美作國
・美作国
美作国の風俗は百人が九十人は万事の作法卑劣にして欲心深く
(美作国の風俗は百人中九十人は何をしてもさせても卑劣で欲深い)
譬えば借物をして、夫を返納せずして手柄のように覚る風儀にして、片意地強く、我は人に勝らんことを思い
(例えば物を借りても、それを返さず自分の物のように扱い、頑固で人より優れていようと思っている)
過ちありても夫に教訓を加る人あれば、却而夫を邪智を以て過ち無きが如くに云いなし、似たることなれば我過ちを人の過のように仕なして、我が意地を可立とすること上下皆風俗なり。
(過ちをした時それを諭してくれる人が居ても、それを悪知恵で、さも過ちなど無いかのように言い出し、似たような事案が有れば自分の過ちを人の過ちのようにして、上下皆とも自分の意地を立てようとする風俗である)
然ども侍十人の内三人四人は心得如形の人もあり。
(しかしながら、侍十人の内三~四人はまともな人も居る)
奥意には変し安き所あるなれば、頼もしからざる所ありといえども、石州には勝れり。
(心の奥底に変わりやすいところがあるから、頼もしからざる所もあると言っても、石見には勝っている)
・超意訳
美作の人は卑怯で欲深い。
物を借りたら借りっぱなしで、優越心が強く、間違いを指摘しても間違いでは無いと誤魔化すか、人のせいにして我を通そうとする。
それでも侍十人中三~四人はまともだ。
性根の所が緩いから今一つ頼りないが、石見よりマシだろう。
・私評
ここでも石見か…嫌われているなぁ
・一言要約
借りたものを返さない




