『ロカベルの魔法薬材と薬店』編 4 〜アリーの気持ち〜
少し短いですが。
◇(ここは主人公のゴクトーが語ります)◇
気を利かせたミーアが俺に声をかける。
「リーダー、今のうちにシャワーをどうぞ…」
彼女のその言葉はありがたかった。
さっきの熱が覚めたとはいえ、身体中汗だく。
下手したら臭うかもしれない。
「ああ…ありがとう…」
俺はミーアの部屋を出て、あのユニットバスに向かった。
さっきのことが頭をよぎりつつも、熱いシャワーを浴びてリフレッシュしようと決意する。
……ってか、どんな決意……だ。
◆(ここからアリーの目線で)◆
ゴクにぃが部屋を出ていったにゃ。
アカリねぇは小さなため息を漏らしにゃがら、零す。
「ダー様のあの視線……私にも向けてくださらないかしら?」
その瞳はどこか遠くを見つめ、
ほんの少しうつむいた顔には、切なげな影が差していりゅ。
その声には控えめながらも、つのりゅ思いが滲んでいた。
ジュリねぇが勢いよく問いかけりゅ。
「ネー、それより聞きたいんだけどさ。へんダーの戦闘って、実際どうだった?かっこ良かった?」
僕は思った。
赤と緑が交錯した瞳は、興奮で輝いていりゅ、と。
一方でアカリねぇは、驚いたように顔を上げりゅと、
思い出したかのように笑みを浮かべた。
「ええ、とても凄まじかったわ。ダー様の戦いぶり、見惚れるほどだった。
もっと大胆にならなきゃ、ね? ……ジュリも頑張りなさい」
そう語るアカリねぇの声には、
自信が込められていりゅ。
でも、その奥にはほんのわずかな不安が見え隠れしていた。
「でも、わたしさ……ネーみたいにスタイル良く無いし……」
ジュリねぇは頬を少し朱らめにゃがら、視線を落とす。
言葉はほんのり冗談めいてりゅ。
でも、その端々にはどこか自嘲の影が潜んでいたにょが、僕にはわかりゅ。
アカリねぇが穏やかな笑みを浮かべて励ましゅ。
「あら、ジュリ。スタイルなんて関係ないわよ」
その瞬間にゃ。
ジュリねぇは驚いたように顔を上げて、小さく頷いた。
瞳には感謝の光が宿っているようにも見えりゅ。
獣人の僕にはなんとなく、それがわかりゅんだから不思議にゃ。
「頑張りゅにゃ!ジュリねぇも!」
僕は思わず元気よく声を上げりゅ。
どうしても励ましたかった。
ジュリねぇはふっと笑みを浮かべ、
その表情には少しだけ安心した様子が見えたにゃ。
良かったにゃ。
いつも僕に優しくしてくれりゅ、ジュリねぇに少しばかりの恩返し。
僕はそう思いながらみんなを眺めていた。
そんな時にゃ。
ミーアしゃんの表情が変わった。
「あのね……うちが見た冒険者の中でも、リーダーが一番強いと思うの……」
さりげなくつぶやいた。
その言葉には尊敬と憧れが滲んでいりゅ。
その真剣な眼差しに、アカリねぇもジュリねぇも無言で頷き合ってた。
「ゴクにぃって、そんにゃに強いの……?」
僕はその時のゴクにぃの戦闘を見てにゃい。
不思議に思って問いかけりゅと、ミーアしゃんがほんの少し頬を朱らめた。
「うちも……もっと揉まれて、強くなって……リーダーに認めてもらえるように、頑張りたい」
その声には、自身の決意とほんのりとした恥じらいが織り交ぜられていた。
これは僕の見た目にゃけどね。
そう思っていた矢先。
ジュリねぇとアカリねぇが声を揃えて叫んだ。
「「えぇっえぇっ!?ミーアもなの!?」」
その反応にミーアしゃんが頬を朱くすりゅ。
それを面白がるようにアカリねぇも、ジュリねぁも顔を見合わせ、クスクスと笑っていた。
僕は、僕でミーアしゃんの部屋の柔らかいラグで寝そべりながら、ゴクにぃのことを少し考えてみりゅ。
ゴクにぃは無口、喋りは苦手、でも強いにゃ。
どこか人種とも違っても見えりゅし。
でもにゃーー獣人では、にゃいし。
これが最大の……。
ぼーと考えにゃがら天窓から覗く太陽さんと目があって、鼻がムズムズした。
お腹が空きすぎて、力も入らにゃい。
なんだか眠くにゃってきた……。
でもいい匂いにゃ。早くできにゃいかな?
そう思いながらラグに頬杖をつき、キッチンを眺めりゅ。
(*アリーのイラスト)
ジュリねぇと目があった。
「あ、あの、アリーもへんダーのこと、好きなの?」
突然、尋ねられた。
僕はわざと少し考える素振りを見せた後、ニッコリ。
「僕もゴクにぃが好きにゃけど……それは”お兄ちゃん”としてかにゃ!」
僕がそう言うと、全員が笑顔を浮かべりゅ。
(◆その時、シャワーを浴びているゴクトーは、
突然大きな嚔をしていた◆ by神シロのつぶやきより)
緊張していた空気は、いつの間にかほぐれ、
心地良い温かさに包まれていた。
その後も和やかな会話が続くにゃか、
アカリねぇが鍋の様子を見ながら、ふと顔を上げた。
「そろそろこのスープ、いい頃合いね……」
香り豊かな湯気が部屋に広がり、
自然と僕の食欲をそそりゅ。
アカリねぇがスープを深皿に注いでいく間に、ミーアしゃんも手際よく炒め物を皿に盛りつけた。
「うちの炒め物も完成。お皿に移すね」
僕は思わず叫んだ。
「お腹空いた!!「続くにゃ!」」
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