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24 サマーパーティーの始まり

交流会は終了した。

素晴らしかった、私が学生である間勉強しようと思うのだから。交流会の意義にまんまとのせられている。


今日はサマーパーティー


朝食を食べたら、アンナを中心として陣を組まれていた。念入りな入浴から身体を揉みほぐされ、髪はオイルを染み込ませてある豚の毛ブラシでさらさらでツルツルに仕上げられていく。

大人っぽいデザインで黄色のグラデーションは素敵。背の高さをかっこいい令嬢に見せてくれる。オフショルダーにしていたはずが母様によって胸から首の周辺までレースの生地がつけられていた。胸がないからかしら。その部分があるので大人可愛いデザインになってて満足している。

「お嬢様素敵です」

サイドの編み込みが終わったアンナは、満面の笑みで言う。

「照れるじゃない、ありがとう」

後ろ髪がサラサラして赤に近い茶色の髪は光って見える。

母様もノーラ姉様も父様まで玄関ホールにいた。

「素敵よ。シャル」

母様の華やかな笑顔に可愛い声がこの家を明るくしている。私も少しおどけて

「大満足ですよ」

と貴族の礼を取りながら言うと笑いに包まれた。


セオ兄様と向かう馬車は太陽は傾き始めていたが、青い空は眩しくて初めてのパーティーを輝かせていた。


学院に着くとホールに入る前に受付があり、兄様が対応していた。兄様の茶色の髪がオールバックにされていて、いつもより年上に見える。

「セオ兄様、表彰されますかね?」

と言うと

「さあ?どうだろう。」

と答える。楽しみは増えるばかりで兄様にもノーラ姉様のアドバイス、スタンレー伯爵家のフルーツタルトは逸品で必ず食べた方がいい事を伝えた。


色とりどりのパーティードレスを身につけた令嬢方でホールはキラキラしている。

「ほぉー」

と感嘆の声を漏らすと

「シャル?」

と横にいる兄様が仕方なさ気に笑いながら、

「母様に、はしたないって注意されるぞ」

と笑われる。煌びやかな世界は異世界そのもので、はしゃぎたくなる。みんな素敵。普段なら騒がしくかんじる彼方此方の声も今日は華やかに聞こえる。


ローラも来て歩くたびにスカートのふわふわが可愛い。楽しい時間が始まることに胸が高まる。


楽団の始まりを告げる音楽。大きな両開きの扉が開く。我が国の王子殿下達が隣国の王女達をエスコートし、最後、国王陛下と王妃様が入場され大きな扉は閉まる。国王陛下と王妃様は交流会の表彰が終わると退出されるらしい。

王族が揃うと荘厳な会場になる。ローラは私のスカートをほんの少し引く。

「シャーリスが来ている」

囁く声は友達に会えた喜びを私に伝えた。

驚きと安堵と何かが始まるような不安も心に生まれる。

シャーリスは厳しい顔で真正面を見ている。視線の先は若い男。隣国側に位置し王女達の護衛とともにいて、端正な顔に艶やかな黒髪が異国を感じさせる。


交流会の表彰が終わるまでその場を動けないのでシャーリスにも気を配る。すぐに側に行きたい。ローラも柔らかい笑みはなく、シャーリスを見て、心配をしている。


楽しみにしていた表彰の発表も早く終われと思っていた。

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