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創世輪廻譚(読み切り)  作者: からあげ大佐
もう一度、キミに会うために
13/14

兎耳の、お医者さん

どうも!からあげ大佐です!

創世輪廻譚、第11話になります!

めでたく10話を超えることができとても嬉しいですね!

第一章第一節もそろそろ終わりを迎えそうですね....

では、11話をどうぞ!

ふかふかのベッドで目を覚ます

自分の部屋じゃない、言っちゃ悪いが

部屋のベットはこんなにふかふかじゃない


シナ「.......知らない天井だ」


そう、天井も知らない天井だ

つまりここはどこか別の場所

どこなのかはまだ、わからない


シナ「......俺は確か....ゴブリンキングを...倒して....それで.....」


上半身を起こし、自分の体を見て

そして部屋を見渡しながら、記憶を辿る


シナ「あの剣は....街は.....」


ふと横を見れば、我が物顔であの青い剣が

自分の横に寝かされていた


シナ「......あの時の影は君なのか?」


なんとなく語りかけてみるが

特に返答もなく、動くも素振りもない

ぼーっとした頭も少しずつクリアになる


シナ「ま、そんなわけないk」


ガシャーン!っと扉の方から何かを落とす音がする

びっくりしてそちらを見れば

おそらく看護婦のような格好をした女性がおり

足元にはおそらく落としたのだろう

食事が散らばっている


シナ「あー...大丈夫...ですか?」


看護婦「あ....ロ、ロマリーさん!!エキナさん!みなさん!!」


我に返ったのか大慌てで外に出ていく

1人知らない名前が聞こえたような気もするが

目覚めたシナをみなに知らせに行ったのだろう


そこからしばらくは人が来ては

散らばったものを片付けてのてんやわんや

何度か立ちあがろうとしたが全員から止められた

落ち着いて人が集まったのは15分後だった


エキナ「シナが起きてよがったぁぁぁぁぁ!」


泣きながらシナの足にしがみつくように

ベッドにもたれかかっている

何人か街の人もいるが大半が軽く引いている


シナ「あぁ、うん。ごめん」


エキナの背中を軽くさする

そしてベッドの横に座っている女性の方を向く

魔女のような帽子を被り、白く柔らかな髪が特徴

華奢な体で、見たところ身長はそこまで高くない


シナ「それで、えっと...どちら様で?」


エキナ「あぁ、ずび、えっどね。第一部隊で団長が秘書の支援団員のロマリーさん...ぁれ?」


混乱してぐっちゃぐちゃになっている

それを聞いて軽くふふっと

可愛らしい笑顔を見せたロマリーと呼ばれた女性


ロマリー「すまないね、私から自己紹介をするよ」


シナの方に向き直り、帽子を脱ぐ

頭にはウサギのような耳が生えていた


ロマリー「私の名は、ロマリー。今は混乱するだろうから端的にいえば、騎士団本部のお医者さんだ」


丁寧にだがしっかりと名を語る

優しくも力強い声に不思議と魅了されてしまう


シナ「あ、あぁどうも...お医者さん...さっき団長のどうこうって....エキナが」


ロマリー「あぁそれはだね。私が団長秘書という役職にもついているから混ざってしまったのだろう」


団長秘書、つまりは本部のお偉いさん

と捉えても問題はないだろう。

ということは...超上司に当たると言うこと


シナ「そ、そんな人がわざわざ...俺のために??いやまさか、、何か他に用事が?」


ロマリー「色々気になることはあるだろう。でもその前に謝らせて欲しい、君のその最初の疑問の答えにもなると思う」


深々と頭を下げる

その行動にシナは驚きを隠せない


ロマリー「大変申し訳ない。君たちが送った文書、そしてその後送られた魔物襲撃後の支援要請...ニアn..じゃなくて団長が...その、めんどくさがって見ていなかったんだ...」


シナ(ニアン....?)


ロマリー「だから、返事が遅れたこととそして支援が遅れたことを謝罪し、そして支援するために私が来た。団長に対する罰はすでに済ませているから安心して欲しい。休みなしで働かせている」


さらに深々と頭を下げる

慌ててシナは止める


シナ「いえいえ!全然!こうして無事に生きて...」


いや、自分は生きているが

街がどうなっているかはわからない

軽はずみに言ってしまうことは良くないかもしれない


マカナ婆さん「大丈夫だよぉ〜。みーんなが頑張ってくれたおかげで誰も死んじゃいないさね。」


部屋に来ていてくれたマカナ婆さんが口を開く

口を閉じたシナの心情を察してくれたのだろう


マカナ婆さん「建物も壊れてないからね。騎士団の皆さんが直してくれたし、ちゃんと完全勝利!だよ〜」


シナ「よかった...なら尚更ロマリーさんも頭を上げてください。僕も無事こうして目を覚ましたわけですし...」


ロマリーが顔を上げる


ロマリー「その無事目覚めたと言うところ。まだ無事かどうかはわからないのだよ」


今日は何度驚くのだろうか

実際こうして五体満足で目覚めている

特に体に不調は感じない。では何が


ロマリー「君は約1ヶ月間眠っていた。私もこの街に来てすでに3週間が経過している、そして君は今目覚めた。普通じゃない」


1ヶ月、1ヶ月?!嘘じゃん

あれからもう1ヶ月経っているのだ

体感は1日眠っただけ、そうとしか感じられない


シナ「1ヶ月も...寝ていた....」


エキナ「ほんどにじんぱいしたんだからね!」


まだエキナは泣いている

流石に涙は枯れてきているが

鼻水やらなんやらでぐちゃぐちゃだ


シナ「ありがとう、エキナ。」


ロマリーはまた帽子を深く被る

少し安堵の表情に見えた


ロマリー「さてと、真面目な話に移りたいところだが....そろそろ皆が我慢できなさそうなのでね。私は一度退出させてもらうよ」


椅子から立ち上がり扉に向かう

それと入れ替わるようにみんなが一斉に口を開く


「大丈夫だったか?!」「ありがとう!」

「お腹空いてない??」「どこか痛むところはないか?平気か?!」


と同時に心配や感謝の言葉を述べる

熱烈な声に驚きつつも一人一人としっかり会話する

起きたのがすでに昼過ぎだったようで

そのまま1日が終わっていった


次の日の朝

ロマリーがシナの部屋に赴き

2人で真面目な話をし始めた


ロマリー「やぁおはよう。その後の体調はどうだい?」


開いている扉をノックして

自分がいるよと教える


シナ「あ、ロマリーさん。おはようございます」


読んでいた本を閉じてロマリーを方を向く

今日は昨日と違い帽子や魔女のような格好ではなく

医者っぽい白衣を身に纏っている


ロマリー「それはよかった、1ヶ月の眠りから覚めた場合痩せ細ったりするものだが....つくづく謎だね」


呆れながらも笑い

そのままベッド横の椅子に座る


ロマリー「では昨日言った通り、真面目な話をさせてもらう。構わないね?」


真面目、という空気感に変わる


シナ「はい、問題ないです」


本を横に置いて真面目に話す準備をする

何が自分に起こっているのか

何が起こっているのか

そしてこの後何をするべきか

議題はたくさんある


ロマリー「ではまず...最初から自分語りみたいになってしまって申し訳ないが、私のスキルはヒール。傷や病を治すことができる」


花瓶にいけられて枯れかけている

ローズマリーに手を伸ばす

手から暖かい光が差すと花は元気を取り戻す


ロマリー「そして私はここについてからまず、君にスキルを使った。脳やそれに準ずる物の問題なのであれば変わりなく治すことができる...だが君は起きなかった。色々調べたが原因がわからない」


綺麗に咲いた花を見て軽く微笑む

部屋に花の香りが立ち込める


シナ「....つまり怪我や傷なんかで眠っていたわけじゃない....と....魔法の類とか...」


シナなりに今までの情報を整理して

考察を始めていく

だがロマリーは首を振る


ロマリー「いや、知っているだろうが魔法は五代属性とそれらを組み合わせた固有属性しか存在しない。」


手のひらを開き上に向ける

手のひらサイズの魔法陣が展開され

水玉が生成される


ロマリー「私自身も水を生み出す程度の魔法は使える。だが五代属性でも固有属性でも眠らせる類のものは存在し得ない。」


水玉を先ほどの花瓶に入れる

流石のロマリーも何も思いつかないようで

気まずそうに視線を泳がせる

癖なのか指遊びをしている


ロマリー「そのー、なんだ...怪我無しの怪我人に言うのも変な話だが何か心当たりはないか?状況の再確認でも構わない」


言われて頭を整理する

もっと細かく細部まで、ありうる可能性を交錯する

そこで一つの答えに辿り着く


シナ「もしかして....これ....」


昨日から変わらず横たわるあの青い剣

それを持ち上げ、ロマリーに見せる

それを見たロマリーはハッとした表情を見せる

やはり何かを知っているのかもしれない


ロマリー「それは....」


ロマリーが剣に手を伸ばす

が、その手は阻まれた

青い電撃がバチっとロマリーの手に走る

一瞬顔を顰めるがそこまで痛くはないのかすぐ戻る


シナ「うわっ、大丈夫ですか?!」


ロマリー「問題ない...それよりもそれをどこで?」


剣を引っ込める


シナ「えっと...森で目覚めた時に持ってて、気づいたら消えてて....それでゴブリンキングと戦ってる時に空から降ってきた....みたいな....自分でも言っててよくわかんないんですけど....」


ロマリーは腕を組み考え込む

しばらくして顔を上げる


ロマリー「なるほど....もしかしてだが、遺力解放!とか謎の人影を見たとかは....」


シナ「!」


すべて一致している

そうだ、あの光はなんだったのかわかっていない

ついくちが動いたあの言葉も


ロマリー「ふふ、あたりのようだ...その剣の正体がわかった。その剣は古代人器"アーティファクト"の一種だ」


知らない単語が紡がれた

青とピンクのオッドアイがまっすぐこちらを見つめている


シナ「その、アーティファクトっていうのは、何なんですか?さすがに僕もただの剣だとは思っていませんでしたが...」


アーティファクトと言われた剣を握り

鞘から少し引き抜く

美しい刀身に困惑の表情が写る


ロマリー「ずばり、わからない。ほとんど不明だ」


シナ「え、?」


思っていた回答と違い

少し拍子抜けをする

困り顔をする彼女


ロマリー「わかっていることだけ話そう。アーティファクトとはこの世界に14種類しか存在しない」


1と4を指で立て、14本を表現する


ロマリー「そして、意思を持っているのか持ち主を選ぶ。君も選ばれたということだ」


シナは思い出す、頭に響いた

(見つけた)という声を


ロマリー「持ち主は遺力解放という....必殺技のようなものが使えるようになる」


無意識に発した

(遺力解放)という言葉を


ロマリー「全身に光が満ち、万能感...まぁ強くなる。あと固有の効果のようなものがあるという報告もあったな....」


包まれた、青い光に

すべて合致する。


シナ「すごいな、ここまで合ってるとは...アーティファクト、か」


ロマリー「うむ、私も持ち主を見るのは4人目だ」


シナ(意外といるな...)


刀身にはもう困惑は写っていなかった

覚悟、納得、いや少し違うかもしれない

だが前とは変わっていた


シナ「ありがとう、ロマリーさん。それを聞いて安心した」


ロマリーの方を向いてお礼を言う

自信に満ちた瞳を見てロマリーも安堵の声を漏らす


ロマリー「いや、私は何もしてないさ。だがためになったのならよかった、1ヶ月寝ていたのも何か悪い理由でもなさそうだしな」


椅子から立ち上がる


ロマリー「私は明日本部に戻る。エキナには伝言を伝えてある、動けるようになったら話を聞いておいてくれ。本部に来てもらうことになるからな」


シナ「え、本部?」


ロマリー「それじゃ。」


シナ「あ、ちょっと」


質問をする間もなく、ロマリーは部屋から出て行った

急に静かになった部屋の中に

あのローズマリーの匂いがかすかに残っていた



2日後


シナ「いよっし、完全復活だ。」


服を着替えて、剣に紐を通し背負う

言われた通りエキナに話を聞きに行かなくては


シナ「つってもどこにいるのかな...」


どうやら自分が寝ていたところは

診療所のようで、支部とは少し離れていた


シナ「支部まで歩くか....」


支部に向かって歩き出す

街はすっかり元通りで活気があり

そして和気藹々としていて微笑ましかった

何人かは無事、復活したシナのことを

喜び、安堵して話しかけてくれた

守ってよかったと本気で思えた


シナ「よし、支部についた」


1ヶ月と3日ぶりの支部の扉

扉を開き、中を通って階段を登る

すると


エキナ「今日のご飯はパスタ!!ミートソースが食べたい!」


ゴルド「いぃや!ハンバーグだ!肉を食う!!」


エキナ「ゴルドいっつも肉ばっかじゃん!!」


ゴルド「何が悪りぃ!肉食え肉!強くなるぞ!」


と2人が喧嘩する声がする


シナ「ハンバーグ乗せたミートソースパスタにしたらどうだ?」


思わずいつも通り会話に混ざってしまう


エキナ「それいいね!!流石シナ!」


ゴルド「ぁー、それなら文句はねぇな」


2人も軽く返事をして口論は終わったようだ

シナも剣を下ろして椅子に座る

その2秒後、2人が勢いよくシナの方を見る


2人「シナ!!!」


エキナ「帰ってきた!!!もう大丈夫なの?!」


ゴルド「急じゃねぇか!聞いたぞ、キングを倒したんだってな!!!!」


驚きと喜びが混ざった顔

あぁ、いつもの2人だと安心する

つい顔がニヤける


シナ「へへ、ただいま。2人とも」


話したいことがたくさんある

聞きたいこともたくさんある

でもそれを一度飲み込んで


エキナ「おかえり!」

ゴルド「おかえり」

読んでくださりありがとうございます。感想、ブクマ、評価などをしていただくととても励みになります。

第11話はどうでしたか?新キャラのロマリーに加えてアーティファクトという名前も明かされて、いよいよ物語の歯車が動き始めそうですね!

では次回!創世輪廻譚第12話!「始めてのいってきます」

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