表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕だけに聞こえる彼女達の本音がデレデレすぎてヤバい!  作者: 寝坊助
デレ3~主人公、まさかの離縁!? 幼馴染とクラスメートのバトルもヤバい!~
122/217

14「誠ですかお兄様!」

「……明日? 雪ノ宮家に、食事?」


 ポカンとしながらオウム返しをする僕に、あすかは「はい」と答える。


「これはお母さまのお誘いなのですが、色々とありましたが、わたくしたちは『家族』ではありませんか。本来ならばずっと一緒に過ごせていたはずなのです。様々な事情で離れ離れになってしまいましたが、これからはその時間を少しずつ埋めていきたいと」


「うーん、言いたいことは分かるけど」


「この前は、慌しくて晩餐を共に出来ませんでした。わたくしたちは実の家族ですし、お母さまに親権がないとはいえ、会うこと自体は犯罪ではありません。よって、せめてお食事でも一緒に取りたいと思った次第です」


「それは……まあ」


「それとも。やはり、無理なのでしょうか? わたくしも、お兄様と卓を囲めることを楽しみにしておりますが、お母さまからの言いつけで、決して強制はしないようにと言付っております。なので、断って頂いても構いませんが……」


(急なお話で、お兄様に嫌われたのでしょうか。お兄様も嫌がってるご様子ですし、お母さまとの確執もまだなくなっていないようですし。お兄様とのお食事会が無くなるなんて、あすかは悲しゅうございます)


「いや、別に、僕は……」


 あすかはしっかりした口調ながらも、不安そうな表情で僕を見つめている。僕に断られることを内心で恐れているようだ。

 それは、共感性症候群により分かる。


 だけど、ぶっちゃけ行きたくない。

 雪ノ宮つばめさんに対しては、色々と複雑な思いがあるし。

 でもたぶん、ここで行かないと物語は進んでいかない。

 十四年前、僕がつばめさんに捨てられ今の家族に拾われた時から。これは僕でしか終止符を打てないストーリーになっていたんだと思う。


 勿論、めんどくさい。ドロドロの修羅場よりも、ほみかや母さんと一緒に下らない馬鹿話をしてる方が何倍も楽だ――だからこそ、ここで逃げてはいけない。


「分かったよあすか。明日、雪ノ宮家にお呼ばれするよ」


「誠ですかお兄様!」


 珍しく声を弾ませて、大喜びであすかは言う。


「よかった……本当によかったです。本音を申しますと、お兄様に断られるのではないかと、あすかはとても心配しておりました……偉大なるお兄様の妹だというのに、お兄様を信じることが出来ないなどと。妹にあるまじきこと。猛省し、これからの精進に生かす所存にございます」


「そ……そうか。頑張ってね」


「はい! それでは、明日の十五時ということでいかがでしょうか?」


「十五時ね。うん、わかったよ」


 僕がそう答えると、あすかは両手をパン! と合わせて、


「それでは、決まりですね。ああ……今から楽しみですわ。お兄様とのお食事会」


(よかったですわ。もし断られていたら、手首を切っているところでした)


 おいおい。心の中でまた物騒なことを呟くあすかに、僕は内心で突っ込みを入れる。でもよかった。今日のあすかは何だか落ち込んでるように見えたから、少しでも元気になってくれたのであれば。正直つばめさんとはまだ顔を合わせづらいけど、あすかの笑顔を見れるならまあ良しとしようか。


 それでは明日、と約束をして、僕とあすかは公園で別れるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ