第97話 美空の悩み?
「はぁ。全くお兄と永遠姉さんの仲がいいのは大変喜ばしいことなんだけどもう少し自重してほしいんだよなぁ」
最近は少し気を使ってくれてて私がいる前ではあまりイチャイチャしなくなってるけど、最初の方は酷かった。
私が居ても構わずにイチャイチャしてたし。
勿論キスとかそういう事をしてたわけじゃないんだけど、とにかく雰囲気が甘くて仕方がなかった。
それはもう糖分過多でスイーツがのどを通らなくなるくらい。
「しゃーないんじゃないっすか? まだ付き合い始めたばっかりですし今が一番イチャイチャしたい時期でしょう? 最近は堀井瑠奈と藤田悟のことで忙しかったからなおさらにね」
電話越しで七海ちゃんはそう言ってくれるけど、それは普段から一緒に過ごしてないから言えることだ。
もし、普段から一緒にいれば糖尿病一歩手前くらいには糖分過多である。
最近は朝永遠姉さんの部屋にご飯を食べに行くときも事後ではないかと気が気ではない。
「それもそうなんだけど助けてよ~七海ちゃ~ん」
「無理っすね。私はこの年で糖尿病にはなりたくないんで。頑張ってくださいっす美空さん」
「そんなぁ~」
まあ、見ててつらいとかじゃないからいいのだけど。
年始のお兄は見ていて痛々しかったけど最近では曇りのない笑みを浮かべている。
あの時はどうなる事かと思ったけどお兄が立ち直れてよかった。
そういう点では永遠姉さんに心の底から感謝している。
お兄を助けてくれたこともそうだし私を家に受け入れたこともそう。
今だって私たちの生活費とかを負担してくれてる。
本当に感謝しかない。
お兄とも付き合ってくれてるし。
「まあ、しばらくしたら落ち着くでしょう。それよりも美空さんも十分に注意してくださいよ? 藤田悟の仲間は捕まえれたっすけど肝心の本人は未だに見つかってないんすからね」
「わかってるよ。お兄にもそう言われてるし十分注意してる。でも、うん。改めて気をつけるよ」
「そうしてくださいっす。私の方でも全力で探してるので」
「うん。ありがとう。無理だけはしないでね?」
「もちろんっす。では」
そういって七海ちゃんは電話を切った。
「遊園地は明日か。どんな服を着て行こうかな~」
きっと明日は二人かなりイチャイチャするんだろうけどあまり気にしないで私は遊園地を楽しもうかな。
なんかあの二人を見てると急に恋人がほしくなってきちゃうな~
「なかなか難しいんだよね。お兄よりいい男の子探すのさ」
勿論お兄を恋愛的な目で見てるわけではない。
それでもお兄はかなりいい男の子だと思う。
勉強はできるし運動もできる。
気遣いはできるし常に私に気を配ってくれる。
これほどまでにいい人を私は生まれてきてからお兄以外見たことが無い。
「はぁ~なんかこんなこと考えてたら悲しくなってきた。さっさと寝て明日に備えよう。明日は全力で楽しむんだ!」
電気を消して布団にくるまる。
ほどなくして心地いい眠気が襲ってきて私はすぐに眠りに落ちた。
↓にある☆☆☆☆☆評価欄を、★★★★★にして応援して頂けると励みになります!




