【痺】薬草です【辛】
まぁコメント欄が盛り上がること盛り上がること。内訳としては心配半分バケモン呼ばわり半分ってところか?しかし、そんなコメント達が流れている最中でも食べる手と口は止めないのが、ジョージの酒飲みチャンネルクオリティ。
「美味しいのになぁ?」
「ネー?」
『いやいやいや』
『ペーストってことはその前に下茹ではしたの?』
「してないけど」
『終わりだ』
『せめて熱通さんかい!』
麻痺草はその名の通り、葉から茎、根っこに至るまで麻痺成分が蓄えられている。成分強さの順番で言うと根>茎>葉といったところか。
で、その麻痺成分は加熱処理をすることでいくらか弱らせることはできるのだが、俺は今回ペーストを作るにあたって下茹で作業等は行わず、そのまますり潰した。だってその方がシビ辛を楽しめると思ったからね。
『麻痺草って薬草の区分でいいの?』
『毒草に片足ツッコんでるよ』
『麻酔とかに使われているから割と重要な薬草ではあるんよ』
『だから食べようとする発想が湧かないのが普通ではあるんだけど』
「オーロラ、これ入れるか?」
「ウン、お願い!」
麻痺草の解説を詳しいであろう視聴者たちに任せてこちらは食事に戻る。俺とオーロラ、両方の丼に卵を割り、黄身だけ入れて再度混ぜる。そうすることで、黄身のまろやかな味が油そば全体に馴染んで食べやすさが一段階増したな。まぁ麻痺草ペーストが入っている時点で、シビ辛耐性がない人にとっては劇物のままなんだろうけど。あ、白身は取っておいて明日の朝食のスープになります。
――しかし、アレだな。マイルドになったのはそれはそれでいいけれど、やはり今回俺はシビ辛を味わいたい。……よし。
『おいおい追いペーストしてるよ』
『よしこれでいいなじゃないんだよ!』
『新亜人たちよ、これがハイエルフだ』
やめろ、自分で言いたくはないが、俺みたいな特殊なやつを一般ハイエルフに落とし込まないでくれ。
大体、このペーストだって一回下茹でしてからペーストにすればきっと山椒の少し強いくらいの刺激になってそこそこの辛いもの好きの人なら食べられるようになるかもしれないから!
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「さて、ひとしきり油そばを食べた訳だが」
『まだちょっと具残ってない?』
『配信終わり?』
「いや、残った油と具は〆に使うから一旦フェードアウト。このシビ辛ペースト、他に何かに使えないかなって」
大盛り仕様の油そばの麺を平らげ、一旦画角外に丼を追いやり、代わりにシビ辛ペーストの入ったタッパーをカメラの前に差しだす。スタンダードに焼肉に付けて食べるというのは思いついたが、折角だから視聴者たちに色々と意見を聞いてみようという訳だ。
流石に手の込んだものは今から作れないから本当にサッと用意できるものをリストアップして準備して食べれればいいなーっと思ったらみんな色々と提案してくれている。ほほうほう、なるほど……あぁこれなら丁度良く作り置きあったはずだし、これは切るだけだから楽だな。よし、それじゃ早速準備準備っと。オーロラ、場繋ぎよろしく。
1.まるごとキュウリにシビ辛ソースとマヨネーズを混ぜてディップ
「マヨネーズのおかげでシビ辛具合もマイルドで食べやすいな。暑い夏にいいかもしれない」
「ジョージ、ちょっと食べヅライ」
『オーロラちゃんなんでそのまま行こうと思ったんだ…』
『諦めて切ったの食べな?』
2.冷奴にちょっとだけのせる
「ほー、案外合うもんなんだな」
「上品なカンジがする!」
『そりゃ麻婆豆腐にも豆腐ハンバーグにアイスにもなれる逸材だ。面構えが違う』
『面どこだよ』
『豆腐になれ』
3.チーズのせシビ辛マヨトースト
「はいはいはい、ほとんどシビ辛が目立たなくなったな」
「カラいの苦手なヒトでも食べれるカモ」
『あ、これ良さそう』
『パンとも合うのかよ……(涙)』
4.フライドポテト With シビ辛マヨケチャソース
「ケチャップの酸味が加わったことでまた違った味わいだな」
「止まらないカモ!」
『チェーン店でありそう』
『マヨネーズ君ちょっと頑張りすぎちゃう?』
5.シビ辛ゆで卵
「うん」
「ウン」
『あれ、反応薄い』
「美味しいけど感動するほどではない」
「デモ飲める」
『ゆで卵は漬けるとうまい』
「ほう、漬けか……」
6.シビ辛ナッツ
「お、これはいいな。フライドポテト並に次々イケる」
「温かいからそこまでシビくナイね!」
『居酒屋で出そう』
『もはや居酒屋だろこれ』
いやぁ作った食べた飲んだ。途中から楽しくなっちゃってどんどん作っていたらシビ辛ペーストが当初の5分の1ほどまでに減っちゃっていたよ。また食べたくなったら採取しなければね。
最後の〆として、油そばの丼の中にホカホカのご飯を追い飯し、残った油を含めて綺麗さっぱり食べきることが出来た。配信のネタも思いついたことだし、シビ辛欲求も解消したことだし満足満足だ!




