土佐國
土佐国
土佐国の風俗成程真にして、気質素直なる国風也。
(土佐国の風俗はなるほど真っすぐで、素直な国風である)
是都而士町人百姓至るまで如此なり。
(全ての武士・町人・百姓に至るまでこのようである)
別而、土佐・長岡・吾川郡如斯なり。
(特に中央部分がそうである)
さればその気質は鳥獣にも備る物乎。
(さようであるからその気質は鳥獣にも備わっている)
猿も是国の猿は別て仕付よきなり。
(猿もこの国の猿はとても躾が良い)
されども遠国にして其言舌卑きなり。
(しかし、遠国だから言葉が卑しい)
心底如形直なり。
(心の底から真っ直ぐなのだろう)
・超意訳
土佐の人は皆が皆、もう真っすぐで素直だ。
特に中央部の人がそうだね。
鳥獣なんかも真っ直ぐで、猿なんか特に躾が良い。
でも遠国だから言葉が汚いね。
本当の本当に真っ直ぐなのだろう。
・私評
真っ直ぐも真っ直ぐだと、一見褒めている。
だがしかし、何か含んでいるように見えるのは気のせいだろうか?
『躾の良い猿』と『言葉が汚い』あたりが何とも…
土佐の人を猿に例えているように感じるのは、勘ぐり過ぎだろうか?
なお『讃岐男に阿波女、伊予の学者に』この続きは『土佐の高知は鬼侍』となる。
・一言要約
真っ直ぐ




