伊豫國
・伊予国
伊予国の風俗大形半分半分に分れ、東部七八郡は気質柔にして、実儀強き形儀なり。
(伊予国の風俗は大方半分半分に分れ、東側の7~8郡は気質穏やかで、誠実さに溢れている)
夫より西は都て気強く、実は少なく見ゆる也。
(それよりも西側は全体的に気が強く、誠実さが少ないようにみえる)
古より是国には海賊満々而、往来の船を悩ますの由聞及ぶに不違。
(古来、この国には海賊がはびこっており、往来する船を悩ませていると聞き及んでいたが間違いではない)
今も猶徒党を立て、一身の立る族多し。
(今もなお、徒党を組み、身を立てている族が多い)
誠に、関東の強盗、是国の海賊、同じ業にして、武士の風俗一段手強しといえども、武士道の吟味無の故、危き事のみ多き風俗なり。
(誠に、関東の強盗とこの国の海賊は、同じ生業で、武士の風俗として一段と手強いといえども、武士道の吟味も無いから、危なっかしい事のみが多い風俗である。)
末代も人の気質に替りは有るまじき者也。
(この国の人の気質が替わる事は末代に渡るまであり得ないだろう)
・超意訳
この国の風俗は半分々々に分れる。
東側の7~8郡は穏やかで誠実、それよりも西側は気が強く誠実さも少なくみえる。
この国は昔から海賊が横行して、道中の船を悩ませていると聞いてたが間違いないね。
今でも海賊働きする連中が多い。
関東の強盗とこの国の海賊は似たような連中で、強いんだけど武士道ってものを弁えて無いから危なっかしいったらない。
この国はいつまで経っても変わらんだろうな。
・私評
讃岐国でも解説したが『讃岐男に、阿波女』この続きは『伊予の学者』である。
人国記を読む限り、学者っぽいのは伊予の東側なのだろう。
・一言要約
海賊連中




