【第九話】小さな神官の妹幸福計画
──「まさか、君は、俺の知るルキ・ラウンズなのか……?」
今の言葉は、どういう意味だ。いや、まさか。
ルキは混乱に陥り、手元が疎かになる。
「『風の刃 術式展開』!!」
ローウェンが反射的に短剣を抜き魔術を斬るのと、ルキが魔術師の体の動きを止めるのは同時だった。
再び、ルキとローウェンの間にしん、とした沈黙が落ちる。
「……これは、魔術か?」
目を見開いたまま、呼吸も何もかも固まった魔術師を見て、ローウェンがルキに問う。
「いや、だが、君は神聖力を使う本物の神官だ。神聖力と、魔力は同時に宿ることはない……」
ローウェンもまた、相当混乱しているようだった。
「……そもそも、なぜ君は魔術師でなく、神官なんだ」
その言葉で、ルキの方は確信した。
このローウェン・アスターに、かつて魔術師であったルキと組んだ頃の記憶がある。
「……それなら、なんでおまえは覚えているんだ」
それこそルキには分からなかった。
「それを言うなら君の方もだろう」
「俺はそれを望んだから──いや、この話はやめだ」
ルキは口走りかけたことに我に返り、話題を切る。
「望んだ? 君はこの事象の原因を知っているのか」
「やめだって言っただろ」
話題を拒否しながら、ルキは妙に思う。
ローウェンの方は、記憶を持って戻った原因が分からないようだ。では彼は望んで戻ってきたわけではないのか?
「海にかけられている魔術を解くのが先だ。この時期朝陽が出るのが早い。ぐずぐずしている暇がない」
「──殺すのはなしだ」
「必要なら始末を選んでたおまえが言うか?」
「君が、殺すのはなしだと言っている」
またも同じことを繰り返すローウェンは真剣そのものだ。ルキはさすがに苦笑を浮かべざるを得ない。
「ローウェン・アスター、一つ訂正しておいてやる。俺は、もうおまえの知るルキ・ラウンズじゃないよ」
「……なぜだ」
「話はやめだと言っただろ」
とりつく島のないルキに、ローウェンはようやく口をつぐむ。
「大体、生かしておいて俺達にいいことなんてない」
「死ぬほど脅して田舎で暮らさせればいいだろう」
なんで俺とおまえの立場が逆転してるんだ。と思ったが、『前』の話を掘り返すのもそろそろやめたいので、ルキは黙ってため息をついた。
「じゃあそうしよう。短い人生、せいぜい怯えて暮らしてもらう」
ルキが短剣のなくなった右手で魔術師に触れると、魔術師がみるみるうちに老いていく。肌はしわしわに、筋肉が衰え、痩せ細っていく。
「……これの説明も、──その目の説明もしてくれないのか」
「そうだよ」
魔術師が老いていく間、金色の瞳が鮮やかに光る様を見て、ローウェンが食い下がるがルキはあっさり即答する。しつこい。
「この先に魔術具がなければ、もう一度こいつらに聞くからな」
ルキは立ち上がり、洞窟の先を示す。ローウェンは頷き、老人二人を手早く縛って転がした。
洞窟の中は予想していた通りそれほど深くはなく、すぐに奥まで着いた。
だが、魔術具らしきものがない。
「……地面に掘った後がないか確認しましょう」
「ああ、そういえば魔術具を埋めて隠すなどという手口があったな。……それよりその口調はなんだ」
「僕はローウェン殿に出会ってから大抵こんな口調でしたけど?」
素っ気なく流し、ルキは地面を這って地面のより柔らかい部分を探す。
互いに灯りは持っていなかったが、ルキは左目で見えていたし、ローウェンもオーラの力で関知しているのだろう。自然と二手に別れて地面を調べ始めた。
「魔眼は使えないのか?」
後ろから、そんな問いが飛んできた。
魔眼とは、魔術師のごく一部が持つことのある魔力の流れや魔術の構成が見て分かる目だ。騎士の中のオーラを使える一握りの騎士のようなものだ。
魔術師であった頃のルキは、魔眼を持っていた。
「魔眼は、魔力を使用して使うものなんですよ」
この体にまだ機能として存在していたとしても、今のルキに使えるものではない。
「……そうか」
「知り合いの魔術師に聞いたことはなかったんですか」
「知り合いの魔術師……?」
「さっき、魔術具の場所の突き止め方を話していたときに言ってたでしょう」
「ああ。あれは──君が俺に教えたことだが」
そういえば話した記憶があったが、今回のローウェンなので知り合いの魔術師という言葉を鵜呑みにしていた。
「だったら、魔眼についても絶対話してるぞ」
ぼそりとルキが呟くと、ローウェンが「すまない、忘れていた」と言った。耳が良すぎる。
「……そうですか」
ルキは仕方なく相づちを打って、また黙々と地面を調べ続ける。
「あったぞ」
しばらくして、位置が近づいていたローウェンの方から発見の声があがった。
ルキは這うのをやめ、そちらに向かうや周りを手で掘り始める。
「なら、近くに……あった」
浅いところに土を掘り返す道具が埋まっている。持ち手が見えたので全身で雑に持ち上げ、一つをローウェンに放り投げる。
やがて二人で土を掘り返すことしばらく。ほとんどローウェンが掘った場所に、魔術具があった。
早速ルキは魔術具を止めるべく土を払いながら、魔術具の構造を見始める。
「……スイッチで止められる構造のものじゃないな。魔術具には魔術だけ込めて、術者が魔術で魔術具の発動と停止だけコントロールするタイプだ」
だから殺せば止められないとかほざいていたのか。
まあ、あの魔術師は魔術を斬れる稀少な存在がまさかここにいるとも思わなかっただろう。
ルキは魔術具の解析をやめ、ローウェンを見上げる。
「ローウェン殿、オーラの力は使えますよね?」
「ああ」
「魔術の核は分かりますか」
魔術の核とは、魔術が作用する心臓部で、オーラを操り魔術を斬る剣士はその核を感じ取り、核を斬って魔術を無効化するという。
「いや、まだ『見えない』。あれは君とペアを組んでいた頃に多くの魔術に接して養われた眼だからな」
さっき魔術師の魔術を斬ったのは勘だったらしい。
しかし将来ドラゴンを倒すにはいるし、他の任務でも役に立つ。記憶があったなら、その目を手に入れればいいだろうに。
「……じゃあ僕が割り出します」
「だが、魔術師ではないんだろう?」
「魔力がないだけで、魔術式は読めます」
知識と経験があれば。
魔術具には、魔術式が刻まれる。魔術が発動されている間、それは浮かび上がる。
ルキは、前回の生振りに魔術式を読む。
刻まれた魔術式は、予想通り海の水を変色させるものと痺れを付与するもの。二つの魔術は複合され、一つの魔術式とされていたため核も一つだ。
「ここを斬ってください」
魔術具に発動を任せるのではなく生で魔術を操っていれば、出力程度によって核は微妙に変化するが、魔術具の出力は一定だ。まず変化しない。
「分かった」
ローウェンが腰の剣を抜き、魔術具を見据えた。
直後、ぞくりとルキの背筋に震えが走る。オーラだ。目に見えない力に、本能的に圧倒される。
──本当に、これほどの騎士が中の下の地位だと?
『前』も『今』も騎士団の見る目を疑う。
ローウェンが目に見えぬ早さで一閃した瞬間、魔術式が粉々に砕け──ルキは凄まじい目眩に襲われた。
無理矢理魔術を壊したことによる魔力爆発だ。
そうか、この時期の魔術具は大きな魔術を込めるわりに魔力爆発を抑制する機能がまだいまいちだったな……。
そんなことを今さら思い出したところで、魔術防護も張れない。
ルキは意識を失った。
*
目を開くと、ごつごつとした岩肌が見えた。
何度か瞬いたところで、ルキは目を見開いた。
「──どれくらい経った」
「月の位置から見て、それほど経っていない」
地面に倒れるルキの傍らに、ローウェンがいた。
「海の色は元に戻った。痺れもない」
ルキが気を失っている間に、解術されたかどうかを確認してくれたらしい。
確かに、魔術具は完全に機能を停止している。
ルキはほっと体の力を抜いた。
「これで急用は終わった」
生真面目な声が言った。
「答えろ、ルキ・ラウンズ。君は、かつて俺とペアを組んでいたルキだな」
厄介な問題がもう一つ残っていた。
海にかけられていた魔術があったときは、それどころではないとどさくさで流したが、ローウェンがそれでなあなあにしたままにするはずもなし。
「……それを知ってどうするんですか」
「どうすることもないかもしれない。だが、知ろうとすることは自然なことだ」
確かに、それは理解できる。
ルキは一瞬迷ったが、ローウェンに肯定したところでローウェンが何か利用できるものでもないと判断することにした。
どうせ、ローウェンがしつこそうだ。
「そうだ」
ルキの肯定に、ローウェンはさすがにもう驚くことではないため「そうか」と言った。
「なぜ、神官なんだ」
「なぜって」
「俺が知る君には神聖力はなく、魔力しかなかった。だが、今の君はその反対だ。魔力がなく、絶対に魔術師にはなれない」
「さあ、いつかの記憶があるまま時間を戻ったような体験をするくらいだから、天と地もひっくり返るんじゃないのか? そもそも、この場は、俺とおまえが共に過ごした場ではないのかもしれない」
ローウェンが黙りこくったので、ルキの方こそ問うてみる。
「俺からしてみれば、おまえは記憶があったくせに、それほど変わった様子がないな」
同じ階級で燻っているままのようだし。
「ドラゴンでも何でも討伐できれば、功績を認めざるを得ないと知っただろ? 何より『前回』、ソードマスターに連なったおまえを、ソードマスター第一位はおまえを気に入った。あの人と知り合うのが早くなる」
ローウェン・アスターは、ソードマスターとなって初めて師に巡り合ったのだ。彼には珍しく嬉しそうにしていた。
なのに、記憶を利用して何かを変えたようには見えない。聖教会に来たのは本当に偶然だろうし、むしろ聖教会に飛ばされてきたあたり、第四騎士団以外の圧力がかかって目障りな実力を持つから飛ばされたようにしか見えない。
記憶を元に新聞社への繋がり作りやら、最年少神官やらとやっているルキからすれば、何してるんだ?だ。
「……同じ人生を送れば、また君と出会うと思ったんだ」
しばらくの静寂のあと、ローウェンはそんなことを溢したので、ルキは眉を寄せる。
意味が分からない。
「……なんでだよ。俺と出会わない方がいいだろ。俺は重罪を犯した。師匠は当然弟子である俺に関して何らかの責任を負ったはずだ。おまえだって、そんな俺とペアを組んでいた事実が出来た。そんな奴ともう一度出会うだって?」
「その重罪を犯した理由が知りたかった」
真剣に即答され、ルキは目を丸くする。
「俺が何も変わったように見えないと言ったな」
「あ、ああ」
「当然だ。変えようとしたとすれば、君と出会った後だからだ」
「俺と……?」
「俺は、君に死んで欲しくはなかった」
ローウェンは苦しい塊でも吐き出すように、告げた。
「俺にとって君は友だった。この手で殺したくもなかった。君が罪を犯すのには絶対に理由がある、だからその理由が分かりさえすれば俺は協力できると思った。だが万が一────君の罪に何の正当性がなくとも、せめてあのとき、俺に本心を明かしてくれるような関係を築きたかった」
何より、とローウェンは呟く。
「俺が、後悔しないように」
出会ったときから、汚れを嫌う潔癖さを持つ男。
そしてその潔癖さで、非情に、確実に任務をこなす。
だから『前回』も『今回』も彼は味方にできない。なりようがないと判断した。
ルキの『前回』の自らの行動は罪だった。個人的な理由があろうとそんなものは世の中考慮してくれない。
そして『今回』も、『前回』の最期の記憶からローウェンには明かせないと思った。
そんな男が、そんなことを言う。
いや、すでに今日「事情があるのなら、話してくれれば協力できるかもしれない」などと言われた。
リスティアのためなら、護衛の自分が協力するのも当然というように言われたが、今思い返せば、まさか自分の行動を正当化しようとしていたのか?
本当に、空気が読めなくて、不器用で、馬鹿真面目で、融通が効かない奴ではあるのだ。
「……酒飲んでる?」
「飲んでない」
食い気味に言われたから「知ってるよ」と言ってやるが、それなら酔ったときのように変なことを言わないでほしい。
「正直、聖教会に配属されたときは焦った。だがそこで君が神官になっていたときの驚きには負ける」
「別人だとは思わなかったのか?」
「信心深かった君だ。そういうこともあるかと思った」
ルキがさっき言ったように、別の可能性の『道』に迷い混んだのかと思ったらしい。
そんな納得の仕方に対し、ルキは鼻で笑う。
「信心深い?」
ああそうだったとも。毎日祈りを欠かさなかったから、ローウェンにも目撃されていた。
「運命の女神のことならとうに信用していないさ」
ルキは吐き捨てるように言う。
ちらっとローウェンを見ると、ローウェンはただ待っていた。
ルキは、今回誰にも言うつもりのなかったことを、今ローウェンになら言ってもいいかもしれないと思えた。
彼は、非情なばかりの男ではないと知ったのだから。
「……妹なんだ」
小さすぎる声だったが、ローウェンは聞き取ったようだ。
「誰がだ」
「おまえ、本当に察する力が壊滅的に足りないときあるよな」
ルキの行動が基本的にリスティアのためだと見抜いていたくせに。
ルキは変に脱力して、ローウェンを軽く蹴ろうとしたが、ローウェンに軽く阻まれる。
「リスティア様だよ」
ルキは察しの悪すぎる男に教える。
すると、本当に察せていなかったらしい。ローウェンは驚いている。
「俺は拾われ子だから、血は繋がっていないんだけどな」
ルキは、ぽつぽつと胸の内を話す。
不思議と、前回の生でさえ心の中に溜めておいたそれは抵抗なく、口から出ていった。
「妹が生まれる前は、生まれるのを楽しみに待ってた。目一杯可愛がってあげようと思ってた。近所には意地悪なガキもいたからいじめられたら守ってやるんだと思ってた。一緒に遊べる家族が増えるのが嬉しかった。生まれてきてくれたときは、嬉しかった。触った手がすごく小さくて、これからずっと守っていこうと改めて思えた」
けれど、彼女は聖女の証である金色の瞳を持って生まれたから、ルキどころか両親の顔も覚える前に聖教会に引き取られた。
「離れたとしても、家族として一緒にいられなくても、ただ、幸せになってほしかった。…………今度は、幸せになってほしいんだ」
前回の生では叶わなかったから。
「だけどもう運命の女神に祈れなかった。俺は、時の神に祈った」
「時の神……?」
そこまで静かに耳を傾けていたローウェンが、何だそれはという顔をする。
──昔々、人間は神の中から、全ては運命に収束すると『運命の神』を信仰の対象に選んだ
ルキは前回死ぬ半年前に見つけた遺跡で解読した神話をローウェンに話した。
かつて神は一柱のみではなかった。運命の神の他にも神がいたことは広く知られていることだが、何を司る神が、というのは知られていない。
ルキが前回の生で見つけた遺跡は、時を司る神のものだった。
「出てきてくれ」
ルキが手を差し出すと、どこからともなく金色の瞳をした小鳥がとまった。
「これが、その神さ」
「『これ、とは。我が信徒は神の扱いがなっていない』」
不満そうにした小鳥は、ふとローウェンに目を留めた。
「『……おや、君。やはり……』」
「やはりってなんだよ」
ルキはローウェンに何やら含むところのある神を見逃さない。
「やっぱりローウェンも記憶を持って戻ってきてるのはあなたの仕業なんだな?」
神聖力以外は、明らかにルキと同じような現象がローウェンに起きているのだ。
「『仕業なんて……ただ、君と取り引きをしたとき、彼にもまた同じような感情を感じたのだよ』」
「でも、ローウェンには取り引きをしたような素振りがない」
「『…………つまり、そのとき、君と混同して別のものを巻き込んだ気はしていた。人間の区別なんてあまりつくものではないし』」
「おい」
「『信徒が増えるのは歓迎だよ。よくやった、ルキ』」
言うだけ言って、小鳥は重要な用はないらしいと勝手に消えた。逃げた。
残されたルキは、自分起因のとばっちりをローウェンが受けたと知り、バツが悪くなる。
「……なんか、悪い」
「構わない。言っただろう、俺は後悔していた」
ローウェンはあっさり流して、「ところで」と話を戻す。
「君は、その神に何を祈った」
「ああ……元気な頃の妹の人生を返してくれ、だ。そうしたら、俺が絶対に守る」
ルキはローウェンの目を見据え、続ける。
「人を殺そうと、かつてのペアを利用しようと、──何を利用しても」
ローウェンは眉を寄せた。
「……これが理由だ」
ローウェンが知りたいことは知れただろう。話したことに、ルキも後悔はなかった。
「事情は分かった。──手は必要か?」
ローウェンは、同情でも憤りでも何でもなく、ただそう言った。
「……なんで協力なんて」
「俺が友である君に協力したいと思ったからだ。それに現状正当性はある」
前半はローウェンらしくない言い方で、後半は彼らしい言い方だった。
「ははっ」
本当に、人生分からない。
一度死んで、再び出会わなければ知れないこともあるらしい。
「よっと」
地面に寝転がったままだったルキは、勢い良く立ち上がる。体が痛むが、問題ない範囲だ。
「再会の挨拶をしてなかったな。久しぶりだな、ローウェン」
ルキは、座ったままのローウェンを見下ろす。
「俺はルキ。ルキ・ラウンズ。もう魔術師にはならない。神官としてリスティア様の側で一生を終える予定だ」
ルキの突然の自己紹介に、ローウェンは何度か瞬いて、口を開いた。こういうときは謎に察しがいい。
「……ああ、久しぶりだな、ルキ。俺は、ローウェン・アスター。いずれ再びソードマスターになるが、君の目的の力になりたい」
再度の申し出に、ルキは目を細め、手を差し出す。
迷いはない。決めた。ローウェン・アスターが決心させたのかもしれない。
「ちょうど、俺には味方が必要だった。それも現在、俺が戦う術をろくに持たない以上、物理的な戦力を欲してた。ローウェン・アスター、また俺とペアを組む気はあるか?」
「ああ」
ローウェンもまた迷いなく、ルキの手を取った。
「後悔するなよ、ローウェン」
「君こそだろう、ルキ」
互いに固く握手しながら、ルキは、馬鹿な人生を選ぶよなと思わず口元を綻ばせた。
*
翌朝、宿から見えた海は青く、美しかった。
昨夜遅くまで騒いでいたはずの人々が、早朝から港で復旧作業を始めていたようだが、今は聖女を見送るために集まってきている。
「リスティア様、おはようございます」
ルキは部屋から出てきたリスティアを、朗らかな微笑みで迎えた。
終




