195話 三好実休
【河内国/田原城 三好家】
「ようこそ田原城へ。三好は織田殿を歓迎致しますぞ」
田原城の広間にて三好軍総大将の三好実休が、にこやかに迎えてくれる。
危機の為の援軍への挨拶とは思え無い優雅さだ。
田原城の広間では上座に三好実休、左右に三好家臣団が甲冑姿で並んでいる。
そんな中、織田信長、細川晴元のみが中央で対面している。
《ほう? 前々世では直接会う事も無く、この歴史では、顔を合わせた程度で直接相対するのは初めてだが……中々どうして、コレは驚いた。長慶が眩し過ぎて実休は霞んでおった、と言うより自重し控えておったか。長慶が居らねば、こうして正体が良く見える。長慶が真意を伝えるに足る傑物だ》
《そうみたいですね。この方は長慶さんの為に、徹底的に裏方を選んだ生き方をしているんでしょうね。『太陽と月』……いえ『向日葵と月見草』の様な関係性ですかね》
ファラージャも即座に理解する実休の実力。
兄が華々しく活躍する裏で、徹底的に兄を立てて来たと理解出来るその実力。
長慶が太陽なら、実休は月、長慶が向日葵なら、実休は月見草。
ファラージャが長慶と実休の関係を、天体と、神話時代のプロ野球選手の関係性に例えた。
月にしろ、月見草にしろ、注目すれば存在感のある物だが、意識を逸らせば急に存在感が消え失せる。
故にある意味、一番手ごわい相手になる可能性を秘めた相手だ。
《あぁ。理想の側近、副将。それがこ奴の本性か。だが今は長慶不在で総大将故に遠慮が無い。言葉とは裏腹にな。フフフ。小癪な真似を。……所で『太陽と月』の例えは理解出来るが、『ヒマワリとツキミソウ』とは何じゃ?》
《……えっ?》
向日葵と月見草は江戸時代に日本に渡って来た植物である。
当然ながら、信長没後の輸入品である。
上手い事を言おうとして失敗したファラージャであるが、やはり、戦国時代と江戸時代など、ファラージャの時代から見たら一括り同然でもあるが、名前から日本原産と勘違いしたのも原因だった。
《フッ。もう慣れたから良いが、お主はよう口を滑らすのう》
《す、スミマ……え? 慣れた? そんなに滑らせてます!?》
《あぁ。良かったな? 今の所、バタフライエフェクトには発展してないと思うぞ?》
ファラージャのウッカリのお陰で、信長が『バタフライエフェクト』との言葉を知るバタフライエフェクトが起きてしまっているが、辛うじて、歴史に影響は起こしていない。
ギリギリセーフと言った所か。
《おぉぉ……ッ!? てっきり昔から日本にある物だと思ってましたッ……!》
《まぁ1億年も経過すれば、正確な記述は消失しておるのじゃろう》
信長は紙や木片、竹簡などの情報保存物を思い浮かべながら言った。
永久保存可能なデジタル保存など夢にも思わない信長なので、こう思うのも仕方ない話。
だが、これはファラージャの勘違いと言うより、1億年に至るまでに何度も世界が壊滅的な状況になり、データや記録が失われたのが原因だ。
豊臣秀吉と秀長の関係性と口を滑らさなかっただけ、上出来だろう。
《まぁ良い。それよりも月やツキミソウとやらに例えられる奴だ》
《そ、ソウデスネ……。ゴホン! もし長慶さんが居なければ、十分三好家を引っ張って行く力は有りそうですね》
《あぁ。前々世では長慶より先に死んでしまったが、さぞかし頼りがいのある弟だったのだろうな。こ奴が死ねば、長慶が精神に異常を起こすのも納得の存在感よ》
信長とファラージャは三好実休をその様に推察した。
実際、その通りで、長慶の様な覇者の佇まいこそ感じないが、そこらの大名など相手にならない圧力を実休は放っている。
信長の来訪を歓迎しているのは本心だが、それとは別に、三好実休を理解してもらう、言葉では語らぬ見て感じる挨拶であった。
まさに月であり月見草だ。
「《さて挨拶は受け取った。では、こちらも反撃と行くかな!》救援の依頼を受け馳せ参じました。織田弾正忠にございます」
「ッ!!」
三好長慶の覇業を支える家臣が皆一様に驚いた。
信長と会うのはこれで、2回目、3回目の人間もいるのに、やはり驚いてしまう。
主君長慶と同等の圧力と覇気を発する、この尾張の成り上がりの底知れぬ力に、思わず恐怖を抱いてしまう。
(こ奴! 先の意趣返しか! 流石は兄上の面接を2度も突破した者よ)
1度目は、斎藤義龍と共に上洛した時。(91-3話参照)
2度目は、斎藤家を継いだ帰蝶が面談を終えた後、帰蝶の口から信長のやり方を長慶に伝えた後。(167-4話参照)
(これ位は当然の芸当か!)
実休は兄と同等の力を相変わらず発する信長に、頼もしさと同時に、懐に呼び込んでしまった事を少し後悔した。
しかし後悔の理由は、決して恐怖では無い。
一瞬ではあるが『こ奴なら何とかしてくれる』と思ってしまった事を恥じたのだ。
救援依頼はしたが、あくまで主役は三好なのだ。
ここで織田に頼りっぱなしでは主導権を失う。
そんな事はあってはならないのだ。
「さて、織田殿には紀伊半島を回って来て貰った訳じゃが、何か収穫が御有りか?」
「あります。と言っても、まさに紀伊を今攻略中なのですが、全てを制圧する前に、もう異変だらけでございます」
「ほう? 異変だらけと申すか」
「はい。その為に拙者だけが先行して参った次第。豊前守殿(実休)には、これからする報告に相違点があれば、その都度、指摘をして頂きたい」
「話の途中で割り込んででも指摘せよとは……承知した。では申し訳ないが、ここに至るまでの情報をお話しして頂こう」
ここ田原城は三好家の大和攻略最前線の城。
大和国の勢力を、特に興福寺を蠱毒壺に放り込むべく、最初は松永久秀が、次に三好実休が派遣されたが、どうも戦況が芳しくない。
当初は松永久秀率いる軍も調子は良かったが、徐々に反撃に抗しきれず田原城まで押し返された。
その劣勢を覆すべく三好実休が派遣されるも、久秀と同じ様に調子良く攻略し、反転攻勢を受けて田原城に押し戻された。
その後は膠着状態が続き、信長に援軍要請が来た。
三好側の動きとしては大体、こんな所である。
三好の戦いを総括すると『勝てそうで勝てない』が適切な言葉だろうか。
ただ、何故押し戻されているのかが分からない。
損害も大した事はない。
これは、久秀や実休が危険を察知し、早々に退却したからこそであるが、この2人をして危険を匂わせるだけでも相当の相手である。
また、戦だから勝負は時の運とは言え、三好程の勢力が押し切れないのも解せない。
それも一度や二度では無い。
勝負所を見誤る松永久秀や三好実休でも無い。
多少の判断ミスはあったとて、大勢には響かない。
それが王者三好の戦いだ。
その王者の戦いが、今、揺らいでいる。
正直、実休も久秀も困惑しか無い。
こうなると残す手段は数少ない。
その手段の一つが織田軍だ。
期待以上の結果を出してくれる、この油断ならない男こそが、今この場には必要だ。
「まず、織田軍は、伊勢で軍勢を整え、紀伊国北東から順に沿岸部を攻めておりますが、初っ端から異変が発生しておりました。今頃は紀伊半島沿岸部の殆どは制圧し、そう遠くない近日中に合流するでしょうが、恐らく我が軍は無傷で到着します」
「畠山の拠点を攻撃して、無傷でここまで到着する!? まさか……!?」
「流石は豊前守殿。口を挟むまでも無く、これだけで察しましたか。弾正殿(松永久秀)は如何ですか?」
「畠山は領地をガラ空きにして攻め込んでいる。そう考えれば、あの強さは納得出来ます」
ここで、信長、実休、久秀と3者の目が交錯しアイコンタクトが取られた。
実休と久秀は1を聞いて10を察したのだ。
「分かった。ならば織田軍到着まで体勢を立て直すのが最良の手よな。皆の者聞いての通りだ。織田軍合流まで待機せよ。織田殿、合流まで2、3日と言った所かな?」
「そうですな。この先も何事も無ければ、それ位で到着するでしょう」
「良し。織田軍合流までの2日間で、全てを立て直し兵には休息を取らせ飯をたらふく食わせておけ。重傷者は軍から外し、動ける者だけで軍を再編成させよ。到着に3日掛かったならその分も全て休息に当たらせよ。では行け!」
「はッ!」
方針が決まってやる気が回復したのか、三好の諸将は天下人が率いる武将としての顔付きを取り戻し各々の軍に戻って行った。
残ったのは、信長、実休、久秀と細川晴元のみだ。
「私も退出した方が良さそうですな」
晴元が色々察して、それとなく言った。
「うむ。豊前守殿、この細川右京に別室を用意して頂けまいか?」
「勿論、と言いたいが……織田殿が来るのは承知していたが、まさか右京大夫様が織田殿と一緒にいらっしゃるとは思わなかった。別室は用意させるが、その前に一体何用でここに? 朽木の戦いで行方不明と聞いておりました故に、驚きを隠せませぬ」
実休は信長の訪問は予定通りとして聞いていたが、供として細川晴元が来ると聞いた時は仰天した。
実休は長慶の弟。
ならば、晴元は実休の主君にして、親の仇にして、下克上にて天下から引きずり下ろし蠱毒計に放り込むに値する、三好家にとっての大罪人。
ここで姿を現すのは想定外だった。
「朽木の戦いにて織田殿に敗れ、命を救われました。今は、天下安寧の為に尽くしている最中でございます」
晴元は、かつての陪臣に敬語で返した。
もう実力差は思い知っている。
細川家では三好家の主に相応しく無い事を、骨身に染みて理解している。
だからこその、この低姿勢だ。
「とりあえず、この大和国の戦いを終わらせた後、許されるのであれば修理大夫様(三好長慶)に面会を願い、長年の三好家に対する細川家の振る舞いを謝罪したい所存です」
「ッ!! それは……ソレを求めるならば兄上の下へ案内しないでも無いですが、命の保証は致しかねますぞ?」
「承知の上で御座います」
晴元は断言した。
三好一族の恨みを考えれば、晴元の死体が綺麗なままで済めば良い方だ。
「……!! 父上が謀殺されて兄上が己の心を殺し、12歳で細川家と本願寺の仲裁をした時、某は僅か7歳の頃。更に某の下の3人の弟達は言う迄も無い年齢。その苦労と屈辱は晴らしたハズでしたのにな……ッ!! 織田殿!」
「はい」
実休は、やや顔を歪めて信長を呼んだ。
晴元に対する止めを刺せる機会だが、この表情は、何らかの苦痛を感じているのだろう。
とても恨みを晴らす顔では無かった。
「何故連れて来たので? 今のこの忙しい三好なら処遇がおざなりになるとでもお思いか?」
「まさか。この細川は、天下に必要な人材だったので確保したまで。ただ、織田で保護する以上、三好殿には筋を通さねばなりますまい。仮に失う事になろうともソレは織り込み済み。ソレが原因で、三好と織田の関係が揺らぐ事もありませぬ。これは右京の望みなのです」
「……。良かろう。ただ兄上は尼子対応で忙しい。即座の面会は叶わぬし会える保証も無いが、そこまでの覚悟なら兄上との面会を手配致そう」
《やはり奴は尼子対応か》
《勢力的には、三好と尼子の戦いは、天下分け目の規模になりそうな戦いですものね》
《天下分け目の戦いの裏側で、多方面にも展開出来る。前々世の織田家を思い出すわ》
信長の晩年は、羽柴、明智、柴田、滝川、丹羽、佐久間ら軍団長が、同時に敵対勢力を相手にし、しかも織田家の全戦力を最後に投入したのは武田と戦った長篠の戦いで、基本的には各軍団長が、地方の大名を潰して戦った。
信長包囲網の集団リンチを潜り抜けた織田家は、逆に同時多数の大名相手に単独リンチが出来るまで成長した。
「当面は右京様も大和国対応に手を貸して頂こう」
「分かりました。全力を尽くします」
「誰ぞある! 右京様を別室に案内せよ」
実休の命令に、控えていた小姓が反応し、晴元を別室に案内した。
3人になった所で、数瞬の沈黙が訪れた。
その僅かな時間で、3人は周囲の気配を探り安全を確認した。
確認した上で、実休が口を開いた。
「……さて。兄上の面談を潜り抜けた、この3人でしか話せぬ内容がありますな?」
晴元への対応で出鼻を挫かれたが、本題はここからだ。
「はい。畠山の強さについては、領地防衛を放棄しての全戦力投入だけが理由ではありますまい」
実休が配下を元の配置に戻したのは、3人で内密の話をする為である。
信長の話と視線から、ソレを察したのだ。
その上で、畠山の行動真意を推察する。
「恐らく畠山は、修理殿(長慶)の狙いに気が付いたのだと思います。そうでなければ、領地をガラ空きにしてまで大和国に援護に向かう理由が思い付きませぬ」
長慶の狙い、即ち最終目的は天皇弑逆。
この狙いに気が付いてしまったら、と言うより、この滅茶苦茶な戦略は、気が付いたからこそだ。
まだ沿岸部の全拠点制圧を信長が確認した訳では無いが、これまでの結果からも、紀伊を捨てても価値があると判断していないと説明がつかないのだ。
「やはりか……。我らの動きや蠱毒計から、独力で面談内容に近い推察をしたのだな?」
「腐っても名門畠山家。応仁の乱にも大いに関わり、管領も輩出した家柄。謀略の類は、ただ戦が強いだけの大名より嗅覚が鋭いのでしょう」
実休の推察に、久秀が補足した。
勢力としては弱くても、中央の謀略に関わった勢力は謀略に鋭い。
今は京に押し込められた六角家も同じくで、信長はその鋭さを利用した位だ。
名門には名門の理由がある。
弱体化しても生き残って来た理由がある。
応仁の乱で力を失ったタイミングで新興勢力の台頭を許し、今の地位に居るが、織田家の様なポッと出の大名より、謀略の修羅場を数多潜り抜けて来たのだ。
ならば、三好の戦略が天皇弑逆にあるなど、おのずと見えてくる。
見えてきてしまう。
見たく無くても見えてしまう以上、動か無い訳には行か無い。
あれ程荒れ狂った応仁の乱でも、天皇家の庭たる都で暴れ回っても、決して天皇家は攻撃対象では無い。
天皇は権力の正当性を保証する大事な外交カードなのだ。
天皇は利用するのであって、排除するなど外交下手にも程がある、と言うより、日本は天皇に認められてこその支配者なのだ。
排除してしまったら、正当性が失われるのは当然、歴代2000年分の尊い霊が、一気に怨霊化する恐れもある。
天皇家は神話の時代、大国主より国の永続支配権を譲られた正当な支配者一族。
だから藤原家から現在の将軍家まで、天皇の下の№2の座を争って来たのだ。
それが常識だったのだ。
その常識を疑い、行動を起こした人間も何人かおり、その筆頭が平将門であり、ある程度成功した、或いは常識を疑ったのが平清盛、源頼朝、後醍醐天皇、足利尊氏、足利義満だ。
信長もその一人に数えられるが、別次元の今の歴史では、東で織田家が急成長したお陰で、三好長慶も、その常識を破りに掛かっている。
その思惑を畠山は見抜いたのだ。
何の証拠も無いが、蠱毒計や、これまでの対応を考えれば『天皇弑逆』に気が付いたとしか思えない。
ここで大和国の勢力を京に押し込めたら、流石に天皇家も巻き添えを食らう毒虫の戦いが発生する。
だが、天の配列が畠山に味方したのか、長慶は西で尼子と対峙中。
三好が全兵力を大和国に向けられないなら、畠山でも勝ち目はある。
全ては天皇の為。
また、恐らくこれを逃したら二度と畠山の復権は無い、絶好のチャンスでもある。
大和国の戦力と京の六角を説得して、天皇と謁見出来れば畠山の勝ちだ。
「ここで畠山が天皇家を保護し、混沌の地から救い出したら、一気に畠山に情勢が傾く可能性もありますな」
信長もそう読んだ。
己も散々天皇家を利用して来た身だ。
畠山の思惑など手に取る様に理解出来る。
「腐っても鯛だな。畠山は。ならば阻止するのが我らの役目か」
ここで重要なのは、誰を介するでも無く、畠山高政自ら天皇に謁見し、三好に対する朝敵宣言を引き出す事だ。
六角や他の勢力に頼めば、手柄を譲る事になる。
朝廷の軍を率いるは、即ち天皇の№2の証。
信長達はそれを阻止しなければならないのだ。
「先程、3日目まで休息の可能性を含めた命令を出したが、2日目には織田軍の到着を待たず動く。その上で三好軍は畠山を含めた大和勢力と膠着状態に持ち込む。織田殿は戦力が合流次第、横槍を入れて欲しい」
「いえ、少々お待ちを」
「何か存念が?」
「実は、畠山の最前線である高屋城を攻め落とす命令をしています」
「……ほう」
実休の眉が動いた。
「恐らく地形的にも、畠山は本拠地高屋城すら全ての兵を出陣させているでしょう。毎回居城に帰還し出陣するなど、無駄でしかありませんしな」
「成程。戦略は理解した。しかし……窮鼠猫を噛むとも言う。全ての城を落として退路を断てば、畠山はいよいよ玉砕も戦法に入れるのでは無いか?」
逃げる敵は逃げる道があるから逃げるのだ。
全ての逃げ道を塞いでしまったら、戦うしか無い。
そう悟った軍や人は異常な強さを発揮する。
「その可能性が無いとは言いませぬが、追い詰められた鼠を倒せずして、我らの目指す将来など築けますまい? 将来は鼠も化け物級になるハズなのですぞ?」
「むっ……!」
天皇弑逆をした場合、全国の大名はこぞって牙をむく。
三好家はその全てを潰さねばならない。
ここで窮鼠と化した畠山程度で躓いていては、将来が不安であろう。
窮鼠を叩き潰してこそ三好家である事を、周囲への見本として畠山を生贄にする気構えが必要なのだ。
「一応、畠山に沿岸部が攻め取られた情報が流れない様にはしています。それに山間部までは手を出していませんので、完全に帰還する地が無くなる訳ではありません。仮に逃がしても、ただ、生産拠点が極僅かの超弱小勢力になるだけです」
「成程な。最もな言い分だ。良し、その様に進めよう。畠山は徹底的に叩く。蠱毒の壺に入れる場合は、畠山高政だけは確実に仕留めてからだ」
言霊の世界で『天皇弑逆』など口に出すのも恐れ多い。
高政だけが己の心の内に秘めている可能性はきわめて高い。
仮に仕留められずとも、勢力として無力化してしまえば、壺に放り込んでも毒虫として使命を果たし死んでくれるだろう。
「承知しました。合流は3日以内、その間戦場状況を把握し、軍が揃ったら一番効果的な場所を狙い攻撃を始めます」
「うむ。お頼み申す。これで毒虫の数を調整し、改めて蠱毒計を完成させる!」
実休は、兄の策を任された大任を果たすべく、三好軍を動かすのであった。
8/9追記
次回の投稿は、8/15ぐらいを予定しています。
申し訳ありませんがよろしくお願いします。




