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489話 冷たい川
昔、若い頃私は警察官だった。
だが、川で入水自殺を試みた少女の説得に失敗し少女を見殺しにしてしまった為、配属先の住民達に頼りにならないと不信感を持たれ警察を首にされる。
ただその頃の警察官は水泳の訓練を受けていなかった事もあり、警察を首になったが退職金は支払われ次の就職先も警察の幹部に世話してもらえた。
でも本当の事を言うと私は泳げる。
それなのに何故あのとき少女の救出を行わなかったかと白状すると、あの極寒の地の冷たい川に入るのが嫌だったのだ。
今、温水プールでノンビリと泳いでいる老人が独り言を呟いていた。




