表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSエルフさんの酒飲み配信~たくさん飲むからってドワーフじゃないからな!?~  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/340

蛇ってすごいんだぜ?

 ククク、アカオオダイショウがのたうち回っておるわ!まぁね?あんなギザギザの牙が鼻っ柱に噛みつかれた日にはどんな屈強な存在でもたまったもんじゃないだろう。そもそも足に喰いつかせるものだからね、それ。加えてそのトラバサミは宝箱産。通常の物よりも耐久は折り紙付きだ。滅多に壊せるものじゃないぞ!よし、この内に――!


「逃げるぞ、オーロラ!」

「――!」


 俺が駆けだすことで、オーロラも合わせて飛ぶ。もしかしたらオーロラは1人でも立ち向かうのではなんて危惧したが、一緒に逃げてくれるようだ、良かった。

 さて、俺達が逃げている方向だが、山ダンジョンの出口ではない。もし、何も知らない冒険者と鉢合わせたら事だしね。とすると、隠しエリアの入り口?ははは、ご冗談を。仮にアカオオダイショウが入ってきたらキャンプ道具とか配信機材とかおじゃんじゃん!それだけは絶対ダメだ。やってしまった日には大号泣間違いなし。ではどこに逃げているのか、この山ダンジョンの頂上だよ。確か頂上は生えている木も少なく、見晴らしは良かったはずだ。少なくとも、樹木が生え揃ってるここなんかより救援に来た人がよっぽど戦いやすいだろう。まぁ?そもそもの話、俺がこのまま逃げ切ってしまう可能性はあるんだけどな、HAHAHA!


「――!!」


 なんて事考えてたら頬を引っ張られて痛い。この状況でこんなことをするのはオーロラしかいない。何々?今結構緊急事態なんだけど――え?後ろ?


「後ろがなんだって――うぉお!?」


 釣られて背後に視線を移すとそこにあったのは赤い何か……いや違う!アカオオダイショウの口か!?意識した時にはすでに体が反応していた。俺目掛けて大口を開けて飛び掛かってくる奴を身をひねることで何とか回避。まさか奴が俺のスピードに追い付いてきたのも驚きだけど、俺よく避けたな!?


「シュー……」

「バケモンかよ……!」


 このアカオオダイショウ、俺に追い付くほどのスピード持っておきながらさっきは2人の冒険者をノロノロと追い詰めていた。恐怖を与えるためとか?中々にサディストな蛇だなこいつ。

 さて、どうしようか。今のところ硬直状態ではあるものの、奴の鼻っ柱に噛みつかせたはずのトラバサミが無くなっている。辛うじてちっちゃな穴は開いているが、大したダメージは無さそう。それよりも壊されてないだろうな?やめてくれよ?まだ3つあるけどあと3つしかないとも言えるからな?ってぇ!


「あっぶな!」


 無事か分からないトラバサミに思いを馳せていたところに噛みついてきやがったぞ。幸い回避することが出来たが、トラバサミを悼むことすら許してくれないのかコイツめ。……そうだ。こいつもモンスターになってバカでかくなったけど蛇なんだよ!知ってるぞ、蛇って変温動物だから寒さに弱いんだろ!今日、俺はここにキャンプをしに来ているんだ。ともすれば氷を持ってくるのは必然!――でも悲しいかな、隠しエリアに置いてきたまま!でも俺にはオーロラ先生がいる!


「オーロラ!魔法であいつの周りを冷やすこと出来るか!」

「――!」


 俺の声にオーロラが応える。瞬間、宙から電柱ほどの太さをした氷塊が現れたかと思うとアカオオダイショウ目掛けて落下する。容易く避けられるが、氷塊は消えることなく奴の周りに突き刺さり――冷気が一帯を埋め尽くす。やばっ俺も寒い。薄手には少々きついが、効果は覿面。冷気に覆われたアカオオダイショウの動きは次第にゆっくりとしたものに変わり、目もトロンとしてきた。よしよし!このまま寝落ちてしまえ!そんでお前の眠りはそのまま覚めぬと知れ!ふはは、勝ったな!バーベキュー食べてくるってなぁ!

 ……ん?アカオオダイショウ、紅く光ってない?んん?寒くなくなってない?寧ろ暑くない?ちょっと、まだ春とはいえ暑いんじゃなくて?ほら、氷塊が解けて……いやこれ自然現象じゃねぇな!?これはまずい!


「オーロラ!」

「――!?」


 嫌な予感の赴くままに急ぎオーロラの体を優しく握りしめ、飛び退きアカオオダイショウから距離を離す。奴は動かない。しかし、体の発光は徐々に強くなり目を覆いたくなるような光が一帯に広がり蒸発するような音が聞こえ、いや、蒸発したようなじゃない……まだ形を成していたはずの氷塊が一気に蒸発したのかよ!

 俺、君のその鱗の紅さ……獲物を襲っていくうちに返り血が染み渡って紅くなったものかと思っていたよ……あぁ、そう。


「君、熱操れるのね……?」

「シュー……」

「じゃあオーロラ、もっぺんよろ!」

「――!」


 襲い掛かる氷塊。無論、アカオオダイショウも二度は同じ手は喰らわないだろう。熱を操り、氷塊を瞬間蒸発させる。が、所詮はモンスターよ!知能が足りない!水蒸気は目くらましとなり、少しの時間でもいいから俺たちの逃げる時間を稼ぐ!ふはは、さらばだ明智君また会お――ぶっぉっへ!

 再び走ろうと背を向けた俺の背に凄まじい衝撃が襲い掛かる。見えなくても分かる!俺はアカオオダイショウの攻撃を受けた!痛みこそあるが、蠅たたきで叩かれたような感じ!骨は折れて無さそう。でもなんでこんな視界の悪い中攻撃を……あっ、ピット器官の事、忘れ、て、た……不覚っ……配信……出れるかなぁ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] トラバサミが外れたところの ”まだ2つあるけどあと3つしかないとも言えるからな?” 2つなのか3つなのかわからないです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ