表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋人に浮気され親友に裏切られ両親に見捨てられた俺は、学校のマドンナに救われた  作者: 夜空 叶ト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/167

第53話 修羅場!?

「ずいぶんと楽しそうだったわね? 空」


「永遠!? いや、あれは違くて」


「何が違うのか今度ゆっくりと聞かせてもらいましょうか」


「……はい」


 七海さんに腕を引っ張られて囲まれていた状況を脱するとなぜか超絶不機嫌な永遠が腕を組んで立っていた。

 永遠の言う《《ゆっくりお話》》はきっととんでもない修羅場になるだろう。

 はぁ。

 俺何もしてないのに。


「先輩少しいいですか?」


「え、ああ。いいかな永遠」


「行ってきなさい。終わったらお昼食べるわよ」


「ああ。ありがとう」


 永遠はそれだけ言って教室に戻ってしまった。


「それで話は例の件?」


「ええ。とりあえず今日一日朝から調べてみたっすけどそれらしい人物はいなかったっす。まあ、一日だけなんで断定はできないっすけどね」


「そうか。ありがとう」


「いえ、今日の帰りもつけて確認はしますけどこの感じだと尻尾を出さない可能性のほうが高いっすね。調べはしてきますけど期待はしないでください」


「わかったよ。ありがとう。七海さんも危険が及ばない範囲で頼むよ」


「任せてください」


 七海さんはそういって敬礼をするとすぐに自分の教室に戻って行ってしまった。


「さて、永遠の所に向かうか」


 それから昼休みは特に何事もなく終わった。

 終始永遠が不機嫌であまり話してくれなかったのが辛かったりする。


 ◇


「美空迎えに来たぞ~」


「ありがとうお兄永遠姉さん!」


 放課後すぐに俺と永遠は美空の高校に向かった。

 ちなみに校門を出るまでにかなりの数の女生徒に絡まれて結構疲れたしそのたびに目に見えて永遠が不機嫌になっていくのでずっとひやひやしていた。


「じゃあ、帰りましょうか美空ちゃん」


「う、うん。お兄永遠姉さんに何かしたの?」


 見かねた美空が耳元でそうささやいてくる。


「わかんねぇ。俺が知りたいくらいだよ」


 やはり女子生徒に絡まれたのが気に食わなかったのだろうか?

 それとも昼休みに待たせすぎたからか?

 それくらいしか心当たりがないんだけどな。


「そっか~まあ、喧嘩してるなら早く仲直りしなよ? どうせお兄がなにかやらかしたんだろうし」


「だな。そうするよ」


 全く持って美空の言う通りだ。

 さっそく家に帰ったら謝ろう。


「一応確認なのだけど美空ちゃん学校では変な気配は感じなかったのかしら?」


「はい! 学校ではみんなと行動してたし変な感じの人はいなかったと思います」


「ならいいのよ」


「永遠は美空の同級生を疑ってるのか?」


「可能性としてよ。学校の帰りにつけられてるなら十分にあり得るでしょう?」


「確かに」


 確かに学校の関係者なら帰る美空をつけることは簡単な気がする。

 でも、一体何が目的なんだ?


「そんなことする人学校にいるのかな?」


「それは俺たちからは何とも言えんな。ま、こんなとこで考えてても答えは出ないだろうしぱっぱと帰ろうぜ」


「そうね」


「うん」


 こうして俺達三人はまっすぐ家に向かった。

 その間も特につけられてるような気配はなかった。


 ◇


「もしもし? 七海さん」


「先輩すいません。今日は何の痕跡も得られませんでした」


「いや、謝ることじゃないだろ。それに俺たちも何も感じなかったし七海さんも見つけれなかったってことはそもそも今日はつけてないってことじゃないのか?」


「そうっすね。引き続き調べてみるっす」


「お願いね」


 こうして七海さんとの通話は終了した。


「ふう。一日目は成果なしか」


 まあ、そんなにすぐに見つかるとも思ってないわけだけどもせめて目的くらいわかっておきたい。

 どうしたもんか。


「まあ、今はそれよりも優先することがあるか」


 まずは永遠に謝らないと。

 何が悪かったのかはあんまりわかってなかったんだけど。


「永遠今少しいいかな?」


「なにかしら?」


「いや、今日の昼は遅くなってごめん」


「別にいいわよ? ただ、私が教室で待っている間にあなたは複数の女の子に囲まれて鼻を伸ばしていただけだものね?」


 冷たい笑みを浮かべながら永遠はそういってくる。

 言ってることはあっているはずなんだけどとんでもないほどの悪意を感じる。


「いや、それは、そのごめんなさい。教室を出たらなんか囲まれて」


「あら素直に認めるのね?」


「鼻は断じて伸ばしてないけどね」


 正直永遠のほうがあの子たちより数段可愛いし何よりも何も知らない女の子に鼻を伸ばせるほど俺はお気楽な人間じゃない。


「私には伸ばしているように見えたのだけどね?」


「だとしたら誤解だ。俺は断じて伸ばしてなんかいなかったぞ?」


「そういう事にしておいてあげるわ。それよりもあの後杉浦さんと何の話をしていたの?」


「ああ、美空のストーカーの件について話してたんだよ。そういうのに詳しそうだからね」


「そういう事。さっきの電話相手も?」


「うん。七海さんだよ。今日の所はそれらしい人物は見つけられなかったって」


「でしょうね。今日はわたしもずっと警戒してたけどそれらしい人は見つけられなかったわ」


 やっぱりか。

 三人がかりでも見つけられないなら今日はやっぱりいなかったんだろうな。

 それが分かっただけでも収穫なのか?


「了解。引き続き調べてもらうようにお願いしておいたよ」


「わかったわ。それと空変な女の子に騙されたらだめよ?」


「わかってるよ。じゃあ、俺は部屋に戻るね。お休み」


「おやすみなさい。空」


 挨拶を交わしてから自分の部屋に戻ろうとして永遠の私室のドアを開ける。


「んっ!?」


「美空? こんなところで何してんだよ」


「いや、ちょっと永遠姉さんに相談があって」


「そっか。じゃあ俺は部屋に戻るな。おやすみ美空。なんか不安なことがあれば何でも言えよ」


「うん! ありがとうお兄。お休み」


 そう言葉を交わして部屋に戻る。


「さて、筋トレでもしとくかな」


 焼け石に水だろうけどしないよりはましだろう。

 何かあったときにとっさに動けるように体を鍛えなおしておかないとな。

 それから一時間ほど筋トレをして風呂に入ってベッドに入る。


「そういえば、美空が永遠に相談って何なんだろうか? 女の子同士でしか話せないこととかか?」


 だとしたら安易になにを話していたのか聞かないほうがいいだろうな。

 変なことを考えてても仕方ないし寝るか。

 そうして俺は眠りについた。

↓にある☆☆☆☆☆評価欄を、★★★★★にして応援して頂けると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ