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281.かみさまはおやすみです:夜

「そろそろ寝るぞ。ミンミカ、今日は一緒に寝るか?」

「はいですー! コータちゃまといっしょにねるまでが、おしごとです!」

「お仕事か。なら、ちゃんとしてもらわないとな」

「はいっ!」


 さすがに夜遅くなったので、いい加減に寝ないとロリボディが保たない、らしい。結構寝落ちしたりするようなので、風呂入ったあとさっさとパジャマ……ではなくネグリジェに着替える。がばっと着るだけだから、面倒がないんだよな。


「コータちゃま」

「ん?」


 ミンミカもパジャマ……というか俺シャツっぽい寝間着である。おのれ能天気ウサギめ、俺が男のまんまだったら某怪盗ダイブしてたぞ。

 ま、今は飛び込んでもひょいっと受け止められるだけなんだけどな。で、何だ?


「いちにち、なんにもしないおやすみって、どうでしたか?」


 どうでしたか、か。

 確かに、こっちの世界に来てからなんだかんだで毎日どたばただったもんなあ。本気でそういう意味で何もしない、ってのは初めてみたいなもんか。素直に、感想を述べよう。


「……意外に退屈しないもんだな。ミンミカがいてくれたからだと思うけど」

「わーい、うれしいですー」

「ははは」


 ああ、向こうからもふっと来たぞ。おとなしく抱きしめられてやろう、神様の特権。特権か?

 ふかふかな女の子が向こうから来てくれるから、ロリ邪神の特権ということにしておこう。どうせ、こっちも吸うしかできないし。

 それに、本当に退屈しなかったからな。ほぼ寝てただけだけど、それでも。


「本もいっぱい読めたしな。これからも、暇見つけて読んでいこうか」

「はいです!」


 これなあ。馬車の中とかで読むと酔うし、旅してる間って結構部屋に入ったら吸うか寝るかだし。

 だから、落ち着いて本読める環境になったってのは俺にとってはありがたいのかもしれない。こっちの知識、手に入るし。

 あと、ミンミカと一緒に読む絵本、結構面白いしな。中身はまあ、どうしてもマール教寄りだけど。




 で、そのまま二人してベッドでぐー、と寝入っていた、その夜中。


「コータ様、お休みですか」

「いや、構わない。どうした?」

「夜分遅く、失礼いたします」


 真っ暗なところに行灯だかランプだか、そういうものを手に持ってファルンがやってきた。ちと取り乱してるみたいだけど、麓の村で何かあったかな。


「神都サブラナより麓の教会に宛てて、内密にですが現在の状況を確認する手紙が届けられました。そちらに、その……コータ様、アルニムア・マーダ様の復活を示唆する記述がございまして」

「マジかー」


 こっそり写してくれたらしいその手紙を渡されて、俺はひとまず頭を抱えることにした。あ、ミンミカ、お前は寝てろ。

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