるはずだ」

「俺たちも、ちょいとやらかしてきたっすからねえ」

「コングラ、ありがとな。ジランドも忙しいだろうに」


 けっけっけ、とほんと楽しそうに笑うな、コングラ。よっぽど、マール教にはいろいろあるんだろう。

 ジランドが別行動なのは、そういった噂を振りまくのに二人が別々でやった方が早くばら撒けるからだ。しかし、ちゃんと仕事やれてるんだなあ……いや、ジランドじゃなくてコングラが。


「表向きのお仕事は、俺んとこにボロニアを入れてもらってきっちりやってるっすよ。そのついでにこんな話聞いたんすけど、って酒場で喋ってるくらいで」

「お、そっか。そういやボロニア、元気?」

「元気も元気っす。そろそろコータ様欠乏症なんで、こっち来たら吸ったってくださいな」

「何だそりゃ。ま、いいけど」


 俺欠乏症て。……もしかして、俺が吹き込んだ奴って俺中毒になったりしてんのか?

 そうなると、早いうちに吸ったネッサとか……あ、アレは大丈夫か。欠乏症じゃなくてきっと、放置プレイだって悶えてるだろ。


「ああ、コータ様欠乏症なんて抜かしてるのボロニアくらいだと思いますんで」

「マジかー」


 何だ、それなら安心だ。

 でも、多分ネッサはやっぱり放置プレイでもだもだしてるだろうな。どこまで耐えるだろ、あのおばさん。

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