生贄令嬢の辞世の旅◆
生贄令嬢の辞世の旅◆
作者:細波 様
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【あらすじ】
莫大な魔力を持って生まれたために、幼い頃から生贄となるべく育てられた、伯爵令嬢のティーナ。
18歳になった彼女に命じられたのは、生贄を喰らう巨人の住む洞窟への一人旅だった。
言うなれば、辞世の旅。せっかくなら、思いっきり楽しむつもりだ。
そんなティーナは、道中の護衛として、『狂犬』と噂される凄腕の男、イェルドを雇う。
貴族の娘と傭兵あがり。誰にも言えない生贄と、仕事に私情は持ち込まない男。
言葉使いから価値観まで、何一つとして合わないちぐはぐな二人。
互いに距離をとっていたはずだったけれど、イェルドの気持ちは、常識はずれな行動を繰り返すティーナの面倒を(しぶしぶ)見るうちに、少しずつ変わっていって。
「なんでそんな顔する。来年また来ればいいだろ」
ティーナには存在しない未来を、イェルドは簡単に語るけれど。
「それは、あんたがやりたいことなのか?」
辞世の旅の道連れとなった、二人のお話。
【感想】
すっごく良かったですーーー
途中切なくて泣いてしまった……
イェルドめっちゃいい男だし、ティーナは純粋で健気だし、旅してる間の、二人の心の変化とかすれ違いに胸が痛くなります。
芯から凍えるような雪国の描写は、孤独な二人の心象風景を表してるようで、切ない物語にぴったりなんですよね……
元のあらすじにある通り、悲恋ではありませんので、ハッピーエンド派の方にもおすすめです。
全十七話、完結。




