表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕だけに聞こえる彼女達の本音がデレデレすぎてヤバい!  作者: 寝坊助
デレ3~主人公、まさかの離縁!? 幼馴染とクラスメートのバトルもヤバい!~
157/217

49「ね? ことり」

 もうすっかり暗くなった夜空を見上げながら、僕はあすかと共に檜の縁側を歩いていた。庭園まで来た時だった。ここなら、ゆっくりと話が出来る。そう思い僕は足を止めると、石段を降りて庭池まで向かった。


「お兄様……?」


 あすかが振り向くと同時に、後を追って僕の隣まで歩いてきた。


「いいお月様ですわね……」


 彼女の言うとおり、雲ひとつない空には恐ろしいほど綺麗な三日月が出ていた。下弦の月が池の水に反射して、ぼうっと幻想的に輝いている。


「お兄様。突然立ち止まって、どうしましたの?」


 無表情の白い顔が、月夜に照らされて余計に白く見えた。まるで血が通っていないかのように。儚く、寂しいがとても美しい顔だった。


 僕は言った。


「大きな庭だね、ここ」


「ええ。小さい頃、夏は花火、秋にはお月見をよくしておりました」


「ことりとも?」


「……」


 彼女の眉がピクリと動いた。


「ほんとはね、君と話がしたかったんだ」


 僕が言うと、彼女はやっと笑ってくれた。そして、


「お話とは、何でございましょうか?」


 と尋ねてきた。僕は答える。


「ねえ、僕と初めて会った時のこと、覚えてる?」


「もちろんでございます、お兄様」


「何だかバタバタしてて、とっても大変だったよ」


「うふふ。色々とございました」


「あれから比べると、あすかはとっても明るくなったよ」


「お兄様を始め、様々な方のお優しい心にふれましたから」


「うん……ごめんね。この家に戻ってあげられなくて」


「仕方ありません。お兄様にもご都合というものがございます。それに、いつかは帰ってきて頂けるのでしょう?」


「そう……だね。雪ノ宮を継ぐなんてことは、今のところ考えてないけど。やっぱりつばめさんは僕の実母だし。やり残したことが全て片付いたら、この家に戻ってこようと思うよ」


「ならば、それだけで十分ですわ」


 彼女は寂しげな笑みを浮かべると僕に背を向け、石畳の上をゆっくりと歩いた。

 

「それともうひとつ……言いたいことがあるんだ」


「わたくしにですか? なんでございましょう?」


 僕に背を向けたまま、彼女が答える。


「いや、正確には、あすかにじゃないんだけど」


「すみません……どういうことでしょうか?」


「もう、お芝居は止めにしよう?」


 僕の言葉に、彼女は振り向いた。

 僕は、目の前にいる女性に向けて言った。


「ね? ことり(・・・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ