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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第70話 勉強会

「瑠奈姉って本当に……」


 家に帰ってすぐにさっき聞いた話を美空にもすると頭を押さえてそうつぶやいた。

 正直俺もそう思う。

 あいつは本当に救いようがない。


「まあ、しばらくはおとなしくしておきましょう。美空ちゃんも登下校は車で送ってもらえるからそのつもりでね」


「え!? そうなんですか?」


「俺たちも迎えに来てもらったからな~」


「後藤さんの部下の人たちが送り迎えをしてくれるらしいからね。ま、狙われてるのは多分私と空だから美空ちゃんは大丈夫だとは思うけど何かあってからじゃ遅いからね」


 瑠奈は俺と美空が今どこに住んでいるかを知らないはずだ。

 それに実家に戻れるわけもないからあいつが逃げ続けていられるのはせいぜい三日が限界だと思う。

 だから、その期間はおとなしく家で過ごしておこう。


「ありがとうございます!」


「お礼は運転手の人に言ってあげて。それよりも三人で何かしましょうか。まだ夕飯には早いし」


「そうだな~考えてみればこの三人で家の中で何かして遊ぶって言うのは無かった気がするな」


「確かに! でも、遊ぶのもいいけど私達そろそろ学年末テストじゃない?」


「……あ」


 完全に忘れてた。

 今は二月の初旬。

 学年末テストは二月の下旬だからテストまではあと三週間ちょっとといったくらいか。

 最近は身近に問題が起こりすぎてて授業に全く集中してなかったからテストとなるとかなり不味いかもしれない。

 いや、結構本気でヤバイ。


「やることは決まったわね。美空ちゃんも一緒に勉強する? 私でよければ教えてあげれるわよ?」


「はい! お願いします」


「こら空? こっそりと逃げようとしても逃がさないわよ?」


 2人が会話をしているうちにこっそり逃げようとしていたら永遠に首根っこを掴まれた。

 どうやら逃がしてはくれないらしい。

 まあ、俺も結構テストはやばかったから教えてもらえるんならありがたいんだけどね。


「……はい」


「それじゃあ張り切って勉強会始めましょうか!」


「おお~!」


「うす」


 こうして家でイチャイチャできると思っていた俺だったがなぜか三人で勉強会をすることになったのだった。


 ◇


「空は……今のところ私が居なくても大丈夫そうね。美空ちゃんの方は……」


「どうしよう永遠姉さん!? 全くわからないです!」


「ダメそうね……」


 俺たちは学校の問題集を広げながら黙々と問題を解いていた。

 最初のほうは簡単だから難なく解くことはできている。

 ここからさらに進んで応用が出てくるとそうは言ったらいられないような気がするけど。


「えっと美空ちゃんは数学が苦手なの?」


「はい。というか全教科苦手です!」


「それはそんなに元気にいう事じゃないでしょう」


 美空はとても元気に分からないと言っている。

 昔から美空は勉強ができなかったんだよな~

 頭が悪いってことは無いと思うんだけどこいつは勉強に頭を使わないからな~

 アドバイスとかは適格だし思考能力も高いとおもうんだけど。


「あはは~すいません」


「しょうがないわね。まずはわからないところを一から探して少しづつやっていきましょうか。まだ時間はあるしコツコツやっていけば何とかなるわよ」


「そうですね、頑張ります!」


 美空はやる気を出して再び問題集に視線を落とす。

 美空は勉強はできないけど集中したらできるとおもうんだよな。

 地頭は良いからこれから毎日こうやって勉強会を開けば赤点を取ることは無いだろう。

 俺も教えられるところがあれば教えていかないとな。

 妹のことなんだから永遠に任せっきりにするのは申し訳ないし。


「よろしい。じゃあわからないところがあったらすぐに言って頂戴。一つ一つ教えてあげるから」


「はい!」


 美空は教科書と問題集に目を落として真剣な顔で問題集を解き始めた。


「美空ちゃん頭は良いのに勉強を全くしてこなかったのかしら?」


「おっしゃる通りだよ。美空は地頭は良いし同年代の子と比べたら精神年齢は高いと思うんだけど今まで全く勉強してこなかったから基礎ができてないんだと思う。だから基礎さえ教えれば伸びると思うんだよな~」


「そうね。美空ちゃんは空の妹ですもの。頭が悪いってことは無いでしょうしね」


 会話をしながらも永遠は自分の問題を順調に解き進めていた。

 俺と始めた場所は同じはずなのに俺より数ページは進んでいる。

 というか、応用まで解き始めてるのにペンがとまる様子は一切ない。

 普段からこつこつ勉強をしてる永遠はやっぱり違うな~

 これは俺が永遠に教えてもらうのも時間の問題だな。


 ◇


「今日はこのくらいにしておきましょうか。一日に詰め込み過ぎても良くないし」


「やった~もうへとへとだよ~」


「お疲れ美空。どうだ? 今回のテストは乗り切れそうか?」


「うん! こうやって毎日二人に教えてもらえれば何なら結構いい感じの点数取れるかも!」


 どうやら勉強会の効果はあったようでそれなりに身にはついているらしい。

 終盤のほうに俺も美空の勉強を見たけど少しずつではあるけど問題を解けるようになっていた。

 妹の成長を感じれてお兄ちゃん嬉しいです。


「私も空もしばらくは家にいるつもりだから数日間くらいは毎日勉強会ができるわよ」


「ありがとうございます! お兄も付き合ってくれる?」


「当たり前だろ? そもそも俺もそろそろテストがあるから勉強したいし。それに永遠とデートしようにも今は少し危ないからな」


「ああ。……確かに」


 今はまだ瑠奈が逃走中だ。

 捕まるまではほいほい外に遊びに行かないほうがいいだろう。

 迂闊な行動はとるべきじゃない。


「空はいいお兄ちゃんよね」


「そうか? これくらい普通だと思うけど。俺も勉強したいのは本当だし」


「いや、私もお兄は良いお兄だと思うよ? 昔もいっつも遊んでくれたし気にかけてくれてたから」


「そうなの? そういえば私昔の空のことってあんまり知らないのよね。教えてもらってもいいかしら?」


「もちろんですよ! お兄と私の昔話でよければいくらでもお話ししますよ!」


 おっと、なんだか雲行きが怪しくなってきたな。

 昔の俺なんて碌なことをしてなかったと思うんだけど。


「ちょっとま……」


「そうときまれば聞かせて頂戴! 私結構興味あるのよ空の昔の話。空ってそう言うのを自分から話そうとしないから」


「自分の昔の話なんてそうそうするもんじゃないだろ」


「お兄はそう言うよね~まあ、私が話すんだけどね~」


 美空はもう永遠に昔の俺のことを話す気満々らしい。

 これは俺にダメージがかなり来そうだな。

 覚悟しておかないと。


「ふふっ」


 まあ、永遠が楽しそうだからいいか。

 隣で綺麗な笑顔を浮かべる永遠を見てそう思うのだった。

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