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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第82話 二人のおかげ

「随分とスッキリした顔をしてるわね」


「まあね。これも美空のおかげかな」


 あの後一通り美空と話し合った後俺たちはリビングに戻った。

 2人は何かを聞くわけでもなく暖かく迎え入れてくれた。

 もちろん勉強の続きをしたし永遠が夕飯を作ってくれて4人で食べたりもした。

 今は七海さんが帰って美空も部屋に戻っているため俺と永遠は2人きりだ。

 ちなみに七海さんを送ろうと提案したけど断られた。


「これで少しはその性格も治るかしら?」


「どうだろ。簡単に人は変わらないと思うけど変わる努力はするつもりだよ」


「それならいいのよ。それに最近は少しずつ私を頼ってくれるようになったしね」


 確かに最近は何かあったら永遠か美空には相談するようにしている。

 瑠奈の一件があってから心掛けていることだ。


「まあ、美空にもいろいろと教えてもらったからな」


「いい事ね。でも空をそうやって立ちなおらせるのは私でありたかったなぁ~」


「いやいや、永遠にもすっごく助けられてるし。そもそも俺が人を頼れるようになったのって永遠の影響が大きいし」


 俺が考え方を変えるきっかけをくれたのが永遠だ。

 勿論美空もだけどやっぱり永遠のおかげという印象が強い。

 美空のことを軽く見てるわけでもないし美空が本気で俺とぶつかってくれたから考えを改めることができた。

 最後の最後で背中を押してくれたのは美空だ。

 全くつくづく俺は兄として情けないな。


「ならいいのよ。あなたは絶対に私のそばからいなくならないでね。私、空がいなくなったらもう……」


「大丈夫。俺は絶対にいなくならない。約束するよ」


 何があっても絶対に永遠のそばから離れない。

 手放したくないのは俺も同じだから。


「絶対よ。絶対に離れないでね」


「わかってるよ」


「それはそうと聞いてみたいことがあるんだけどいい?」


「俺に答えられることなら」


 なんか最近永遠に質問されることって答えずらい事だったり答えたら怒られることだったりしたからどうしても身構えてしまう。

 一体どんなことを聞かれるのか。


「空はなんで堀井さんと付き合っていたの?」


「……なんでとは???」


「いや、そんなに美空ちゃんに罪悪感があって自分を苦しめるくらいになってたのに女の人と付き合えるのかな~と思って」


「そういう事か」


 確かにあの頃の俺には心の余裕が全くなかった。

 そんな状況でなんで瑠奈と付き合っていたのか、か。

 そういえばその理由は誰にも話していなかった気がする。


「なんていうんだろうな。瑠奈は俺と関わってきた人間の中で初めて美空と仲良くしてくれた人なんだよ。それで美空が瑠奈に懐いてて一緒にいることが多くなったんだよな。で、行動を共にしているうちに次第に俺も惹かれて行って告白して付き合ったって感じだな」


「そうなの。空の好きな女性のタイプを聞いてもいいかしら?」


「えぇ? なんでいきなり?」


「だって気になるじゃない。私と堀井さんってかなりタイプが違うしなんで私のことを好きになったのかなっておもってさ」


「なんでって、俺が一番しんどい時に一緒にいてくれたし優しいし気を使ってくれるしいけないところは指摘してくれるし。どこがって言われたら全部なんだけど」


「嬉しいけど恥ずかしいわね」


 顔を手で覆って永遠はうずくまってしまう。

 耳まで真っ赤になってるから相当に恥ずかしがっているだろう。


「そうやってすぐに恥ずかしがるところも好きだよ」


「それはからかっているでしょう!」


「バレたか」


 そういう面が好きなのはうそではないけど今のは揶揄った感じなのがバレてしまったようだ。

 こういう所も可愛いんだよな。


「そういう永遠は俺のどこが好きなんだ?」


「そうねぇ。やっぱりいつも私のことをいつも助けてくれるところかしらね。堀井さんたちに襲われたときのこともそうだし空音のこともそう。空にはかなり助けられているわ。それに空といると本当に落ち着くのよ。他にもいっぱい好きなところあるけどまだ聞く?」


「……いや、もういいかな」


 さっきは永遠の顔が赤いところを揶揄ったけどこれは想像以上に恥ずかしいな。


「ふふん。空だって顔真っ赤じゃない」


「これ、想像以上に恥ずかしいな」


「でしょ? 私の気持ちわかったかしら?」


「痛いほどにわかったよ。揶揄ってごめん」


「別にいいわよ。空、今日は一緒に寝ない?」


 永遠が俺の服の裾を掴んで上目遣いでそう聞いてくる。

 こんな聞かれ方をされたら断れるわけない。


「なんだか久しぶりな気がするね。もちろんいいよ。先に風呂入って着替えてくるね」


「なるべく早くしてね。私も済ませておくから」


 俺は緩みそうな顔を必死に我慢して永遠の部屋から出た。

 鼓動が速すぎて死んでしまいそうだ。

 前一緒に寝たときは恋人じゃなかったけど今回は恋人という関係性だ。

 何だろう、とりあえず落ち着こう。

 落ち着いてお風呂に入って気を静めよう。


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