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第04話 コンタクト



 家に帰り着くと僕は母親にサボったことを報告した。叱られると思ったが母親は事故等に合ってないならと心配はすれど叱りはしなかった。

 それと母親にコンタクトに変えてみたいと話してみた。マドが言ったように本当に世界が変わるのならと試してみたい気持ちにかられて。母親はすんなり許可を出してくれた。なので週末にでも眼科に行ってコンタクトを買いに行こうと思っている。

 



 次の日の通学時、僕はいつもの時間いつもの車両に乗っていた。昨日のこともあり一目惚れの彼女を避けるために違う時間違う車両に乗ることも考えたが、なぜか逃げているような気がしたし一目惚れの彼女から離れるならきちんと違う時間違う車両に乗ることを伝えてからと思いいつもどおりで行こうと勇気を出して。


 けれど一目惚れの彼女は来なかった。なにかあったのかと気になってしまうが何も知らない僕だしどうしようもないと考えることを放棄した。まあ、一目惚れの彼女に会えるまでここに乗って伝え終えたら別の場所に移ればいいと安易な考えを持って。


 でも、翌日もその翌日も彼女は現れなかった。

 良くはわからないが彼女が僕から離れていってしまったようだ。

 結構勇気を使ってこの場所にいたんだけれどどうももう気にする必要はないらしい。


 確かに一目惚れの彼女のことが理由もわからないため心配は心配だけど、いつまでも気にしてもしょうがない彼氏も居るんだからと今後は忘れるように努めるだけだとそう考え学校へと向かうのだった。

 

 


 そういえば、マドとのSNSのやり取りはまだ続いている。最初だけだと思っていたのだけれどマドが心配してからかわざわざメッセージを送ってきてくれているからだ。もう一目惚れの彼女は僕の前に現れなくなったし、マドとあったおかげで楽になれたから大丈夫だよと伝えているんだけど結構心配性のようで。

 それでも僕のことをこんなに心配してくれるのはやっぱり嬉しくて「ありがとう」という言葉をいつも返していた。




 そして週末に眼科に行きコンタクトを手に入れた。寄り道もせず家に帰り着くと僕は洗面所に行きコンタクトを目に入れようとしたわけだが、その行為がとても怖いながらもその時はなんとか入れることが出来た。けれどよく考えてみるとこれを毎日しなければいけないんだなあと……それを思うと怖くなってしまう僕。それでも、新しい世界のためだとちょっと頑張ってみようと無理している僕が洗面所の鏡に写っていた。




お読み頂きありがとうございます。

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