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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第73話 瑠奈のイカレた狂気

 ずっと考えていた。

 俺はずっと考えてたんだ。

 この二日間。

 あいつがどこにいるのか。

 何を目的に行動しているのか。

 目的なんて大体予想はつく。

 問題はどこにいるのかだ。

 口では誰かが解決してくれるのを待っているように永遠に言った。

 この件には深くかかわってほしくなかったから。

 これは俺の問題でこの件に深く関われば関わるほど危険になる。

 だから無頓着なふりをしていた。

 今日七海さんから瑠奈の目撃情報を聞いて俺はあいつがどこにいるのか大体予想がついた。

 あいつの性格上絶対に《《あそこ》》にいるはずだ。

 学校でわざわざ目撃されたのもそのせいだろう。

 もう容赦はしない。

 徹底的に地獄に叩き落としてやるさ。


 ◇


「先輩? いきなり私の教室まで来て何なんですか??? また厄介ごとですか?」


「酷い言いようだな。まあ、厄介ごとなのは確かだろうけど」


「やっぱり。まあ、いいですよ。先輩と私の仲です。多少のお願いなら聞いてあげるっすよ」


「それはありがたい。でも、今回はいつものに比べてそこまで厄介じゃないと思う。内容は……」


 ◇


「空? さっそく浮気とはいい度胸ね? 遺言なら聞いてあげるわよ?」


「待て待て!? 彼女の前で堂々と浮気ができるほど俺の心臓は鋼鉄製じゃない!」


 学校の帰りに俺は七海さんを連れて永遠のもとに向かった。

 それを見た永遠には物凄い目で見られたけど事情があるので仕方ない。


「じゃあ、なんで杉浦さんを連れているのかしら?」


「いや、美空が遊びたいって言ってたから車に一緒に乗せてもらおうかなと」


「そうなんすよ天音先輩。そもそも私の男性の好みはもう少し色々なことに気づいてくれる人がいいので柳先輩は無いですね」


「俺、なんで振られた感じになってんの?」


 理不尽である。


「それは、少しわかるわね」


「あの~永遠さん? あなた俺の彼女ですよね??? わかっちゃっていいんですか?」


「当たり前よ。あなたはもう少し鋭くなりなさい。鈍感が過ぎるのよ」


「ええ~」


 俺ってそんなに鈍感なのかな。

 まあ、二対一で鈍感って言われてるからそうなんだろうけど。


「まあ、そういう事なら一緒に車で家まで行きましょうか。杉浦さん」


「ありがとうございます。天音先輩!」


 とりあえずこれで俺の目的の第一段階は成功かな。

 さて、後は成り行き次第だしそもそもいるかどうかの確信もない。


 ◇


「到着しました永遠様」


「ありがとうございます。じゃ、家まで行きましょうか杉浦さん」


 マンションの地下駐車場に到着してすぐに俺達三人は車を降りる。

 俺たちを下ろした車はすぐに駐車場を後にする。


「そういえば俺買いたいものがあるの忘れてたからちょっとコンビニまで行ってくる」


「え!? 空あなた今の状況わかっているのかしら? あなたは狙われているのよ? あまりにも不用心が過ぎるんじゃないかしら?」


「そこまで心配しなくてもすぐそこのコンビニに行くだけだから。永遠は七海さんと一緒に部屋にいっててくれ。すぐに戻るから」


「まあ、先輩もこういってるわけですし先に行っておきましょうよ天音先輩」


「でも……」


「大丈夫だから。先に行ってて」


 再度俺がそういうと少し不安そうにしながらも俺がコンビニに行くのを許してくれた。


「うわっ、靴紐ほどけてる。結ぶから先に行ってて」


「もう何してるのよ。しょうがないんだから」


 そういって二人はマンションのエントランスに向かう。

 これでいい。


「出て来いよ。いるんだろう?」


 一人になった地下駐車場で俺はそう声を上げる。

 本来であれば誰からの返答も帰ってこないはず。

 だけど、今回に限ってはその限りではなかった。


「なんでわかったのぉ~? やっぱり空は私の事を一番よく知ってるんだね!」


「黙れ。反吐が出る」


「なんで彼女の私にそんなことを言うのかなぁ~私悲しいな~あははははは」


 完全にイカレてるな。

 精神病院に入る前から少しおかしかったが入ってから完全に壊れてしまったのだろう。

 手に持っているものを見ればそれがハッキリわかる。

 右手にはスタンガン。

 左手にはナイフ。

 完全に殺す気満々だな。

 どうやって入手したのかはわからないが。


「で、お前は何でこんなところにいるんだ? 観光ってわけでもないだろう?」


「こんなとこに~観光なんてこないでしょぉ~?」


「じゃあ、何の用件だ? まさか偶然なんてことは無いだろう?」


「えへへ~まずはね空を洗脳して私から奪った魔女を殺して辱めてバラバラにしようと思って待ち伏せしてたんだけど……それする前に空に見つかっちゃった! じゃあ先に空を監禁しなくちゃねぇぇ~!!」


「ちっ!?」


 すぐに瑠奈が飛び掛かってくる。

 警戒するべきは右手のスタンガン。

 いや、あのナイフには何か塗布してあるな。

 碌な液体じゃなさそうだ。


「なんで避けるの~? 昔みたいに遊ぼうよぉ~」


「断る! 俺にはお前みたいな頭のおかしい奴じゃなくてまっとうで優しくて可愛い彼女がいるんでな!」


 両手で振ってくる凶器を回避しながらなんとか距離を取る。

 身体能力に差があるおかげで凌げてはいるけど当たったら一発アウトだろうな。


「やっぱり洗脳されてるんだねぇ~大丈夫。私がゆっくりその洗脳を解いて私無しじゃ生きれない体にしてあげるから!」


「なっ」


 いきなり左手に持っていたナイフを俺目掛けて投げつけてくる。

 避けようと体をよじったが頬に少し掠ってしまう。

 一体何が塗布されているのかわからないから早く決着をつけないと。


「うふふ~隙ありだよぉ~」


「くっ!」


 無理な体勢でナイフを躱したから反応が少し遅れる。

 途端に起動するスタンガン。


「え~それを避けちゃうんだ。残念!」


「あはは。お前完全に頭がイカれちまってんだな」


「酷いよぉ~その生意気な口も矯正してあげないとねぇ~あははははははは」


 不味いな。

 近づこうにも下手に近づくとスタンガンで一発アウト。

 長期戦になればさっきの傷口から入った謎の液体で体に影響が出てくるかもしれない。

 長期戦は論外。

 だが、ここで取り逃がすのも論外だ。


「キツイな」


「諦めて私のものになりなよ~しっかり飼ってあげるからさ~!」


「断る!」


 次々とスタンガンによる攻撃を躱しながら隙を探す。

 幸い体力面も俺が勝っているため何とかなっているがやはり問題はさっきの液体か。


「あはは~さっさと諦めてペットになったら? そのほうが楽だよぉ~?」


「だから断ると言っている! お前もいい加減諦めたらどうだ?」


「それこそないよ~そんなことしたら私がここに来た意味なくなっちゃうじゃんか!」


「そんなの知るかよ!」


 隙をついて右手に回し蹴りを叩き込む。

 手からはスタンガンが零れ落ちる。

 その隙を見逃さず腹に蹴りをいれる。

 これで決着だ。


「あは、昔の空はそんなこと、しなかった……のに……」


「先に裏切ったのはお前だ。俺を変えたのはお前なんだよ」


 地面に転がって動かなくなった瑠奈にそう言い捨ててスマホで警察に連絡した。

 ほどなくしてやってきた警察に状況説明をして今日の所は帰ることになった。

 地下駐車場ということもあり監視カメラがしっかりついていて証拠には困らなかった。


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― 新着の感想 ―
軽く付着しただけで何かある液体ってこんな軽く済むはずないんだど、頭おかしいから適当なモン塗ってるんだろうな
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