第88話 テスト返し後半戦
「ふぅ、何とかなったな」
自信がなかった数学とか化学のテストも無事に90点台を記録した。
今回のテストは難しかったこともあって今回の結果には個人的には大満足だ。
でも、そんなことを永遠に言ったら100点を取ってから大喜びしなさいとか言われそう。
永遠は勉強とかにおいてはストイックだからな~
「その顔はもしかして全教科90点位取れたの?」
「うん。苦手な理系科目も何とかなって安心してるよ」
「すごいじゃん! 私は理系科目どれも赤点ぎりぎりだったよ」
「でも、赤点取らなくてよかったじゃないか。この時期に赤点取ると面倒なことになるかもしれないんだからさ」
この時期は追試だけでなく下手すると追認考査というものを受けないといけなくなってしまう可能性がある。
この試験に合格できなければ進級資格なしとみなされて進級できずにもう一年高校二年生をする羽目になってしまうそれはそれは恐ろしい試験だ。
美空も赤点とかを回避してることを祈ろう。
妹が留年してる姿なんて観たくないし。
「うん! これで安心して春休み遊べるよ」
「いやいや、俺たちもそろそろ受験生なわけだから勉強しないと」
いよいよ本格的に俺たちは受験生になる。
永遠と同じ大学に行くためにもより一層勉強に力を入れなくては。
◇
「全部90点台にいったよ」
「あら、すごいじゃない。よく頑張ったわね空」
「……」
永遠に点数を報告してみたら意外なことにも褒められた。
100点を取ってから喜びなさいとでも言われると思ってたから不思議だ。
「なによその顔は。もしかして100点取ってから喜びなさいとでも言われると思った?」
「なんでわかるのさ」
エスパーか。
もしかして思考盗聴されている?
明日から頭にアルミニウム箔巻こうかな。
「そういう顔をしてたから。私も鬼じゃないんだからそんなこと言わないわよ。空が頑張っていたのは知っているし素直にすごいと思うわよ。そんなに私からのご褒美が欲しかったのかしら?」
「当たり前だろ? 永遠からどんなご褒美がもらえるかも興味があったし何よりも永遠と同じ大学に行くためにも勉強はしっかりしないといけないからな」
せっかく付き合えたのに進学を機に離れ離れなんてたまったもんじゃない。
耐えられない。
だから絶対に俺は永遠と同じ大学に行くのだ。
「それはいい心がけね。ご褒美か、空は何かして欲しいこととかあるかしら?」
「そう言われると……う~ん」
ご褒美って言う漠然な飴があったから結構頑張れたけどそういえば具体的なご褒美がなにかは聞いてなかったな。
特にめっちゃやってほしいこととかもないし。
「考えてなかったのね。なんだかあなたらしくていいわ」
「どうしよう。特段永遠にやってほしいことってあんまりないんだよね。一緒にいてくれるだけで幸せというか。一つ挙げるならこれからもずっと一緒にいてほしいってくらい」
「嬉しいこと言ってくれるじゃない。そうね膝枕とかどうかしら? 耳かきもつけてあげるわよ」
「耳、かき!?」
ラブコメとかそういう創作で有名兼男のロマンな膝枕耳かき……だと!?
めっちゃやってほしい。
というか、永遠とスキンシップとかあんまりしてないからかなり嬉しい。
めっちゃうれしい!!!
「嫌かしら?」
「お願いします!!!」
こうして俺がもらえるご褒美が決定した。
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