16「じゃあ、これ。これがあすかにやってもらうゲームだよ」
まあそんな過程を経て。
ほみかVSあすかの最終対決は、ゲーム対決となった。
しかしながらほみかの腕前は一級品だし、対するあすかはゲーム初心者どころか、そもそもゲームをしたことすらないと言う。それでは流石に不公平だと、あすかにゲームの練習させる時間を設けさせようというわけなんだけど……。
「それでは、よろしくお願い申し上げます。お兄様」
僕の部屋のテレビの前にて。
座布団に座る僕に向かって、あすかがペコリとお辞儀をした。
「うん、よろしくね、あすか。準備はいいかい?」
「はい。いつでも取り掛かれますわ」
「じゃあ、これ。これがあすかにやってもらうゲームだよ」
僕はそう言うと、縦長のソフトケースをあすかに見せた。
登場キャラクター達が思い思いにファイティングポーズを取って、タイトルには『ファイナル・ドラゴンファイト』と書かれている。
「ふむ。思っていたよりも小さいのですね。これで二人で遊べるものなのですか?」
「もちろん。二人どころか、ネットを繋げば世界中の人と戦えるよ」
「……?」
疑問顔でゲームのパッケージを見つめるあすかに対し僕は、
「まあ、とにかく一度プレイしてみようか。一回やったら分かると思うよ」
……ということで。
僕は子供の頃を思い出して微笑ましい気持ちになっていた。初めてゲームを起動する時の緊迫感、期待感、あれは筆舌に尽くしがたい。それがどんな代物であっても。初めて遊ぶゲームというのは、子供心にも記憶に残っているものなのだ。
「といっても。起動は簡単。この電源ボタンを押すだけだからね」
「なるほど……。こんな簡単に、『てれびげいむ』とは楽しめるものなのですね。他のボタンにも、それぞれ意味はあるものなのですか? あ、何か映し出されました!」
あすかは、おっかなびっくりで画面を指さした。
そこには、登場人物の戦闘ムービーと、多少のネタバレを含むストーリーの一端が映し出されていた。これこれ。この綺麗なCGと迫力ある戦闘グラフィック。あすかにとっては命がけなんだろうけど、僕は内心で少しワクワクしてしまうのだった。




