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TSエルフさんの酒飲み配信~たくさん飲むからってドワーフじゃないからな!?~  作者:


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新年初のお客様

「あけおめじゃ」

「……あけおめ」


 1月2日お昼時、玄関の扉を開けたらそこには――ヤマダがいた。試しに頬を抓ってみたが、しっかり痛みを感じる。一富士二鷹三茄子の巨大文字が延々と俺の周りを回り続ける意味不明な初夢の続きという訳ではなさそうだな。


「普通にダンジョンの外出るんだな、お前……」

「当然よ。無論、人目に付かぬようにはしておるぞ?」

「ならいい、のか?まぁ入ればいいさ」

「うむ!」


 知らない仲でもないし追い返すとそれはそれで面倒な気配を感じたので家の中にあげることにした。しかし当然の様にうちに来たが、あれか。祠の中で俺の記憶をもとに家を再現した時に住所知られたか?プライバシーの侵害と言いたいところだが、超常的存在のこいつに言ったところでな……


「昨日の着物は着ておらんのか?似合っておったのじゃがなぁ」

「あんなのずっと着てられるかっての……ってお前配信見てたな!?」

「何、ほんのチラ見じゃ」


 振袖は昨日配信してすぐに脱いで今日の朝、花子さんに御礼の品と共に返却済みだ。今日も着たらどうだと勧められはしたが、配信するつもりは無いしそこは丁重にお断りした。だもんでいつも通りの楽な部屋着だ。

 リビングの扉を開けると、オーロラが妖精用こたつでぬくぬくしながらチャーシューを頬張っていた。ヤマダに気付くと渋面を作って悪態をつく。


「ウワッヤマダ」

「ご挨拶じゃの妖精女王」

「お前のことだから飯食いに来たんだろ。こたつ入って待ってろ」

「おぉすまんの。新年の挨拶に来ただけで催促したつもりじゃないんじゃがの!」

「食べつくさないデヨ?」

「呵々、如何にわえが八ツ首を持とうとも喰らいつくしはせぬわ。供えられたものまでじゃ。で、ジョージよ!アレはあるんじゃろうな、ホレ"魔女の一撃"とかいう!」

「もうねぇよ?」

「は?」


 いや、そんな鳩が豆鉄砲を食ったような顔されても、昨日の配信で全部飲み切っちゃったよ。瓶はとっておいたけれども。まさかこいつ、うちに来たのは魔女の一撃目当てだったか?新年の挨拶だなんて絶対そんな習慣なかった時代から目覚めたくせにおかしいと思った!


「ハァ、仕方ない。ならあれはあるのか?蛇酒」

「アカオオダイショウ酒のことか?あるけど大事に飲んでくれよ?」


 アカオオダイショウ酒なら十分にあるしそれしか飲もうとしない限りは問題ないだろう。念のためビール・酎ハイ・日本酒・ワインも合わせて並べておこう。被害を分散させるんだ!



「美味い!腕は鈍っておらんようじゃの!」

「トウゼン!」


 爆走車海老のうま煮を頭から噛み砕いてアカオオダイショウ酒をストレートで呷って称賛してくるヤマダ。そんで何でオーロラが威張ってるんですかね……我が身の事の様に嬉しいって感じか?そもそも腕が鈍るも何も料理人のつもりはないんですが。


「そういやヤマダ、俺らの配信チラ見してたってことは裏でやってたExStremerの配信見てたのか?須藤さん……曙りゅーたんが出てたんだろ?」

「無論じゃ!新年の公式生放送でりゅーたんがついに3Dをお披露目しての!それはそれは素晴らしい物であった!お主らも見たか?」

「配信中だったって知ってんだろうが。配信後にTwitterで流れたのは見たけども」


 曙りゅーたんとは戸中山ダンジョンで知り合い、のちにドラゴニュートとなってしまった須藤さんが演じるVtuberである。Vtuber事務所"ExStremer"に所属しゲーム実況や飲酒配信を主に活動。その見た目とキャラクター性で少しずつ人気を上げ、昨日Vtuberの1つの到達点である3D化を果たしたらしい。


 Twitterで見たときはまぁビックリしたね。曙りゅーたんには元々龍の尻尾があるのだが、3D化するとそれはもうまるで生きているかのように動いているのだとか。しかも、他の演者に接触すると透過するのではなくちゃんと当たり判定がある。そのことからExStremerの技術どうなってるんだと話題になっていた。


「須藤さん自身も凄いが、他の演者もよく話し合わせてるな。ドラゴニュートだってことは結構な爆弾なはずなのにスキャンダルになったりもしてないもんな」

「うむうむ、わえも無駄に介入せずともよさそうで安心したぞ」

「介入って……それをするぐらいの理由はあるか」


 この推定上位存在であるヤマダは曙りゅーたんの大ファンであり、尚且つドラゴニュートの巫女である須藤さんの信仰の対象。祈られる存在が自分を奉る人にぞっこんとか……俺自身何を言っているのか分からん。まぁ1つだけわかるのが、須藤さんがヤバい時、ヤマダが何かしでかすかもしれないということだ。


「俺には止められないけど、せめて被害は小さくしろよ?」

「善処しよう。たつきとの約束もあるしの」

「ならいいんだよ。……ん?たつき?誰?」

「なんじゃ知らなんだか?お主の言う須藤の下の名じゃぞ?」


 あ、そうなの。須藤さんの下の名前たつきって言うんだ。どう書いてたつき?あぁ辰希ね。そういえば自己紹介の時も須藤さん下の名前言ってなかったっけか。なんだ、そうだったんだ――


「何でお前須藤さんの下の名前知ってるの?」

「会うて自己紹介したからに決まっとるじゃろ」


 こいついつの間に……っ!?

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― 新着の感想 ―
推しとの距離がちけぇぞぉぉぉぉヤマダァァァァァァ!
りゅーたん、SAN値チェックが必要だったり…。 才口千「愛すべき君の神ですよ♪」 須藤「!?」
アクティブな王族ですねー…。本当に王かは分からんけど
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