表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/167

第94話 26名の襲撃者

「ただいま永遠」


「おかえりなさい空。その様子だと空の目的は果たせたみたいね」


「まあね。永遠の方は何もなかった?」


「一応は何もなかったわよ。一瞬慌ただしくなったけど後藤さんが対応してくれたから何もなかったわね」


「よかった。とりあえず永遠は美空と一緒にここにいてくれ。俺と七海さんは後藤さんの所に行ってくるよ。話したい事と聞きたいことがあるからね」


「わかったわ。あとで何があったのか教えてよね」


「そうだよお兄。私と永遠姉さんだけ蚊帳の外はやめてよね」


「もちろん後で全部説明するつもり。じゃあ行ってくるね」


 後藤さんには聞きたいことが少しある。

 勿論文句とかそういうものじゃない。

 どれだけこの事態を予想していたのか。

 あいつらはどういった組織なのか。

 現在悟の潜伏場所はわかっているのか。

 聞きたいことは山ほどあるんだ。


「おかえりなさい空君」


「ただいま戻りました。後藤さん」


「それで、ここに来れたということはあなたも彼らを退けることができたのですね」


 後藤さんは椅子に座りながら俺を見据える。

 その双眸には底知れぬ闇のようなものが見て取れる。

 怖い。

 久しぶりに心からそう思った。いや、感じた。

 瑠奈に追い詰められたときよりも恐怖を感じる。

 この人は危険だ。

 絶対に敵に回したらいけない。

 本能レベルで俺の感覚がそう警鐘を鳴らしている。


「はい。人数はそれほど多くありませんでしたし何より素人しかいなかったので。それより後藤さんは彼らの正体が何なのかご存じですか?」


「もちろんです。もうすでに調べはついていますし永遠さんを狙った輩ですからね」


「それは聞いてもいいんですか?」


「もちろんです。といっても大した連中ではありませんよ。半グレ集団みたいなものです。まあ、この地域では少し有名みたいですけどなんてことは無い普通の素人の集まりです。今回の件では藤田悟にそそのかされて永遠さんと美空さんの誘拐に手を貸したみたいです。その際に永遠さんを誘拐できれば金をたくさん用意してもらえると聞かされていたみたいですね」


 やはりあの連中は悟の差し金で間違いないらしい。

 予想通りではあるけど全く呆れたやつだ。

 そこまでして俺に復讐がしたいのか。


「先輩は藤田悟が今日行動をすることを予測してたんですか? そうじゃないと後藤さんに協力を仰いだりボディーガードを用意したり美空さんを助けに行くことはできませんよね?」


「まあ、あいつが行動を起こすのなら一番気の緩む終業式当日だと思っただけだよ。まさか、本当に当たるなんて思わなかったけどな」


 これでもだてに幼馴染をやっていたわけじゃない。

 あいつはそう思ったなかったみたいだけどそれでも長い時間一緒にいたんだから思考パターンくらいは理解してるつもりだ。

 だからあいつが二人を同時に狙うことはわかってたし永遠のほうが本命なことももちろんわかっていた。

 まあ、あんな組織みたいなのと手を組んでたのは予想外だったけどね。


「先輩の予想通りって事っすか。流石っすね」


「全然そんなんじゃない。後藤さんに頼らなかったら永遠が危ない目に遭ってたし」


「そう自分を卑下しなくてもいいですよ。空君が言ってくれなかったら私は対策を取ることもできなかったのですから。直接的ではないとしてもあなたは永遠さんを救ったんですよ」


 後藤さんは先ほどの威圧感を引っ込めて優しい笑みを向けてくれた。

 この人が何を考えているのか全く読めない。


「……ありがとうございます」


「それで藤田悟はどうなったのか後藤さんは知ってるんすか?」


「いいえ。永遠さんを狙った輩は全部で21名。全員拘束してありますがその中に藤田悟はいませんでした。居場所も不明です。どうやら彼らも藤田悟の居場所を知らないようでした。二日ほど前から彼らにも姿を見せていないようです」


 21人も?

 どれだけ人数をかけてるんだよ。

 永遠が無事で本当に良かった。


「総勢26人っすか。結構な人数が今回の件に加担してたんすね」


「そうですねぇ。まあ、美空さんを襲った輩は拘束できませんでしたが21名は拘束していますのでもう大胆な真似もできないでしょう。あとは藤田悟を拘束すればすべてに片が付きます。私は今から彼の捜索を開始しますので何かあればすぐに連絡してください。では」


 そう言うと後藤さんはとっとと部屋から出て行ってしまった。

 本当に読めない人だ。


「何とかなってよかったっすね先輩」


「だな。まあ、一番の問題は解決してないわけなんだけどな」


「いいじゃないっすか。目先の脅威は去ったんですから。それよりも今は二人に事情を説明しに行きましょう」


「わかった。今聞いた話を一緒にしてくれると助かる」


「もちろんっすよ。じゃ行きましょうか」


 頼れる後輩が居て俺は幸せだなぁ~

 この優秀過ぎる後輩に甘えすぎないようにしないとな。


 ◇


「話は終わったの?」


「うん。ばっちり」


「じゃあ、私達にも説明してもらおうかしら。私と美空ちゃんだけ蚊帳の外になんてしないわよね?」


「もちろん。しっかり二人に説明するよ。まず、今回俺たちは悟に狙われていた。その過程で美空と永遠を誘拐しようとしてたみたいで悟にそそのかされた地元の半グレ集団が二人を狙っていた。永遠にかけられた人員は21名美空は5名。21名は後藤さんとボディーガードの人が拘束。美空を狙った五名は俺が撃退した」


「……そんなことがあったの? 私全然知らなかった……」


「あの人たち私を誘拐しようとしてたんだ……」


 2人は顔を青ざめて少し震えていた。

 当然だと思う。

 下手したら自分が全く知らない男たちに誘拐されそうになっていたと聞かされれば青ざめもするだろう。


「……それで藤田悟はどうなったの?」


「それはな」


 そこから俺は先ほど後藤さんに聞いた話をそのまま話した。

 2人はかなり驚いていたけどまだ本人が捕まっていないことに少なからず不安を抱いているみたいだった。

 それは俺も同じだ。

 でも、あいつの性格上不利な状況で仕掛けてくることは無いと思うのだが。

 どうなんだろうか?

↓にある☆☆☆☆☆評価欄を、★★★★★にして応援して頂けると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ