第84話 朝チュン?
「起きて空? もう朝よ。起きないと美空ちゃんが来ちゃうわよ?」
「……んんん? とわぁ? なんでとわが俺の部屋に?」
「寝ぼけてないで早く起きて。朝から空とくっつけるのは私も嬉しいけどさすがにこれ以上いると美空ちゃんが来ちゃうわよ?」
「…………はっ!?」
そう言われて完全に目が覚める。
そういえば昨日は永遠の部屋で寝たんだった。
って顔近!
可愛い。
「目が覚めたみたいね? じゃあ早く部屋に戻って支度してきなさい。私も朝ごはんを用意するから」
「わかった。朝から迷惑かけてごめん」
「迷惑なんかじゃないわよ。空の可愛い寝顔が見れて私は満足だから」
「やめてくれ。恥ずかしいだろ。じゃあ、制服に着替えたらすぐにまた来るよ」
「ええ。そうして頂戴。私もすぐに着替えて朝ごはんの用意をするから」
「ありがとう。またあとで」
「ええまた」
俺はベッドから降りて永遠の部屋を後にする。
幸いというべきか美空と出くわすようなことは無く部屋に戻ることができた。
しっかり顔を洗って制服に着替える。
朝から永遠と一緒にいれたから寝起きは今までで一番いい。
「よし、おかしなところはないな」
鏡に写る自分見てそう呟く。
永遠と付き合うようになってからは自然と鏡を見る頻度が増えたような気がする。
別に自意識過剰と言うわけでは無いが永遠の前で無様な格好をするわけにもいかない。
「って、俺はいったい誰に言い訳してるんだろ。早く行こ」
くだらない思考をそこら辺にポイ捨てして俺は永遠の部屋に向かう。
昨日はすごく長く感じた道だけど今日はそんな事は無かった。
「最近本当に幸せだな。こんな日がいつまでも続けば良いのにな〜」
そんな願いが叶わないのは俺だってわかってる。
それでも願わずにはいられない。
もう少ししたら俺たちは本格的に受験生になるからそう遊んでもいられないけど永遠とは一緒にいたいな。
「お兄? なんで部屋の前で変な顔してるの?」
「ああ、美空か。おはよう」
「おはようお兄。それでなんで変な顔してたの? 変な妄想でもしてた?」
「するかよ。こんなところで。俺もそろそろ受験生だなって考えてただけだ」
「そっか。お兄もそろそろ三年生だもんね。でもなんでこんなところで考えてたの?」
「別になんだっていいだろ。それより行こうぜ永遠が待ってるだろうし」
「それもそうだね。行こうかお兄」
昨日のおかげで美空と話していても気まずさとかそう言うのはない。
それどころか前よりも話していて心地い感じがする。
本音でぶつかり合えて本当に良かった。
これで俺も前を向いて歩いていけそうだ。
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