第87話 テスト返し前半戦
辛い模試が終わって月曜日。
今日は学年末テストが返却される日だ。
90点を超えてれば永遠からご褒美がもらえる。
ご褒美が何なのかはわかんないけどご褒美っていう響きがいい。
今回のテストは普段よりも結構勉強したからかなりいい線いってると思う。
問題は90点を超すかどうかなんだよな。
「なんか難しい顔してるね柳君」
「まあな。テストの点数が気になってるんだよ」
「あれ? 柳君って毎回かなりいい点数取ってなかったっけ?」
「それは自分ではわかんないけど。今回は90点以上取りたいからな」
「また、高い目標だね。今回のテスト難しかったのに」
確かに今回のテストはかなり難しかったと思うし永遠も
少し難しかったといっていた。
でもそんなのは関係ないのだ。
だってテストの難易度なんか関係なくて俺が目指さないといけないのは90点だからだ。
◇
「今からテストを返却するから机の上を問題用紙と赤ペン以外しまえよ~解答用紙は既に全部スキャンしてるから変なことはするなよ~」
先生が生徒たちに諸注意をしてからテストが返却される。
今回帰ってくるのは一番自信がある国語だ。
出席番号順でテストが返却されていく。
俺の出席番号はかなり後半の方だから待ち時間がじれったい。
「柳今回はよく頑張ったな」
そう言われてから先生は俺に解答用紙をくれる。
解答用紙を見てみると98点。
後2点で満点だったから少し悔しくはあるけどまずは90点突破だ。
残りの教科もこの調子で乗り切っていきたい。
「柳君98点!? めっちゃ点数高いね」
「そういう一ノ瀬さんも97点じゃないか」
「国語は得意科目だからね! でも数学とかはかなり不安かな。めっちゃ難しかったし。もしかしたら赤点とかとっちゃうかもしれないし不安だな~」
「そうなったら数学くらいなら教えるよ。まあ、俺も苦手科目なんだけどね」
「絶妙に不安になること言わないでよ」
永遠との話では90点という話だったけどそれが一教科なのか全教科なのかわからない。
だから、とりあえず全教科で90点以上を取りたいものだ。
◇
「それで、午前のテスト返しはどうだった?」
「国語、英語、公民は無事に90点台を取れたよ」
「すごいじゃない」
「絶対に永遠は満点とかでしょ?」
「あら、正解よ。午前に返却されたテストは満点よ」
「流石っすね。永遠先輩」
最近はおなじみとなったお昼の時間に帰ってきたテストの結果について話し合っていた。
永遠は案の定満点だったらしい。
本当にすごい。
「そういう杉浦さんはどうだったの?」
「私は全教科満点でした」
「……うそ、だろ?」
七海さんが頭がいいであろうことは理解してたけどまさか満点なんて思ってなかった。
んんん?
ということは今机を囲んでる俺達三人のうち二人は満点ってこと???
なんか90点が霞んでしまうな。
とほほ。
「本当っすよ。学校のテストくらいなら余裕っす」
「すごいわね。点数が良いとは思ってたけどまさか全部100点なんて」
「永遠先輩も100点じゃないっすか」
「まあね。大学に進学したいからこれくらいわね」
うん。俺ももっと頑張ろ。
絶対に永遠と同じ大学に進学するんだ!
改めてそう心に誓った。
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