*作中補足* 『妄想図鑑』 No.03: 非常用侵入グチ(ヒジョウヨウ・グチ)
視界が白熱し、無数のコードと記号が虚空に浮かぶ。
まるで古代文明のプログラムが再起動するかのように、図鑑の文字は変換され、俺の脳に直接意味を刻み込む。
重力も時間もあいまいになり、ただひとつの真実だけが突きつけられるーー。
「これは妄想じゃない。だが現実でもない」
■図鑑No.04:非常用侵入グチ(ヒジョウヨウ・グチ)
■ 分類名
緊急用妖獣
神経干渉型ーー幻像守護体。
■ 通称
「妄想図鑑の裏ボス」。
「試練の門番」、 「視線税を徴収する者」、
「心拍の境界線に現る、妄想の守護者」などと、呼ばれることもある。
■ 発動条件
『江戸っ子鼓動』の興奮度急上昇時(鼓動レベル3以上)。
特定条件下の”死線”暴走 or 意識の逸脱(通称:妄想過熱状態)。
甘い香り、あるいは過去の“ときめきの記憶”が刺激されたとき。
■ 外見特徴
黒網の脚線美を誇る、異様に艶やかな美貌の持ち主。
背中には細く鋭い装飾的な“封印羽根”が展開(妄想防衛装置)。
魔眼のように光る眸。
見る者の“羞恥と好奇心”を同時に刺激する。
その身から漂う香気は「記憶の残り香」であり、
ゴクトーの過去体験とリンクする。
■ 内面/キャラクター性
寡黙だが、その所作すべてが「誘い」と「威圧」を併せ持つ。
ゴクトーの深層心理が「見てはならぬ」と封印しつつ、
「見たい」と願った存在。
決して害意はないが、“通過”には「視線税」と「妄想負荷」が課される。
状況次第で”敵にも味方”にもなる。
女神か拷問官か、それはその日の気分次第らしい。
■ 出現時の決めゼリフ。
「……このライン、
通りたいなら“通行証”を見せてごらんなさい、坊や♥」
「足が速いわね。……鼓動、可愛いわ♥」
■ 神代魔法との関連
関連呪式ーー【妄想転送陣】
妄想過熱時に強制発動される空間転移魔法。
使用者を妄想試練空間に飛ばし、精神負荷を測定する。
■発動副作用
現実空間の空気が“揺れ”を持つ(視覚的歪み)。
神代魔法の詠唱時に”彼女”が視界の端に現れることもある。
■ 戦闘/作用
幻術防壁を張り、敵の視線と攻撃を無力化する。
(ただし自他共に錯乱する)
一定時間、妄想空間内の行動を制限し、
“死線回避ゲーム”を強制スタート。
ゴクトーが冷静さを失うと、
彼女の存在が“実体化”する可能性あり(魔力の暴走)。
■ 備考
赤絹シタギの出現を“阻む者”でもあり、出現条件が競合することも。
ゴクトーの精神空間にある“封印階層”の一部を守る番人的役割を担う。
出現率は低いが、接触イベントの発生率は極端に少ない。
(ただしインパクトは大)
■ 図鑑メモ
「あの“脚線”を見た瞬間、世界の色が変わった。……通さぬ門が、逆に誘ってくるなんて、卑怯すぎだろ……」
ーー ゴクトー、妄想陥落直前の独白より。
このグリモアはただの図鑑ではなく、妄想と魔力の結晶だ。
図鑑を閉じたのに、
どこかで“彼女”がまだ微笑んでいるような気がしたーー。
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