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幼馴染side 好きな人、懐かしい記憶

 私はいつも、みんなから嫌われていた。


「あんたさ、生意気なのよ。根暗女のくせに」

「ホントだよねー、いつもオドオド弱い子ぶって男子に守ってもらってばっか、ホントムカつく」

「ねぇ?なんとか言ったら? ねぇ、こっち向けよ」


「っ……」


 クラスの女の子達からはいつも悪口を言われて、酷い時には暴力を振るわれた。


 私はいじめられていた。


 男の子がたまに助けてくれる時があるけれど、その度にクラスの女の子達のイジメは酷くなっていった。


 私のクラスは女子の方が強かったから、次第に男の子達も私へのいじめに加担するようになった。


 先生に頼ったこともあったけれど、結果は同じ。いじめがさらに酷くなっただけだった。


 クラス中が、私を嫌っていた。


「ねぇ、何その顔? まるで私たちが悪者みたいじゃない」


「お、お願いだからやめてください」


「はぁ? やめてくださいって何を? 私たちは別にあんたには何もしてないわよ? そうよね?」

「そうそう、私もそう思う! みんなもそうだよね?」


 クラスのリーダー女子の取り巻きの子が教室を見渡しながらそう言うと、みんなその子に賛同した。


「ね? みんなもそう思うって! だから、ここであんたに何したって、問題ないよね?」


「ぁぁ……」


 私はもう、声を出すことすら出来なくなっていた。


 クラスには、私の味方は誰もいない。誰も助けてなんてくれない。


「おい!お前ら!! 愛花から離れろ!!」


 その時、教室の外からそんな叫び声が聞こえて来た。


「ちっ、またあんた!? 他のクラスのくせに勝手に入ってこないでよ!」


 その声の主は、教室に入ってくるなりすぐにリーダーの女子の方に向かっていく。


「うるさい! さっさと愛花から離れろ、ボスゴリラ女!!」


「っ……なんですって!?」


 クラスのリーダー女子に対して凄い暴言を吐いた男の子。


 私のたった一人の味方でいてくれる人、幼馴染の佐伯 天成くん。


 違うクラスだろうと、一人で私を助けに来てくれる……ヒーローみたいな男の子。


「お前また愛花をいじめてたな? それも大勢で囲んで、この卑怯者!!」


「はぁ!? いじめてなんてないわよ。私たちはただ一鈴さんと仲良くしたいだけなの。ねぇ? みんな?」

 

 クラスメイト達がみんな頷く。


「ねぇ、私たちがいじめてた証拠なんてどこにもない。分かったらさっさと消えなさいよ」


 それを見て、聞いて、彼は一度大きく息を吸った。


 ゴッ!


 次の瞬間、その女の子の体が後ろに吹っ飛ぶ。


「黙れよ、クズ女! 証拠なんて必要ない、愛花の顔見りゃあ、お前らがどんだけ愛花を傷つけたかなんて、簡単に分かるんだよ!!」


「あんた何してんのよ! 綾ちゃん大丈夫!?」


 倒れたリーダー女子、羽川 綾香を取り巻きの子がそう叫んで、羽川さんに駆け寄る。


 男の子が女の子を思いっきり殴るという衝撃的な光景を目の当たりにして、クラス中の誰もが黙り込み、教室は静まり帰った。


「次、また愛花をいじめてみろ! 女の子だって容赦しねぇぞ、今度はギッタギタのボッコボコにしてやるからな!!」


 殴り飛ばされた羽川さんは、いつもの強気の様子からは想像もつかないほどに泣きじゃくっていた。


 その周りを、数人の女子が囲んでいる。


 その姿は、いつも教室を支配していたグループとは思えないほど、弱々しく、クラス中の生徒が、教室に蔓延っていた嫌な空気が晴れていくのを感じていた。


「あ、ありがとう……天成くん」


「ん、どういたしまして。また、いじめられたらすぐに俺に言えよ? 俺は絶対、愛花の味方だから」


 さっきまでの厳しい表情を崩し、笑顔でそう言う天成。


 ……私はその笑顔に、一体何度救われたことだろう。


 私が天成くんを好きになることなんて、とっても当たり前のことだったんだって、この時、私は思った。


 ◇◇◇◇


「ん……」


 眩しい朝日を浴びながら、目を覚ます。


「……懐かしい夢だったな」


 体を起こし、カーテンを開けて、隣の家を見る。


「……天成」


 朝に弱い天成のことだから、きっとまだ眠っていることだろう。


 彼は昔からそうだ、朝起きるのが苦手で、私がいつも迎えに行って、一緒に登校していた。


 学校に着くまでの二人だけの時間が、とても好きだった。


 いつの間にか、そんな時間は訪れなくなってしまったけれど……。


「私、何でこんなことしてるのかな……」


 ふと、こぼれてしまった一言。


 きっと、さっき見た夢のせいだ。


「あの頃の私だったら、どうしていたのかな?」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] フッタつもりは無かった系かと思いきや、昔?の意趣返しのつもりで意図的にフッてるとはね。幼馴染ちゃんもくだらん事してるね。主人公も只管一途だったのに、環境の変化のせいか陽キャ見習みたいな…
[気になる点] 天成くんは、酷い一言で振られてしまったから、悲しみも苦しみも感じなくなってしまったんですよね。天成くんの初恋が終わってしまった事に愛花が気がついたら悲恋の始まりですね。愛花はただ反省さ…
[良い点] 更新ありがとうございます 幼馴染視点が定期的に入るとわかりやすくていいですね
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