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22 交流会1日目

次の日からは、王女達の話題ばかりで、パーティーのワクワクした学院の雰囲気はなくなり、嫉妬や羨望が燻り始めた。

「あんなに楽しかったのに」

と誰に呟くわけでもなく独り言。

「シャーリス来ないですね」

「えぇ」

お昼を二人で過ごす、かなり寂しい昼休み。

4日後交流会の研究発表が始まる。


交流会の初日、兄様の研究発表が一番手でドキドキする。入学式以来の講堂は、扉を開けた一歩目が緊張して心臓が痛くなった。何か思い出すのではないかななんて思っていたが、全くで転生者とは何ぞや?


クラスごとに場所が決められている。しっかりローラと並んで座る。特定の二箇所から

「オホホホッホー」

と高飛車な令嬢の声が響く。

この4日の内に王女殿下達が編入して来た。実は、王女様入学式より前に王宮にいた。『編入』をしたかったらしく皆、意味がわからないと言っていた。

私は王女様がこだわった意味は、ゲームやラノベでストーリー上、平民が貴族の庶子で途中から学院に通うヒロインの途中からの部分だけを引っ張ってきたのではないかと思う。妹殿下は、隣のクラスで姉殿下は2学年だ。

私は転生者じゃないかと疑っている。決め手がないがなんとなく。

あれからシャーリスは学院を休んでいる、風邪を拗らせてしまったらしい。一度ローラと二人お見舞いの手紙を送ったが返事はきていない。


あの高笑いを聞いていると、王女様方は悪役令嬢っぽい。ヒロインはもちろんシャーリス。

「なんて下品な笑い方」

ローラも扇子で口元を隠しながら毒を吐く。

「ローラは何を言っても可愛いのは何でなの」

と言うと首を少し傾げる。あざとい。あなたもヒロインですか?


始まりは学園長挨拶から始まり来賓として王妃がお見えになった。初めて見る王妃凄い。王子達の顔の形成はあなた様のパーツなのですね、とわかる程の美女。少し微笑まれれば美少女という若さまで見てとれる。恐ろしい。


セオ兄様の発表は素晴らしかった。兄様はいつから準備をなさっていたの?と不思議なくらい。各領地の蜂蜜について、領地ごとの花の分布による蜂達の様子、蜂蜜の収穫量、匂い、味などまとめていた。蜂箱の置き場所も箱の作成まで。家族じゃなくてもスラスラ話す兄様はかっこよかった。モテてしまう。キョロキョロ辺りを見ると所々の御令嬢が見惚れているではないか。すぐに母様に報告だ。


拍手が響く中、どうしても気になり王女様方面を見たら、興味なさげだった。興味もたれて侍らされるよりはいいのだけれどなんか嫌な感じだわ。拍手ぐらいしなさいよ。と心中毒づく。


初日はどれも素晴らしく研究や実験、実施とどのテーマも興味深かった。

兄様の婚約が早く決まってしまうだろう。私は誇らしくて仕方なかった。早く兄様に感想を素晴らしかったと伝えたくて家に帰ってくる兄様を心待ちにしていた。


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