第96話 久しぶりのイチャイチャを
「楽しみだね。三人で遊びに行くの」
「そうねぇ。美空ちゃんの提案で前に行った遊園地にもう一回行こうって言ってくれたものね」
「そうなんだよなぁ。あの時はまだ付き合ってなかったからイチャイチャしたりできなかったから今回はいっぱい楽しまないとな」
「でも、美空ちゃんもいるんだからあんまりイチャイチャしすぎたらだめよね」
「……気をつけないと」
最近は自分自身でも自覚してきたんだけど俺たちは少々周りが見えなくなるタイプのバカップルだっていう事に。
意識して動いておかないとまた美空に呆れられるかもしれない。
というか、実の妹に彼女と思いっきりイチャイチャしているところを生暖かい目で見られるって言うのはなんともしんどいものだ。
今こんなことを考えても手遅れかもしれないんだけど。
「……それもそうよね」
永遠も悩ましそうに頭を抱えていた。
どうやら俺と同じで少し周りの目を気にしないでイチャイチャしすぎている自覚があったみたいだ。
まあ、あんなに周りから生暖かい目を向けられたら誰でも自覚するか。
俺もそうだったし。
いや、俺の場合は美空から少し注意されたわけなんだけど。
全く、出来過ぎる妹には頭が上がらない。
「まっしっかり意識しておけば大丈夫だろう。気にしすぎてもせっかく遊びに行くのに楽しめなくなるだろうし」
「そうなのよねぇ。遊園地では我慢するから今イチャイチャしてもいい?」
上目づかいでそんなことを言われる。
可愛すぎる。
破壊力がありすぎる。
俺の彼女世界一可愛い!
なんかもう本当に言語化できないくらいには可愛い。
「永遠ってたまに口調変わるよね」
「そうかしら? 空と一緒にいるのが安心して素が出ているのかもしれないわね」
「そっか。永遠が安心しているのならうれしいよ。好きだよ永遠」
「んぁ。ふふっ、私も空のことが大好きよ」
たまらず隣にいた永遠を抱きしめる。
女の子の体って柔らかいんだ。
なんて感想がすぐに浮かんだ。
最近はこういった直接的なスキンシップをしていなかった気がするから余計にドキドキする。
目の前にいる永遠が愛おしくて仕方がない。
「ずっと一緒にいてくれ永遠」
「もちろんよ。あなたが泣いて懇願しても私があなたを手放すことは絶対にないわ」
「永遠と別れたいなんて何があっても思うわけないだろ。むしろ永遠が俺に愛想を尽かしたら俺が土下座でもして泣いて懇願して引き止めることはあるだろうけどさ」
「ふふっ。何よそれ」
「紛れもない俺の本心だ。今更永遠と別れるなんて考えられないし、別れたら生きていけないかもしれない。すっかり俺は永遠がいないと生きていけない人間になってしまったからな」
今で三か月くらいか。永遠と出会ったのは。
三か月しか経ってないって言うのに最近の俺は永遠のことで頭がいっぱいだな。
本当に永遠がいないと生きていけなさそうで怖い。
「それを言ったら私もよ。近くに空がいないなんて考えられないわ。あなたはいつも私を助けてくれて不安なときにはいつもそばにいてくれる。私の弱い部分を知っていても嫌悪したりしないでいてくれてずっと支えてくれてる。私はそんな空が大好きよ」
「俺も永遠が大好きだ。これからもずっと一緒にいてくれると嬉しい」
「私は離れる気が無いから。そっちこそ私のことを離さないでよ? 私も空が世界で一番好きよ」
部屋で抱き合いながら愛をささやきあった。
こんな経験は初めてでうれしくて。
心が落ち着いてすごく心地が良かった。
春休み中に行く遊園地がとても楽しみだ。
せっかくなら桜を見に行ったって良い。
少なくとも休み中絶対に永遠と二人きりでデートに行こうと思う。
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