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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第60話 久しぶりの平和な日常

「とりあえず犯人は捕まった。これで柳先輩たちに降りかかる目下の問題はなくなったはずだ」


 唯一藤田先輩の消息がつかめないという不安要素は残るものの今すぐに何かをするということもないだろう。

 継続して調査はするつもりだけど結果が出るかはわからない。


「友達……か」


 今までそう呼べるような人間は一人もいなかったと思う。

 私の家は少し普通とは違うと理解したのは小学生の時だった。

 そのころにはもう私は父にある程度探偵としてのノウハウを教えられていた。

 だからか周りの人間が幼く見えて仕方がなかった。

 それは中学に上がってもそうだった。


「なんか、嬉しいっすね」


 先輩の妹ならきっと性格は悪くないだろう。

 さっき話してみた感じも嫌な感じはしなかった。

 むしろぐいぐい距離を詰めてきて少し動揺したくらいだ。


「幼いけどバカではないって感じの印象っしたね」


 頭の良さというよりは勘の良さだろうか?

 そういう面では柳先輩よりも優れているように見えた。


「まあ、あの人は意味わからないくらいには鈍感っすからね」


 あれはきっと天音先輩も苦労するだろうな~

 まあ、いい人なことは間違いないっすけど自己肯定感が低すぎるからくっつくかどうか怪しいっすね~


「私には関係ない事っすけど」


 関係はあまりないが天音先輩が幸せであればいいと思う。

 その点あの先輩なら安心だ。

 きっと何よりも天音先輩を優先してくれそうだし、何より人を絶対に裏切らないと思うから。


「私もあんな男性を捕まえたいっすね~いればの話ですけど」


 私から見ても柳先輩は優良物件だと思う。

 自己肯定感が低すぎるところが改善されたらほとんど完璧な人間だろう。

 身体能力は高く頭もいい。

 そのくせ他者を見下すことなく平等に接することができる人間。


「でも、ある程度冷酷にもなれる人間というのはなかなかいないっすからね~」


 少し前に送られてきた資料をざっと見て私はそう声をこぼす。

 私が見ているのは柳空の人物像をプロファイリングしたものだ。

 それもかなり詳細に記されている。


「なるほど。先輩が喧嘩が強かった理由はこれか」


 どうやら元カノである堀井先輩を守るために幼少期から体を鍛えていたらしい。

 屋上の一件で見た身のこなしの良さはここからきているのか。

 本人が努力家なこともあり確かに武術などをやらせれば伸びそうではある。


「ただ、今まであまり多くの人間と関わってこなかったからか少しだけ物事を見る視野が狭いと。確かにそんな面はありましたね」


 今まで関わってきて確かに先輩が抜けていると思う部分は多少あった。

 こういう理由があったのか。


「ふむ。両親についてはあれから特に目立った行動を起こしてはいないと。助かりますねこういう情報は」


「なら良かったです」


 スマホからそう声が聞こえる。

 今私はある人物と通話をしているのだ。


「ですけど、あなたが調べても藤田先輩の情報は出てこなかったんですか?」


「ええ。学校を退学後何の情報もつかめなくなりました。あなたなら何か知っているかと思ったのですが……」


「生憎私も何も掴めてません。実家の場所ならわかりましたけどそれくらいならあなたは調べてるっすよね?」


「もちろんです。そうなると少しは警戒しておいた方がよさそうですね」


「っすね。私のほうももう一回調べてはみますけど期待はしないでおいてください」


「了解しました。それでは私はまだ仕事が残っているので」


 そういって通話先の相手は電話を切った。


「全く本当に何を考えているのかわからないっすね」


 いきなり柳先輩の資料を送ってきたり。

 一体何がしたいのか。


「ま、私は私のできることをやるだけっすけどね」


 あの人が何を考えているかなんてわからないしわかりたくもない。

 でも、一つだけ確かなのは私や先輩たちに危害を加えることは絶対にないということくらいっすね。


 ◇


「やっと平和が戻ってきた感じがするな~」


「そうね。とはいってもあなたは新年が始まってからトラブルに巻き込まれ過ぎだけどね」


「確かにそうかも」


 思い返してもいれば新年が始まって約二か月大体何か問題に遭遇していた気がする。

 悟と瑠奈の嘘の噂とかそれに対して復讐したりとか。

 永遠の昔の話を聞いたりそのあとは両親の問題もあった。

 それが終わったら永遠が襲われて、その事件がひと段落したら次は美空のストーカーと来たもんだ。

 確かに平和な時間なんて全くと言ってなかった気がする。


「せっかくだし今度の休日は三人でどこかに出かけに行きましょうか」


「いいね。どこ行く?」


 買い物は普段いってるけどこの口ぶり的に今回は買い物とかではないのだろう。


「う~んそう言われるとなかなか出てこないわね。あとで美空ちゃんに聞いてみましょうか」


「だね。でもこの平和がいつまでも続くといいな~」


「あら、そう言うのはフラグって言うのよ?」


「それは創作物だけの話でしょ? そう簡単にあんな問題は起きないよ」


 今までがおかしかったのだ。

 もうこの二か月で数年分のトラブルにあったと思っている。


「それもそうね。こんなことを考えていても不毛だしどこに行くか美空ちゃんを含めて話し合いましょうか」


 こうして俺たちは次の休日に何をするか話し合うことになった。

 最終的に美空の提案で近くにあるそれなりに有名な遊園地に行くことになった。

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