表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シーナの錬金レシピ  作者: 天ノ穂あかり
レシピ5
253/264

反撃は電撃

「じゃあまずは・・・この部屋から出ないとね。外に見張りは?」

「オレが連れて来られた時には居なかったぞ」

「ふぅん」


 向こうは相手は小娘一人と侮っているに違いない。いくら希少な力を持っているとは言え、戦う力の無い錬金術師では、妖精を拘束されアイテムも無いとくれば、普通ならばどうにもならないだろうから。

 でも生憎と、私は普通とは少し違う錬金術師なのだ。

 なんと言っても、私のパートナーはオーベロン級?のスッゴい妖精なんだから。

 それに、魔法が使える頼もしい仲間もいる。

 という訳で───


「じゃあ、コレの出番はまだ先かな?」

「おッ。ソレ使うのか?」

「一応、護身の為に持っておくだけよ」


 今回私が取り出しましたのはその名も───スタンガン!

 そう。名前の通り、電撃で相手を怯ませたりするあの道具です!

 これは魔法の矢に引き続き、自衛の為に私が創り出した魔道具だ。

 形は至ってシンプル。想像しうるスタンガンのソレ。メスのクワガタを大きくしたようなアレだ。

 元々、以前アクアディア王都で買った透殻虫の脱殻と、赤猪を討伐して獲た牙で作ったボディは白かったのだけど、イメージ的に黒なので雰囲気を出す為に炭を混ぜて黒く仕上げている。

 そして電極部分には魔結晶。この魔結晶にはラインさんの雷の魔力を付与して貰い、私が魔力を流すと雷の魔法が発生する仕組みになっている。

 使用回数には限りがあるけれど、これがあれば、教会の人と遭遇しても安全?に無力化することが出来るはず。


「でもまだ試した事無いんだろ?」

「そうだけど、イメージはちゃんと固めて作ったから大丈夫!のはず」

「まぁ、そう願うとするか」


 そんな訳で、私とフェリオは錬金術でサクッと部屋の鍵を破壊すると、そ〜っと部屋の外へと顔を覗かせた。


「誰も居ないな」

「そうだね」


 さて、これからどうしようか。

 教会を探る必要がありそうだけど、出来れば早く世界樹へ向かいたい。

 ここは建物の二階奥。なるべく教会の人間に見つかること無く、かつ有力な情報を得ながら脱出を試みたい所だけど・・・。


 左右を確認し、人の気配が無い事を確認してから部屋を脱け出す。

 幸い建物内に人影はあまり無く、連れて来られた時の道順を辿りながら進んで行くと、一階へと降りる階段があり、階下へと降りようとしたその時、下から階段を上がってくる足音が聞こえ、私達は慌てて踵を返した。


「誰か来るッ!どうする?」


 部屋まで戻ろうか?と後ろを振り向くと、丁度通ってきた廊下の一室の扉が開かれた所だった。

扉の影になって彼方から此方は見えておらず、扉を開けた人物は中にいる他の人とでも話しているのか、声はすれども扉を閉めて出てくる様子はまだ無い。

 私達は慌てて近くの部屋の扉をノックする。もし返事が返って来たら別の部屋に隠れようかとも思ったけれど幸い返事は無く、それでも慎重にスタンガンを構えながら部屋へと入れば、そこは資料を保管しておく為の部屋だったらしく、テーブルや椅子は無く、書棚にぎっしりと本が並べられていた。


「良かった。取り敢えずここなら隠れられそう」

「だな」

 

 なんて安心したのも束の間。


 ───ガチャ。


 どうやら階段を上がって来た人物はこの部屋に用があったらしい。

 部屋の扉が開かれ、咄嗟に扉の影に身を潜めたものの、その人物が部屋へと入って来てしまった。


 うわぁぁ!どうしよう!?

 ッッて!しかもソバカス兵士君じゃない!


 彼は資料を取りに来たのか、扉を開けたまま何事かブツブツと呟きながら書棚の方に向かう。


「全く。司教様も何を考えておられるのか。全ての元凶はあの女だと、カロリーナ様が仰っていたのに。しかもあんな取引を持ち掛けるなんて。あの女の見目が良いからと、まさか囲おうとでもいうつもりか」


 うわぁ。嫌な事聞いた気がする。あの司教に囲われるとか無理ですぅ。

 っていうか今、カロリーナって言ったよね!!それってやっぱりカロリーナ・スフォルツァの事ですよね!!


 扉の陰でじっと身を潜め、ソバカス兵士の独り言に耳をそばだてていると、そんな言葉が聞こえて来た。

 ここは彼に"カロリーナ様"について詳しく聞くべきか。でもこのまま見つからずにやり過ごせればそれに越したことは無い気もする。

 スフォルツァさんが関わっていることがほぼ確定した今、折角ならバレずにやり過ごしたいと願いながら、ソバカス兵士が数冊の資料を手に戻って来るのを、息を潜めて身構える。そして───


 意外と大丈夫かも・・・なんて、考えた私はフラグを立ててしまったらしい。



「うわぁぁぁッ!!」


 ソバカス兵士とバッチリ至近距離で目が合ってしまった。

 そして咄嗟に投げつれられた資料から、此方も咄嗟に身を守ろうと腕を上げた結果。


 ───バチッ!!


 手に持っていたスタンガンがソバカス兵士に向かって火を吹いていた。


 あッ!ごめんなさい。わざとじゃないです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ