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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第86話 テストお疲れ様会

「やっとテストも今日で終わりだな」


「そうね。といってもあまり気を抜いたらダメよ? 最後までしっかりしないと」


「わかってるよ。あそこまでしっかり勉強したんだからしっかり成果はもぎ取ってくる」


「そうしなさい。せっかく私が教えたんだから。高得点期待してるわよ?」


「任せてくれ! 90点台は取って見せる!」


「ふふっ、いいわね。もし90点台に到達したら何かご褒美をあげるわ」


「本当か! なんかなおさらやる気でてきた!」


 永遠と一緒に寝た日から一週間ほどが経って今日はいよいよテスト最終日だ。

 三日間あるテストで今日は最終日ということもあって少しだけ緩みそうな気を引き締める。

 今日が終われば土日だしいったんはゆっくりできる。

 それに今聞いたご褒美の話のおかげもあってやる気は十分だ。


「よかった。私も頑張るからお互い頑張りましょうね」


「おう!」


 こうして俺たちはそれぞれの教室に別れる。

 三年生になったらぜひとも永遠と同じクラスになりたいものだ。


「おはよう柳君」


「おはよう一ノ瀬さん」


「今日も朝から仲がいいね」


「そうかな?」


 最近は登校してから一ノ瀬さんと会話をすることが多い気がする。

 というかクラスで会話できるような人が一ノ瀬さんしかいないのだけど。


「そうだよ~学校中で噂にもなってるしね」


「噂?」


 一体どんな噂だろう。

 悪い噂じゃなければいいんだけど。


「噂っていうかまた柳君の評価が上がってるというか」


「どういうこと?」


「天音さんと付き合い始めてから一層かっこよくなったって噂なんだよ。天音さんと付き合ってるのに告白しようとしてる一年生の女の子意外と多いんだよ?」


「え~なんだそれ」


 好意を向けられるのは良いんだけど告白までされると困る。

 俺には永遠がいるし。

 何より告白されてる現場を永遠が見たら機嫌が悪くなってしまう。

 それだけは避けなくては。


「本当に大変らしいよ? 私も後輩の女の子に聞いただけなんだけどね」


「そっか、一応気を付けておくよ」


「うん。浮気とかしたら怖そうだもんね」


「本当にね」


 浮気なんてする気もないけど変な勘違いで関係が悪くなるのも避けなくては。


 ◇


「先輩何とかしてくださいよ」


「いきなり何の話だよ」


「知ってるでしょ? 先輩の女子人気がまた上がって私に紹介してって言ってくる女の子が多いんすよ! 全くいい迷惑です!」


「いやいや、それ俺のせいじゃないし。俺が怒られるの理不尽じゃない?」


「そうよ。杉浦さん。さすがに理不尽だわ。それはそうと空のことを紹介してほしいって言っていた女の子のことを詳しく教えてくれないかしら?」


「待って永遠! いったん落ち着こう。その包丁は一回置こう」


 テスト終わりお疲れ様会という名目で俺と永遠、美空に七海さんが永遠の部屋のリビングに集まっていた。


「でも、彼女もちの男の子を紹介してほしいっていう女の子いるんだね~お兄モテモテじゃん!」


「嬉しくないから! 俺は永遠と居れればそれで満足だから」


「なんか熱いな~今二月なんだけどな~美空さんもそう思いません?」


「私は慣れてるから」


「……あんたら妹の前では自重してくださいっす」


 なんだか呆れられてる気がするけど美空の前でそんなに過剰にイチャイチャはしてないと思うんだけどな。

 理不尽だ。


「私達そこまでイチャついてるかしら?」


「自覚が無いのが一番重症ですからね!?」


 そんな会話を繰り広げながら美空と永遠が用意してくれた昼食を食べ進める。

 やっぱり二人が作ってくれる料理はそこら辺の飲食店なんかよりも格段においしい気がする。


「今更っすけど私が参加しても良かったんすか?」


「いいに決まってるじゃない。ダメなら私も空も誘わないわよ」


「そうだよ。俺たちは七海さんと仲良くしてたいからね。美空の友達でもあるわけだし」


「そうだよ七海ちゃん! 遠慮なんかしなくてもいいんだから!」


「……ありがとうございます」


 一瞬複雑そうな表情を浮かべた七海さんだったけどすぐに笑顔になってお礼を言う。

 推測でしかないけど今までこんな風に同年代の人と関わったことが無かったのかもしれない。

 本人も前に言ってたけど幼少期から探偵としての教育を受けてたって言ってたしそこらへんも関係してくるのかもしれない。


「いや~でもこれで後は進級するだけだな」


「そうね。美空ちゃんはテストどうだったのかしら?」


「そりゃもうばっちりですよ! 永遠姉さんとお兄に教えてもらいましたからね!」


「ならよかったよ。お前だけ進級できないとか嫌だしな」


 ちょっと前に勉強を見たら何もできていなかった美空だけどかなり努力したみたいだ。

 まあ、結果が帰ってくるまでは安心できないんだけど。


「そういえば私たちはそろそろ模試ね」


「……そうだった。定期テストしか頭になくて完全に頭から消えてたよ」


 模試。

 学生にとっては拷問にも等しい時間。

 土曜日という貴重な休日を丸一日消費してひたすら問題と向き合うという苦行。

 あれが好きなやつとか絶対にいないと思う。

 もしいたとしても仲良くはなれないと思う。


「しっかりしなさい。私と同じ大学に行くんでしょう?」


「だね。しっかりしないと。模試が終わったら一緒に解きなおししないか?」


「もちろんいいわよ。しっかり付き合ってあげるわ」


「そりゃあ心強い。二人も来年から模試とかあるから頑張れよ~特に美空!」


「なんで名指しするのさ! お兄の意地悪!」


 そんな会話をして今日のお疲れ様会は幕を下ろした。

 最近俺の周りの環境が激的に変わりつつある気がするけど俺はこの三人と平和な日常を過ごせればそれだけで満足だと改めて思った。

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