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圧倒的ガチャ運で異世界を成り上がる!  作者: ケンノジ


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47話


 それから数日、家でのんびりと過ごした。

 別にお金に困っているわけでもないから、特にクエストを受けることもしなかった。


 意外にも料理が得意なリーファは、おれたちの朝食と昼食を作るとどこかへ行って、夕方くらいになると帰ってきた。


 何してるのかすげー気になる。

 クイナやひーちゃんに訊いても何をしているのかわからないとのことだ。


 リーファも子供じゃないんだし、あーだこーだ詮索するのはやめよう。


 翌日おれはログロの町にある冒険者ギルドへやってきた。

 リーファはまた早々に出かけたし、クイナはひーちゃんと森で遊んでいる。


 以前、ゴブリン退治と人捜しクエストを担当してくれたアナヤさんが一礼した。


「カザミ様。お久しぶりです」

「お久しぶりです」

「聞きましたよ、カザミ様。クエストを放棄したと。それはいいのですが……」


 ひそひそ、とアナヤさんは声を潜めた。


「アルダディース商会の本拠地を吹き飛ばしたのってもしかして……? ロマでクエスト放棄したその翌朝の事件でしたから、ピンときたのです」


 バレてる……!


「ええっと……ははは」

「悪い噂の絶えない商会だったので、むしろ喜ぶ人も多かったのです。ですが、アル商と懇意にしていたユニオンが犯人を捜しているそうで……」


 武器や奴隷、使役用の魔物を売買している商会だったから、商会と持ちつ持たれつの協力関係にあったユニオンは、色々と困ることが多いらしい。


「束になっても――極太の束になっても犯人様には敵わないでしょうけれど、そういうことになっていますよ、という独り言でございます」


 小声でありがとうございます、とだけ言っておく。


「さて。カザミ様には【アイテム賭場ログロ店】より、指名クエストの報酬をいただいております」


 渡された報酬を確認する。


・10万リンの報酬

・【R 身代わりボディガード(敵の物理攻撃を一度だけ無効化)】

 この二つ。

 アイテムのほうはお守りだった。


 普通に使えるアイテムだ。さっそく首にさげて、服の下にお守りを忍ばせておく。

 ついでに、おれの冒険者としての情報を見せてもらった。


――――――――――――――――

カザミ・ジンタ 冒険者ランクG

クエスト成功数:3 Next7

功績累計数:9700 Next-

――――――――――――――――


「Fにランクアップするための必要功績を上回っていますので、成功回数を増やすだけでEまですぐに行けるでしょう。ランクが上がれば、様々なクエストを受けることができます。今回は、何かクエストをお受けされますか?」


 いくつか掲示されたクエストにすぐに出来そうなものがあったので、それを受けておく。


――――――――――――――――――

 クエストランク【G】『蝙蝠の羽の納品』

 成功条件:蝙蝠タイプの魔物の羽10枚を『アイテムショップ・ログロ店』に納品。

 条件:なし

 依頼主:アイテムショップ・ログロ店

 報酬:2千リン

――――――――――――――――――


 訊くと、ロックバットの羽でも問題ないそうなので、早速道具屋にむかうことにした。


 道具屋のおじさんは、おれが古代アイテムを持ってきてくれたと勘違いして大喜びだったけど、翼を納品しにきただけだと伝えるとひどくヘコんでいた。


 クエスト完了の証として、おじさんに納品書をもらいまた冒険者ギルドへと戻る。


 こんなふうに、似たような簡単なクエストをいくつか繰り返し――


「おめでとうございます、カザミ様。冒険者ランクがあがり、Fとなりました」


 クエストを受けるつもりはないけど、何が出来るのか見せてもらった。

 警備クエストを中心に、商人護衛や指定の魔物討伐など、多少能力を求められるものが多かった。


――――――――――――――――――

 クエストランク【E】『市中警備』

 成功条件:1週間ログロの町を警備。活動評価4以上が必要。(5段階評価)

 条件:冒険者ランクF以上

 依頼主:ログロ自警団『白銀の盾』

 報酬:7万リン

――――――――――――――――――


「最近盗賊が郊外に増えてきているようでして、自警団の手伝いをして欲しいという依頼です」

「じゃあ、今回はこの『市中警備』をお願いします」


 クエスト票には1週間、と書いてあるけど期間はこちらで設定出来るらしい。

 長さによって報酬も変わるけど、今回は1週間に設定しておいた。


 クエスト票を持って、アナヤさんに教えてもらった詰所へとむかう。

 このクエスト票に、自警団の人に活動評価を書いてもらい、1週間後に冒険者ギルドに報告すればいいのだとか。


 少し古い木造の平屋を見つけ、扉をコンコンとノックする。


「こんにちは。クエストでやってきた冒険者なんですがー」


 中でバタバタと物音と声がした。


「えぇぇ……。今私しかいないんだけど、で、出てもいいのかしら……? ――ちょ、ちょっと待ってて! 今開けるからー」


 すぐに扉が開く。


「い、今見習いの私しかいなくって、と、とりあえず中に――」

「はい、わかりまし――、あ」

「あっ――」


 そこにいたのはリーファだった。



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