第90話 レッツ膝枕
あれから一週間。
特に何か起こることもなく普通に平和な日常が過ぎて行った。
言っちゃあなんだけど少し拍子抜けではある。
でも、何もない方がいいのでありがたくはあるんだけど少し不安にもなってしまう。
あいつの性格上何かしかけてくると思ってたんだけどな。
「なんも起きないっすね~」
「だな~あれ以降七海さんも何もなかった?」
「はいっす。調べてはいるんすけど特に何の情報もないっすね。先輩もなんもないみたいっすね」
「うん。永遠は何か変わったこととかあった?」
「なにもないわよ。ずっと空と一緒にいるんだから何も無いに決まってるじゃない」
「先輩方ナチュラルにイチャつくのやめてもらっていいですか? ここ教室ですよ?」
ジト目で七海さんにそんなことを言われてしまった。
そこまでイチャついてる自覚は無かったんだけど周りを見てみればなんだか……
うん、いったんやめといたほうがいいかもしれない。
女子たちの黄色い悲鳴と男子たちの憎悪の視線を見て俺はそうおもった。
「すまん。でも、あいつは一体何がしたいんだろうな?」
「さあ、私にはさっぱり。ただ何かしようとしてるのは間違いないでしょうね。対象は間違いなく空先輩ですけど永遠先輩も巻き込まれる可能性があるので気を付けてくださいね」
「ええ。そうするわ。ありがとうね杉浦さん」
「はいっす」
とりあえず様子見だな。
帰りとかは特に気をつけないといけないのには変わりない。
だけど、今のところあいつは何もしてないから警察を頼ることもできないしな。
◇
「結局今日も何もなかったわね」
「だね。まあそのほうがいいんだけどね」
「それよりそろそろする? 膝枕」
「お願いしようかな」
少し忙しくて……というのはうそになるけど悟のことを聞いてからはずっと気を張ってたからなかなか永遠に膝枕&耳かきをしてもらう機会が無かったんだけど。
そろそろしてもらってもいいのかもしれない。
というか、俺はもう我慢できない!
めちゃくちゃして欲しい!!!
「ふふっいいわよ。いつまでもご褒美がお預けって言うのもかわいそうだものね」
「はいっ! その通りです!」
少し食い気味すぎる気はしたけどしょうがない。
あまりにも楽しみにしていたのだから仕方がない。
自分に言い訳している情けない恋人で申し訳ないけど楽しみ過ぎたんだから許してほしい。
正直な話悟のことを聞いて気を張ってはいたけど頭の中の4割くらいは膝枕のことを考えていた。
ごめんなさい。
「いいわよ。ほら」
そういって永遠はベッドに座って自身の膝をポンポンと叩いている。
「お邪魔します」
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