表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TSエルフさんの酒飲み配信~たくさん飲むからってドワーフじゃないからな!?~  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

199/360

せいなる獣ユニコーン

 ユニコーン。すっごい大雑把な言い方をすると、額に立派な角を生やした馬だ。白馬の個体が一般的に知られているが、実は白馬が普通という訳ではなく、動物の馬と同様に、鹿毛や黒鹿毛のユニコーンも存在する。その中でも白馬のユニコーンは宗教によっては聖獣扱いされている。言うて食べるけど。


 実は俺、ユニコーンを狩りに行くのは初めてだったりする。というのも、この戸中山ダンジョンでユニコーンは限られた場所に現れ、さらにポップする数が少ないから見つけ辛い。その上、ここのボスモンスターであるアオオオダイショウに比べると多少は劣るがダンジョン内では強い部類に入るモンスターだ。気軽に挑む相手ではない。男時代に見掛けたことはあるが、その角で突進猛猪が正面から刺し貫かれているのを見て、即逃げの一手を決めた。我ながらあの時は英断だったと思う。


 だが、今は違う。エルフになったことで身体能力は向上しヤドリギの矢を筆頭に強力な装備も揃っているし、オーロラだっている。油断をするつもりはないが、勝率はかなり高いと踏んでいる。


「ユニコーンってオイシイの?」

「美味いらしいぞ?馬刺しもいいが、そうだな……馬肉ハンバーグにしてみるか?」

「ハンバーグ!サンセイ!」


 オーロラの同意も得て、早速ユニコーンを狩るべく取り掛かるのだが、前述の通りユニコーンはレアなモンスターだ。闇雲に探しても見つかりはしない――と言いたいところだが、ユニコーンをおびき寄せるための餌がある。


 元来よりユニコーンは清らかな人間の乙女を好む。この場合の清らかな乙女というのは……精神的な清らかではなく肉体的なアレだ。つまるところ、餌は俺だ。ちなみにユニコーンは戸中山ダンジョンの奥深くに現れる。結構険しい道のりを抜けた場所にいるからそもそも女性冒険者は行こうとしないんだよな。さて、ここで注意点。冒険者は互いの了承なしの囮行為は禁止されている。確か過去にここでユニコーンを狩ろうとして、それをやらかしたがために捕まった奴らがいたな。


「アレ?トラバサミ仕掛けるの?」

「あぁ、もしユニコーンが見つからなかった場合の保険としてな」


 実際はトラバサミを仕掛けなくても狩ろうと思えば、探し出して狩ることは出来るのだが、時々使っておかなければ道具はすぐ劣化してしまうと言うしな。このトラバサミは宝箱から入手したものだからすぐに劣化はしないけど。


 さて、全てのトラバサミのセッティング完了だ。とりあえず前回ユニコーンを発見した地点まで行ってみるか。



 さて、目的の地点に到着したが――見たところユニコーンはいない。念のためオーロラに周囲の様子を確認してもらったが、ユニコーンは影も形も見えないそうだ。出来れば労せず見つけたかったが、仕方ない。ここからユニコーンに俺という存在に気付いてもらおうか。


「ドウスルの?」

「こうする。"魔力を放出しながら点滅しろ"」


 オーロラの疑問に答える形として、まずヤドリギの矢をAカードから取り出して、指示を出す。俺の願いを可能な限り叶えるヤドリギの矢はその通りに頭から先まで光っては消えの点滅を繰り返し始めた。光量は懐中電灯の光を直接見るくらいか。

 光だけではなく、魔力も放出させている理由は、事前にユニコーンが魔法を使えるモンスターで、魔力を察知する能力に長けていると調べておいたからだ。光?光は目立つからって理由だ。これで釣れてくれればいいんだけれど。


「エ゛」

「うん?どうした、オーロラ」

「デテキタ!」

「マジかよ」


 素っ頓狂な声を上げたオーロラの方を見てみると、彼女にしては珍しくビックリ仰天な表情をして一方を指差していた。そちらに視線を移すと――うわ、マジでいるよ。しかも教科書に出てくるレベルの白馬のユニコーンがそこにいた。本当に出てくるんだな。それなりに知恵が回るモンスターと聞いていたんだが……?


「なぁ、オーロラ」

「ドシタノ」

「アレ、俺を見てるよな?」

「ガンミしてるね」

「獲物を狙う目か?アレ」

「ドッチの意味のエモノなんだろうね」

「鼻息荒いなアイツ」

「ツノ、光り始めたよ」


 俺達の前に現れたユニコーンは、俺から視線を一切外そうとしない。ちょっと横にずれてみたら追って来るし、俺の傍でオーロラがめちゃくちゃに飛んでみても一切気にしようとしない。ユニコーン、噂以上に女好きな模様。

 で、角が光始めたのは、気に入った女を刺し貫くための予備動作という訳か。いや、冒険者とはいえ気に入った清らかな乙女にドリルの如し角で突いたら最悪死んじゃうよ?そこら辺はモンスターだからなのか。恐ろしいな。恐ろしいから――


「そんな怖い角は折っちゃおうねー"角を根元から折れ"」

「ブヒヒン!?」

「ワー、ただのウマになっちゃったね!」


 ユニコーンに気付いてもらうために持っていたヤドリギの矢だが、折角だから使っておこう。ユニコーンから採れる素材の中で角は、食べることは出来ないが、武器は勿論、水を浄化するためのアイテムにもなる。その有用性から破損の少ない物は高値で取引される。認識阻害アイテムの件もあるから、金になる素材はなんぼあっても困りませんからね。ヤドリギの矢はオーダー通り、根元の部分に衝突し、ポッキリとユニコーンの角を綺麗に折った。


 角が折れたことで、まるで額に禿の様な模様が出来てしまったユニコーン。先程まであんなにも鼻息を荒くしていたのに分かりやすく落ち込んでいらっしゃる。

 折角出来た隙なので、吽形で首を一刀両断させていただきました。許せ、ユニコーン……せめて美味しく食べてやるからな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ユニコーン…又の名をロリコーン…
[一言] ユニコーンも諸説あれどこの世界のは紛う事なき害獣…!
[良い点] カモじゃねぇか…… 矢が無ければ接戦だったかな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ