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恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


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第55話 ストーカーの犯人候補

「……嫉妬か」


 さっき美空ちゃんに言われたことを思い返す。

 私が今までで一度も感じたことのない感情。

 確かに美空ちゃんに言われた通り空が他の女の子と話しているともやもやする。

 杉浦さんと二人で遊びに行ったときもずっともやもやしてた。


「私って、空のこと好きなのかな~」


 絶対に嫌いではない。

 それだけは断言できる。

 でも、嫌いじゃないから好きというわけでもないのだろう。


「あの時の空はカッコよかったな~」


 思い出すのは私が襲われてる時に突然屋上の扉が開いて空が入ってきたときだ。

 いつもの穏やかな表情とは違っていて少し怒気を孕んでいるような目がとても印象に残っている。

 その後も空はすぐに私を襲った男子生徒を制圧していた。


「でも、あの強さが堀井さんのために身に着けたものって言うのはなんだかもやもやするのだけど」


 この感情が美空ちゃんの言っていた嫉妬っていう感情なのかしら。


「むぅ~もやもやするな~」


 やっぱりもやもやする。

 嫉妬するって言うことは好きってことなのかしら?

 わからない。

 わからないけど今はまだわからないままでいいのかもしれない。

 今は美空ちゃんのストーカーの件のほうが優先だろう。


「寝ましょうか。こんなことを考えていても答えなんて出ないでしょうし」


 私はそう結論付けて眠ることにした。

 空のことを考えるとドキドキしてなかなか寝付けなかったのだけどね。


 ◇


「今日もそれらしいのはいなかったな」


「そうね。もしかしたら美空ちゃんの勘違いとかかもしれないわね?」


「だったらいいんだけどな。一週間くらいは様子を見たほうがいいだろうな」


 何も無い分には何の問題もない。

 なにかが起こったら大問題になりかねない。

 少なくとも大丈夫という確証が得られるまでは一緒に登校を続けようと思う。


「それもそうね。私も別に朝早く起きるのはそんなにつらくは無いし」


「すまないな。わざわざ付き合ってもらって」


「いいのよ。前も言ったけど私にとっても美空ちゃんは妹のようなものなんだから」


「そっか」


 永遠がそういってくれて本当にうれしい。

 俺は永遠の目を見ながら微笑んだ。


「私達も早いところ学校に向かいましょうか」


「だな。あ~今日も頑張りますか」


 ◇


「で、今日もかなり人気でしたね? 先輩?」


「皮肉かな?」


「どうでしょうか。そうかもしんないっすね」


「意外と効くからやめてくれよ」


 昼休みに永遠に一言言ってから俺は七海さんに会いに来ていた。

 その道中にも昨日みたいに囲まれてしまいまた七海さんに助けてもらうことになったのだ。


「それで調査結果ですけど今日もそれらしい怪しい人物はいなかったですよ。まあ、二日連続偶然いなかっただけかもしれないですけどね」


「やっぱり今日もいなかったか。七海さんはストーカーの目的は何だと思う?」


「わかんないすね。情報が少なすぎるし。妹さんを直接狙っているのかどうかすらわからないので」


「どういうこと?」


「つまりは妹さんを通して柳先輩の住所を知ろうとしたとか?」


「一体誰がそんなことを?」


 そんなことをして得がある人物に見当がつかない。

 そんなに面倒なことをして一体何が得られるのだろうか?


「一番可能性があるのは藤田先輩では? あの人は逆恨みをして復讐を考えるような人物でしょう?」


「確かにそうかもしれない」


 あいつならやりかねないか。

 そういえばあいつのうわさは最近聞かないな。

 今は何をしていることやら。


「私はあの人を疑っていますが他に先輩は心当たりはありますか?」


「いいや、ないな。七海さんの言う通りかもしれない。ストーカーの件と追加で悟の調査もお願いしてもいいか?」


「しょうがないですね。いいっすよ。藤田先輩の調査ですね。やっておきます」


「ありがとう恩に着るよ」


 確かに七海さんの言う通り悟は何かしてきてもおかしくない。

 警戒しておいて損はないだろう。

 今日の帰りにでも二人に情報の共有はしておこう。


「いいっすよ。それよりも早く戻らないと天音先輩に怒られますよ?」


 七海さんは腕を組みながら少し呆れ気味にそういってきた。

 スマホを確認してみれば昼休みが始まってから10分が経過していた。


「やばっ!? じゃあ、悟の件危険が及ばない範囲でお願い」


「わかりました」


 それだけ言い残して俺は永遠のもとに急いだ。

 昨日はなぜかお昼に機嫌が悪かったから早めにいかないとな。


 ◇


「遅かったじゃない。後輩の女の子とよろしくやっていたのかしら?」


 どうやら遅かったようで今日も永遠に笑顔の圧をかけられる。

 顔だけは笑ってるけど目が全然笑ってない。

 むしろ目が据わっている。

 何あれ怖い。


「いや、そんなことは無くて。普通に今日は七海さんと話してただけだよ。事前に連絡した通り」


「知ってるわよ。何の話をしていたの?」


「ストーカーの件とその疑いのある人物についてだよ」


「疑いのある人物?」


 永遠は少し怪訝な表情をする。


「七海さん的には悟が怪しいんじゃないかって。逆恨みで俺に復讐をしようと美空を狙ってるかもしれないって言ってた」


「そういうこと。確かに彼はそういう事をしてきそうね」


「うん。だから悟のことも調査をお願いしといた。だから少し遅くなったんだ。ごめん」


「別に怒ってないからいいわよ。それよりも早くお昼を食べましょう?」


「だね。昼休みが終わる前に」


 そこまで時間がかつかつというわけでもないけどのんびりできるほど時間的な余裕はない。

 永遠が作ってくれる弁当に舌鼓を打つ。


「やっぱり今日のお弁当もおいしいよ」


「私が作っているのだから当たり前よ。まあ、ほめられて悪い気はしないわね」


 それにしても最近問題が多すぎる。

 早く平和な日常を過ごしたいものだ。


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