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人国記を読む  作者: 三河
山陽道8ヶ国
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ココが辛いよ人国記⑥・差掛かるって何掛かってるの?

・差掛かる

長門国:長門国の風俗毎物萬事差掛りたる事無之なり。


【差掛かる】は現代でも使う言葉ではある。

差し掛かる:ある通過点に辿り着くさま、そこに至るさま

用例:峠に差し掛かる。齢四十に差し掛かる。


ではそのままの意味で訳すと

「長門国の風俗は万事万物においてそこにたどり着くことが無い。」

…意味が分からない、そこってどこよ?万事万物に辿り着くって何よ?


どうも現代とは若干異なる意味合いで使われていたようだ。


まず言葉を分けよう【差し】と【掛かる】である。


まずは、【差し】

動詞にかかる場合の【差し】は、動詞を強調するために使われる。

差し戻す、差し替えるなどである。

つまりここの【差し】は【掛かる】を強調しているわけだ。


次に【掛かる】

何かに垂れ下がる、ぶら下がる、引っ掛かる、寄りかかる、覆い被さる、などと言った意味らしい。

「万事万物において引っ掛かることが無い」、「万事万物において寄り掛かることが無い」

う〜ん…


こういう時は前後の文から読み解くのが定石

「されば人の音聲も下音にして、上拍子なることなくして、人吾を頼むといえども、軽く請けること少なく、思慮をして後に是を答」

「安請け負いはせずよく考えた後で答える」というのがわかる。


それらを踏まえて差し掛かる…差し掛かる…差し掛かるなぁ

差し掛かる…ようは一時的であって恒久的では無いって事なんだろうか?

差し掛かることが無いってのはつまり、その場凌ぎや安易では無く、本気・真剣って事なのか?……な?


一応意味は繋がるが自信は今一つだ

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