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人国記を読む  作者: 三河
畿内5ヶ国
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畿内

畿内は山城・大和・河内・和泉・摂津の計5ヶ国を指す呼称

今の首都圏に近い意味合いを持つ

本項目は【摂津国】に記載されていたが、畿内を指す内容であったため、これを別とする

・畿内

右五畿内の風俗都而智恵走りて、実を失う人多し。

(畿内の風俗は全体的に智恵走り、誠意に欠ける人が多い)


人はただ実を本として身を定めるを以て人とす。

(人は誠実であることを前提としているから人でいられる)


実寡く虚多きは人倫の悪む処の第一也。

(誠意が少なく、偽りが多いのは人の道理に背く第一である)


実寡くして虚多く智有る者は疑心多くして、一和すること無き也。

(誠意が少なく、偽り多く、智恵が有る者は、疑心が多くて一丸にはなれない)


己を全うして、人を不可疑也。

(自らの成し得る事を成し、人を疑ってはならない)


人我を疑うは我に実不足乎。

(他人が我を疑うのは、我に誠意が足りていないからである)


我に実ありといえども、来人虚の邪智かと可知也。

(我に誠意が有ると言っても、来る人が邪な考えを持っている事があると知ることが出来る)


人人を疑う風俗の国なる故に、人をして人を疑わせて時至らば、不招とも可来。

(人が人を疑う風俗の国だから、人を使って人を疑わせれば、招かずとも来るであろう)


此時出陣せは、一陣に向て滅せん事手中にあり。

(この時に出陣すれば、一戦にて殲滅することができる)


猶口伝。

(なお、詳しくは口伝による)


・超意訳

畿内の人は基本的に智恵走って誠意に欠けている。

人間で一番大事なのは誠意だよ。

それが少ないのは人としてどうかと思う。

誠意が少なく嘘ばかり付いて、智恵が回ると人を疑ってばかりになってまとまりに欠ける。

自分の出来ることに全力を尽くし、人を疑ってはいけない。

他人が自分を疑うのは、自分に誠意が足らないからだ。

自分に誠意が有っても、他人の悪意に気づくことは出来る。

畿内は人が人を疑う気質だから、相手を疑心暗鬼にさせれば、向うからこちらにやってくるだろう。

その時に戦えば、あっという間に倒すことが出来る。


・私評

これは中々重要な事柄ではあるまいか?

作者自身の好き嫌いで評価を下していたようにも見えたが、中々深い考察をするではないか

・一言要約

誠意って大事だよ

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