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妄想図鑑が世界を変える?【異世界トランザニヤ物語】  #イセトラ R15    作者: 楓 隆寿
第2幕 転章。  〜魔性のロカベルとハゴネの旅〜

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『ロカベルの魔法薬材と薬店』編 4 〜アリーの気持ち〜



 少し短いですが。



 


 ◇(ここは主人公のゴクトーが語ります)◇




 気を利かせたミーアが俺に声をかける。


「リーダー、今のうちにシャワーをどうぞ…」


 彼女のその言葉はありがたかった。

 さっきの熱が覚めたとはいえ、身体中汗だく。

 下手したら臭うかもしれない。


「ああ…ありがとう…」


 俺はミーアの部屋を出て、あのユニットバスに向かった。


 さっきのことが頭をよぎりつつも、熱いシャワーを浴びてリフレッシュしようと決意する。


 ……ってか、どんな決意……だ。



 

 ◆(ここからアリーの目線で)◆



 ゴクにぃが部屋を出ていったにゃ。

 アカリねぇは小さなため息を漏らしにゃがら、零す。



「ダー様のあの視線……私にも向けてくださらないかしら?」


 

 その瞳はどこか遠くを見つめ、

 ほんの少しうつむいた顔には、切なげな影が差していりゅ。

 その声には控えめながらも、つのりゅ思いが滲んでいた。



 ジュリねぇが勢いよく問いかけりゅ。


「ネー、それより聞きたいんだけどさ。へんダーの戦闘って、実際どうだった?かっこ良かった?」


 僕は思った。

 赤と緑が交錯した瞳は、興奮で輝いていりゅ、と。

 

 一方でアカリねぇは、驚いたように顔を上げりゅと、

 思い出したかのように笑みを浮かべた。


「ええ、とても凄まじかったわ。ダー様の戦いぶり、見惚れるほどだった。

 もっと大胆にならなきゃ、ね? ……ジュリも頑張りなさい」


 そう語るアカリねぇの声には、

 自信が込められていりゅ。

 

 でも、その奥にはほんのわずかな不安が見え隠れしていた。



「でも、わたしさ……ネーみたいにスタイル良く無いし……」


 ジュリねぇは頬を少し朱らめにゃがら、視線を落とす。

 

 言葉はほんのり冗談めいてりゅ。

 でも、その端々にはどこか自嘲の影が潜んでいたにょが、僕にはわかりゅ。


 アカリねぇが穏やかな笑みを浮かべて励ましゅ。

 

「あら、ジュリ。スタイルなんて関係ないわよ」

 

 その瞬間にゃ。

 ジュリねぇは驚いたように顔を上げて、小さく頷いた。



 瞳には感謝の光が宿っているようにも見えりゅ。

 獣人の僕にはなんとなく、それがわかりゅんだから不思議にゃ。



「頑張りゅにゃ!ジュリねぇも!」


 僕は思わず元気よく声を上げりゅ。

 どうしても励ましたかった。


 ジュリねぇはふっと笑みを浮かべ、

 その表情には少しだけ安心した様子が見えたにゃ。


 良かったにゃ。

 いつも僕に優しくしてくれりゅ、ジュリねぇに少しばかりの恩返し。

 僕はそう思いながらみんなを眺めていた。


 そんな時にゃ。

 ミーアしゃんの表情が変わった。


「あのね……うちが見た冒険者の中でも、リーダーが一番強いと思うの……」


 さりげなくつぶやいた。

 その言葉には尊敬と憧れが滲んでいりゅ。

 その真剣な眼差しに、アカリねぇもジュリねぇも無言で頷き合ってた。


「ゴクにぃって、そんにゃに強いの……?」


 僕はその時のゴクにぃの戦闘を見てにゃい。

 不思議に思って問いかけりゅと、ミーアしゃんがほんの少し頬を朱らめた。


「うちも……もっと揉まれて、強くなって……リーダーに認めてもらえるように、頑張りたい」


 その声には、自身の決意とほんのりとした恥じらいが織り交ぜられていた。 


 これは僕の見た目にゃけどね。


 そう思っていた矢先。

 ジュリねぇとアカリねぇが声を揃えて叫んだ。


「「えぇっえぇっ!?ミーアもなの!?」」


 その反応にミーアしゃんが頬を朱くすりゅ。

 それを面白がるようにアカリねぇも、ジュリねぁも顔を見合わせ、クスクスと笑っていた。


 僕は、僕でミーアしゃんの部屋の柔らかいラグで寝そべりながら、ゴクにぃのことを少し考えてみりゅ。



 ゴクにぃは無口、喋りは苦手、でも強いにゃ。

 どこか人種(ヒューマン)とも違っても見えりゅし。

 でもにゃーー獣人では、にゃいし。

 これが最大の……。


 ぼーと考えにゃがら天窓から覗く太陽さんと目があって、鼻がムズムズした。

 お腹が空きすぎて、力も入らにゃい。

 

 なんだか眠くにゃってきた……。

 でもいい匂いにゃ。早くできにゃいかな?


 そう思いながらラグに頬杖をつき、キッチンを眺めりゅ。


 挿絵(By みてみん)

(*アリーのイラスト)


 

 ジュリねぇと目があった。

 

「あ、あの、アリーもへんダーのこと、好きなの?」


 突然、尋ねられた。


 僕はわざと少し考える素振りを見せた後、ニッコリ。


「僕もゴクにぃが好きにゃけど……それは”お兄ちゃん”としてかにゃ!」


 僕がそう言うと、全員が笑顔を浮かべりゅ。


 (◆その時、シャワーを浴びているゴクトーは、

 突然大きな(くしゃみ)をしていた◆ by神シロのつぶやきより)


 

 緊張していた空気は、いつの間にかほぐれ、

 心地良い温かさに包まれていた。

 


 その後も和やかな会話が続くにゃか、

 アカリねぇが鍋の様子を見ながら、ふと顔を上げた。


「そろそろこのスープ、いい頃合いね……」


 香り豊かな湯気が部屋に広がり、

 自然と僕の食欲をそそりゅ。

 

 アカリねぇがスープを深皿に注いでいく間に、ミーアしゃんも手際よく炒め物を皿に盛りつけた。


「うちの炒め物も完成。お皿に移すね」


 僕は思わず叫んだ。


「お腹空いた!!「続くにゃ!」」












 お読みいただき、ありがとうございます。


 私のお気に入り、アリーちゃんでした。

 

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 引き続きよろしくお願いします。


 


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第102話拝読しました! ゴクトー視点→◆でアリー視点へ切り替わるアイチェンジが綺麗で、女子組の『本音の温度』が一気に伝わってきました。アリーのにゃ語りが可愛いのに観察が鋭くて、アカリ/ジュリ/ミー…
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