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創世輪廻譚(読み切り)  作者: からあげ大佐
もう一度、キミに会うために
9/14

夢みたいな生活

どうも、メリークリスマス!からあげ大佐です。創世輪廻譚第8話になります。最近は読んでくれる人がどんどん増えてきて嬉しいです。サンタさんのプレゼントはランキングに載ることだと嬉しいですね。今回は少々残酷な描写があるので閲覧注意です。では第8話夢みたいな生活をどうぞ

支部に来てから2週間が経った

剣技を教わったり、依頼の手伝いをしたりと

忙しく動いていた


シナ「....ふぅ.....」


リビングのソファーに座りコーヒーを飲みながら

まったりしている午前10時


シナ「今日はゆっくりだなぁ....」


今日はゴルドもエキナも依頼で出払っており

1人で支部に残っている


ごめん!シナ!今日1日1人で!ご飯もなんとかやっちゃって〜!!


そういってササっと依頼解決に走って行った


シナ「なにをしようか...結局記憶も戻らないし....」


コーヒーをテーブルに置く


シナ「街に出てみようかな....探索ついでに困ってる人を助けたりとかできるかもしれない....」


窓から差し込む光を背にして

着替えや準備を完了させ

支部を後にする


シナ「んー....はぁ」


軽く伸びをする。

街の中は今日1日を頑張ろうという空気が溢れている

道路を掃除する人

洗濯物を干す人

窓を開け、部屋の中を暖かくしようとする人

小さな街でも様々な人がいる


シナ「今日も1日が始まるんだなぁ...もう10時だけど」


道なりに沿って歩き出す

いつものように焼きたての

パンの匂いがどこからか香る


シナ「いい匂い...なんのパンだろう....」


子供達がはしゃぐ姿が見える

楽しそうに追いかけっこをしている

1人が転んでしまっても泣かずに立ち上がって

また駆け出す


シナ「.....ふふ」


最近は笑顔になることが増えたような気がする

人の優しさ、温かみに触れて

強さを教わり、守る力を手に入れた

自分自身のことはわからなくても

成長しているという実感が湧く


マカナ婆さん「あら!シナちゃんじゃないの!今日はエキナちゃんと一緒じゃないのねぇー」


シナ「あ、マカナおばあさん。おはようございます」


初めてこの街に来た時に最初に話しかけてくれた

あのおばあさんだ。名前をマカナと言うらしい

あれからもたまに街で顔を合わせて世間話をする


シナ「今日はエキナもゴルドも出払ってるんです。することもないので街を散歩しようかなって」


腰が少し曲がっているがとても元気な方

この人も自分に優しさをくれた人だ


マカナ婆さん「おー、そうかいそうかい。わたしは今から畑の様子を見に行くところさね。」


持っている畑で使う道具を見せる


シナ「マカナおばあさんのお野菜はいつも美味しいですからね。ゴルドなんてこの前生で齧ってましたよ」


バリバリとスナック感覚で齧ってるゴルド

若干エキナは引いていた


マカナ婆さん「そうかい!そりゃあ、よかったよぉ...じゃあまたできたら持っていくからね。楽しみにしといてくれよ」


シナ「はい!もちろんです!困ったことがあったら言ってください!」


軽く手を振って畑の方に歩いて行った

少しその背中を見送って、シナも歩き出す


シナ(いい街だなぁ...)


その後もいろんな人に話しかけられて

いろんな手伝いをして、事件を解決して

気づけば5時を回っていた


シナ「うん...いい街だな...」


両手いっぱいにお裾分けの品や手伝いのお礼で

もらったものを抱えながら歩く


シナ「野菜に...パンに...花に...果物...しばらくは色々困らなさそう...」


ほとんど前が見えない中でなんとか歩く

だが途中で躓き転びかける


シナ「あっ!」


ゴルド「おぉっと!危なかったなぁ!」


背後からゴルドの腕がサッと伸び

倒れかけたシナを掴む


エキナ「おぉっとぉ!こっちもセーフ!」


袋から転げ落ちた果物を

地面に落ちる寸前に掴み走り抜ける


シナ「2人とも!ありがとう!依頼は無事に終わったのか?」


エキナが袋に果物を戻す


エキナ「うん!無事に終わったよ!そっちも大変だったみたいだねぇ〜」


ゴルド「こっちも円満解決よォ!」


ササっとシナの荷物を半分受け取る

エキナはゴルドの持った荷物の半分を受け取る


シナ「あ、ありがとう。」


2人が揃って二コーっと笑う


ゴルド「じゃあ帰るぞ!」


エキナ「おー!」


シナ「おー!」


仲良く3人は並んで支部に帰っていく

その背中は満足感、疲労感、そして喜びに満ちていた

夕日が差す街中に影がまっすぐ伸びていた


帰ったあとは少し団欒をしてみんなでご飯を作った

もらった野菜を使ってお野菜たっぷりカレーを

お腹いっぱい食べて、笑って、楽しんだ


シナは美味しさに感動してがっついて

つまっても平気なようにエキナは水を差し出して

それ見てゴルドは笑ってた


いつも通りの毎日同じの日常風景


シナ「....この部屋もだいぶ変わったなぁ...」


挨拶をしてから自室に戻る

花瓶に花を生けながら

初めてきた頃を思い出す


シナ「家具しかなかった部屋だったけど...今は俺の物も増えてきて...住んでるって、一部なんだなって」


花瓶はもちろん。自分の服

絵、本、ちょっとしたお菓子


シナ「明日は何をしようかな....おやすみっ」


ベットに入り布団を被る。

今日の満足感と明日への期待を込めて

目を瞑る


.........


部屋が燃えていた。

人々の喧騒が聞こえる


シナ「ハッ?!!何が?!」


急いでベットから起き上がる

部屋は灼熱のように燃え上がる

マグマのように床は熱くなっている

でもそんなこと気にしてる場合じゃない


シナ「火事?!放火?!何が!」


窓から外を見る

支部だけじゃなかった、街全体が炎に包まれている

あの時のゴブリンに似た個体

少し変わった個体

明らかに強そうな個体

入り混じった群れが街中を闊歩している


シナ「襲撃!?魔物の!?」


ほとんど寝巻き姿で部屋から飛び出る

エキナやゴルドの名前を呼ぶも返事はない

部屋にはすでにいなかった


シナ「2人はもう出てるのか?なら話は早いよな!俺も!」


最低限の装備として剣を握り支部の外に出る

窓から見たより外はもっと地獄だった

悲鳴、鳴き声、叫び声が至る所から響く

崩れた民家、ボロボロの屋台や道路


シナ「なんだよ!なんだよこれ!!」


崩れた民家に潰された人

火事に巻き込まれ丸焦げの人

血まみれで道に投げ出される人々


シナ「大丈夫ですか!!!!」


倒れてる人々に駆け寄り声をかけ揺さぶる


シナ「ッ!」


だが返事もなければ息もなかった

転がっているのは全て死体だった


シナ「くそっ...後でちゃんと埋葬はします。すみません!」


助けられない人はもう仕方ない

2人を、そしてまだ助けられる人を探す


シナ「2人なら必ず、どこかで戦っているはず!」


走り出すシナの進行方向を邪魔するように

民家が倒壊する。

ほぼ同時にゴブリンが2体襲いかかってくる。


シナ「熱っ...邪魔だ!どけ!!」


飛び掛かる一体を切り伏せて

もう一体を燃え盛る炎に殴り飛ばす


シナ「ここは通れないか...仕方ない、回り道を!」


別の道を通り広場に向かって走る

どこもかしこも被害が広がっている

倒れてる死体の数と心臓の鼓動が

比例して増えていく


シナ「くそっ、くそっ!あの子たちは今朝遊んでた子たち!パンをくれたおばさん!犬の散歩を付き合ったお兄さん!」


見知った顔が増えていく

でも見知らぬ顔になっていく


シナ「2人は無事のはず...もう少しで広場だ」


だがその前にシナは立ち止まる

そこにあるはずじゃないものが

あって欲しくなかったものが見えた


シナ「ゴルド...?」


顔は見えない、体のほとんどが瓦礫に潰されて

あの剛腕な手だけが外に出ている

だが何度も見てきた、何度もぶっ飛ばされた

その腕を見間違えるわけがなかった


シナ「嘘だろ...ゴルド...そんな...」


名前を呼んでも動かない

目から流れ落ちるそれも

地面に落ちるその前に

消えてなくなる


シナ「....泣いてたって仕方ない...エキナを探さないと....」


気持ちを切り替え、エキナを探探すため広場に入る

そこはもっと酷かった

先ほどまでの地獄は本当の地獄じゃなかったように


シナ「なんだこれ....」


崩れた噴水、倒れる人々

燃え盛る民家、暴れる魔物たち

床の踏み場がないほどに

赤く染まる広場


「助けてぇ!」「いだいいだいいたいいだい!!」

「あついよぉぉ!!」「おかぁさぁぁぁん!!」


至る所から声が心に響いてくる

でもそんなの感じないほどに強烈なものが

広場の中心にあった、いや居た


シナ「なんだ...あいつ....」


普通のゴブリンよりもでかい

ゴルドよりもさらにでかい

まさに群れの長、いや王

筋骨隆々の肉体に派手な装飾品

額に埋め込まれた赤い宝石が目立つ

棍棒というより丸太を背負っている


シナ「ゴブリン...じゃない.....あっ!エキナ!!!」


そのゴブリンに気を取られていた

ゴブリンの手下のような大蛇が

その体ですでに意識のないエキナを締め上げている

すでに戦ったのだろう。ボロボロで剣も離している


シナ「くそ!エキナを離せ!!」


剣を握り駆け出す

だが一向に距離が縮まらない


シナ「は?!なんでだよ!!走ってんだろうが!」


走っているのに進まない

剣を投げ捨てる、必死に走る

その間も大蛇はエキナを締め続ける


シナ「やめろ!やめろ!!!やめろって!!お願いだから!!!!!!!頼むから!!!!」


ギチギチと締め上げられ

最後には、弾け飛ぶ


........


シナ「やめろ!!!」


ガバッとベットから起き上がる

なんともない自分の部屋のベットの上で


シナ「は....夢....?」


鏡を見ずともわかる、涙で顔がぐしゃぐしゃだ


シナ「はぁ....はぁ...はぁ....なんでこんな夢....それに...妙にリアルで...」


ジッとりとした汗をかいている

窓からは朝日が差し、小鳥が鳴いている

いつも通りの朝

だが、確実に小さく細かなヒビが

入ってきていることを

静かに感じている

読んでくださりありがとうございます。ブクマ、感想、評価をしていただけと大変励みになります。

第8話はどうでしたか?前半ののどかな街の雰囲気から一変した地獄のような後半。少々描写をキツくしすぎたかな?と思うところもありましたが、これからシナが直面していく様々な事件への覚悟の描写だと思い書きました。では、次の創世輪廻譚第9話「夢の終わりと覚悟の日」をどうぞ楽しみにしててください

そして、良いお年を!また来年お会いしましょう

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