だってこんな顔だし
ブクマ評価感謝ですm(_ _)m
すみません今回短いです><
申し訳ない!!
「……やっと見えてきたなぁ」
俺は、視界に隅に捉えることができた都を思いながらそう呟いた。
ここへ来るとき、走らされるわ、ドラゴンに襲われるわで色々大変だったが、途中からは俺も荷馬車にのらせてもらえ、快適な旅路を過ごすことができたと思う。
「都へようこそ!!」
無事に関所も抜けられ、俺たちは都の街をぶらついている。
「んー、やっぱ最初は宿でも探そうか?」
「そうした方がいいでしょうね」
手紙によると、パーティーが行われるのは明日の夜。
それまでは自分たちで時間を潰さなければならないというわけだ。
ひとまずは、今日一泊する宿屋を探しにいく。
「そこのお兄さーんッ!!」
ふとどこからか大きな声が聞こえ、自分のことではないだろうと思いながらも、辺りを見回す。
「……」
そして、こちらの方へと手を振っている女の子と目があった、気がした。
「……いやまさか、な……?」
少しだけ女の子の顔を見てみたが、多分あったことはない。一度見たら、記憶に残りそうな頭のバンダナも、多分見たことはないはずだ。
きっと俺の近くの人に手を振っているんだろうと思い、その場から離れることにする。
「え、あれってネストにいってるんじゃないの?」
後ろからアウラがそう聞いてくるが、多分違うと思う、と返してそのまま歩き続ける。
「ち、ちょっと待ってってばーそこのお兄さーん!!」
……やっぱり俺に言っているのだろうか。
でも俺の顔は平凡だし、女の子から声をかけられるような格好良い顔じゃない。
く、くそっ!!
「っ」
そんなとき、腕を誰かに掴まれた。
驚いて、誰が掴んできているのかを確認すると、先程まで手を振っていた件の女の子がいた。
「もうー!なんで逃げるんですかー!?」
女の子は可愛く頬をふくらませ、私怒ってます、という感じで俺を見てくる。
「あ、いや、まさか俺が呼ばれているとは思わなくて……」
だってこんな顔だしー?
……。
「まぁ別にそれは良いんですけど、お兄さん達って宿探してるんですよね?」
「……え、まあそうだけど、なんで知ってるの?」
「そんな荷物があったら誰だってこの街の人じゃないことくらい分かりますから、宿も必要だろうなーって思ったんです。私の家、宿屋なのでぜひ来てください!」
「なるほど」
なんだそういうことだったのか。
でも分かってたけどやっぱり、そういうことじゃ無かったってことか……。
「じ、じゃあ頼もうかな」
後ろの皆にも、それでいいよなと確認し、俺は女の子に案内を頼む。
「ありがとうございますーっ!!」
俺たちは、こっちにきてくださいー!と言ってくる女の子からはぐれないように後ろを追いかける。
ただひとり、俺だけは自分の平凡な顔に少しだけ肩を落とした。




